田中芳樹のコーナー


作品の紹介

銀河英雄伝説
創竜伝
アルスラーン戦記
マヴァール年代記
七都市物語
タイタニア
灼熱の竜騎兵─レッドホット・ドラグーン
夢幻都市
晴れた空から突然に・・・
夏の魔術
窓辺には夜の歌
白い迷宮
ウェディング・ドレスに紅いバラ
自転地球儀世界
西風の戦記─ゼピュロシア・サーガ
アップフェルラント物語
カルパチア綺想曲(ラプソデイ)
白夜の弔鐘
戦場の夜想曲(ノクターン)
流星航路
夜への旅立ち
チャイナ・ドリーム
風よ、万里を翔けよ
紅塵
長江落日賦


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銀河英雄伝説

解説

銀河に広がる人類の版図を二分する「銀河帝国」と「自由惑星同盟」に、出現した。
銀河帝国には「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ミューゼル、自由惑星同盟には「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリー。
150年にもわたる長い戦いを続けてきた両勢力の歴史は、このふたりの出現によって大きな転回点を迎えることとなる。
宇宙を手にするという野望を抱く若き天才ラインハルトは、戦うたびにその地位を上げ、やがてローエングラム家の名を継ぐとともに帝国元師の地位を手にする。
彼の元には若い才能が次々と集まり、銀河帝国におけるラインハルトの勢力はますます確固たるものになってきた。
一方自由惑星同盟では、歴史家志望であったにもかかわらず方便として軍人になったヤンが、その武勲によって図らずも独立艦隊の司令官に抜擢され、難攻不落とされたイゼルローン要塞を制圧し、ヤンの名声は本人の意思とは関係なく高まってゆく。
やがて帝国元師となったラインハルトは、政軍の実権を掌握し、ついには銀河帝国皇帝の座にまでのぼりつめる。
銀河の半分を手に入れたラインハルトは、残る半分を征服すべく同盟領への大侵攻作戦を実行した。
天才と魔術師の最後の直接対決が始まる・・・。

田中芳樹の代表作であり、日本のスペースオペラにおいても代表作の一つにあげられる記念碑的作品。
この作品は、全十巻だが外伝もあり長編だが、好きな人なら一気に読める作品である。
この作品の面白さは、戦略と戦術にあるが、いまの日本においての共和制と、民主制について深く考えさせられる所がある。
何はともあれおすすめの一作です。

マヴァール年代記

解説

大陸歴1091年2月、北方の雄マヴァール帝国の皇帝が崩御した。
実は長く父王に恐怖してきた王子カルマーンが、父王の仕打ちに耐えかねてついに自らの手で殺してしまったのだが、そのことを知っているのは、彼のほかは旧友のヴェンツェルのみであった。
皇帝亡き後、皇位継承をめぐってマヴァール帝国は混乱を極めた。
カルマーンは、ヴェンツェル、リドワーンの二人の旧友の協力を得て、彼の即位に反対する選帝公を次々と倒していく。
やがて、ついに実権を掌握したカルマーンは、隣国の制圧へと乗り出した。
マヴァール帝国の動きに恐怖した周辺諸国は対マヴァール同盟を組み、戦乱は大陸全体へと広がっていく。
ファンタジーというよりは、中世ハンガリーをモデルにした「架空歴史小説」という色彩の濃い作品。
マヴァール帝国をめぐる様々な野望が織りなす物語であると同時に、「殺逆」という罪を心に秘めながら覇業を推し進めるカルマーン、皇位という野望にとりつかれながらカルマーンとともに戦うヴェンツェル、そしてその二人の板挟みになりながら臣下の忠をつくすリドワーンという三人の男たちの、苦悩に満ちた友情の物語である。
戦略と人間関係がおもしろい作品であり、田中芳樹らしい終わらせ方をした作品といえよう。

七都市物語

解説

「大転倒」──地球自転軸の大移動による災厄で、地上は破壊的な打撃を受けた。
すでに月面都市に移住していた200万の人類は、2091年に至って地上に戻り、七つの都市を再建した。
同時に月面都市の優位を維持するために、大出力レーザー砲によって地上500メートル以上を飛行する物体を打ち落とすという「オリンポス・システム」を構築したのである。
だが2136年、隕石から発見された未知のビールスにより、月面都市の人類はすべて息絶えた。
地球の各都市はようやく月の支配から脱したかに思えたが、「オリンポス・システム」は機能を続け、地上の人類から空を奪い続けていたのである。
そのエネルギーは、あと200年はシステムを維持できると考えられた・・・。
そのような状況の中で、七つの都市は互いの利害をめぐって対立を繰り返していたが、西暦2119年を境に、都市同士の大規模な軍事衝突の時代に移っていった。
過去の政権争いを発端とした「ニュー・キャメロット」による「アクイロニア」への軍事干渉や、軍事独裁政権下の「ブエノス・ゾンデ」による「プリンス・ハラルド」への侵攻が、その幕開けであった。どちらの戦いもその侵攻は失敗に終わったが「ブエノス・ゾンデ」の軍事独裁政権の存在は、民主主義を掲げる他の六都市の大同盟を生む結果となった。
六都市同盟は「ブエノス・ゾンデ」に対して軍を派遣する。
しかし多国籍故の意志不統一から、同盟敗退してしまう。
これにより、「ブエノス・ゾンデ」の独裁政権は安泰かに見えたが、独裁者の死とそれに続く政治的混乱は、周辺三都市の軍事介入を招き、ついに「ブエノス・ゾンデ」は三都市により分割占領されてしまう。
その結果、これまで保たれていた七つの都市のバランスが崩れてしまった。
淘汰の時代が始まったのである。

夏の魔術

ある日、旅の途中で、大学生の能戸耕平は、とある山間の無人駅のホームに取り残された。
「お兄ちゃん、一人旅?」
無為な時間を過ごしていた耕平に、そう話しかけてきたのは、立花来夢という名前の女の子だった。
自然にうち解けた二人に、老紳士の北本氏も加わって、老人と少年と少女の奇妙なトリオが誕生する。
彼らは、不意に現れた蒸気機関車に乗って、不思議な洋館「黄昏荘園」にたどり着いた。
そしてそれが怪異の始まりだった・・・。
青年と少女という組み合わせは、田中芳樹の現代のものに頻出する主人公ペアの原点でもある。

窓辺には夜の歌

「夏の魔術」の続編です。
耕平と来夢、北本氏の三人が、再び事件に巻き込まれる。

白い迷宮

来夢と耕平のコンビが活躍するファンタスティック・スリラーの第三弾。
田中芳樹のお気に入りシリーズである。

ウェディング・ドレスに紅いバラ

コメディ・タッチの吸血鬼小説。ユーモアあふれる筆致で描き出された秀作。
表題作ほか、書き下ろし中編を含む二編を収録した連作長編。

カルパチア綺想曲(ラプソデイ)

「アップフェルラント物語」とほぼ同時期のヨーロッパを舞台にした、冒険活劇。
ただし、こちらの方は実在のオーストリア・ハンガリー二重帝国が舞台である。

戦場の夜想曲(ノクターン)

SF誌初登場の「白い顔」を含め、初期の多彩なジャンルの作品七編を収録した短編集です。

流星航路

幻影城時代の短編八編を収録した短編集。
どれも大変面白い作品だが中でも、幻影城新人賞受賞作「緑の草原に・・・」は、ぜひとも読んで欲しい作品です。

夜への旅立ち

ファンタジー傑作集です。
全九編、「創竜伝」の原点となった作品や「銀英伝」コミックスのために書き下ろした「黄金の翼」などの有名作も収録している。

チャイナ・ドリーム

全三巻の中国を舞台にしたファンタジー短編小説集のシリーズ。
田中芳樹をはじめとして、狩野あざみ、井上裕美子ら若手実力派の作品で構成されている。
一巻で「寒泉亭の殺人」、二巻で「猫鬼」、三巻で「黒道兇日の女」が収録されている。

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