FORE SEASONS AND INFINITE COLORS
六つの力の時間
Written by Babin no Hitsugi




言葉は心臓みたいなリズムを持って

声は楽器と同じトーンを使って

歌はガラスの音階で聴く

知恵と小さな穴と空気の振動

その三つが力です


手拍子にリボンをつけて

笑顔に口笛吹いて

体中に流れてあふれる響き

リズムと感情と空気の振動

その三つが力です


大きな大きな卵の中の人々と踊る時間



FORE SEASONS AND INFINITE COLORS
曖昧
Written by Babin no Hitsugi




鏡の向こう側のあなたの目が思い出せない

水族館の向こう側のあなたの唇が思い出せない

たばこの煙の向こう側のあなたの顔が思い出せない


一人になると

さっきまでくっきりしていたはずのそれが

一人になると

いつでもぼんやりしてしまう


曖昧を壊したくて

わたしはもう一度あなたに電話する

曖昧を忘れたくて

わたしはもう一度あなたの部屋へ行く


でも本当はわたしが一番曖昧




FORE SEASONS AND INFINITE COLORS
水玉模様
Written by Babin no Hitsugi




水玉模様の空だ


晴れた空から雨が落ちてくるんだ


いや、雲が水玉みたいに見えるんだ


いや、空に星が瞬いてるんだ


水玉模様の空だ


小さな小さな水玉の中に大きな大きな空が映ってるのさ




FORE SEASONS AND INFINITE COLORS
Nobody knows but I know
Written by Babin no Hitsugi




Nobody knows but I know

左利きのペン

Nobody knows but I know

80ミリのカメラのレンズの色

Nobody knows but I know

9ミリの青ラインのたばこ

Nobody knows but I know

雨の日の傘がわりのジャケット


Nobody knows but I know

唇の力と手の柔らかさを

今でも




FORE SEASONS AND INFINITE COLORS
しき
Written by Babin no Hitsugi




みずいろ と はる と ゆきどけ でも ももいろ


だいだい と なつ と たいよう でも みどり


あか と あき と もみじ でも ちゃいろ


くろ と ふゆ と し でも しろ