球界トピックス

8月20日 M−L(仙台):雨天中止
第84回全国高校野球選手権:倉敷工0−2光星学院 岩国12−4福井商 平安0−1東北 静岡0−7常総学院



6回、ピンチバンターとして登場の川相

0−1からの2球目に仕掛ける

川相にしては完璧ではないものの…

通算512犠打の世界新記録達成

いつもの様に淡々と引き上げてくる川相

快挙達成に大いに沸くスタンド

オーロラビジョンでも大記録を祝福

若大将・原監督と熱き抱擁を交わす

愛する子供達から祝福を受ける川相

8回、内川の痛打を見事に好捕

素早く起きあがり、一塁に好返球

倒れ込んだ儘、アウトを確認する川相

続く小川の一打もダイビングキャッチ

深い所から一塁へ大遠投を見せる

ファンの歓声に応える川相

9回、ついにショートの聖域に復活

試合後、歓喜の胴上げを受ける川相

お立ち台で感涙の川相

東京ドーム:巨人17勝8敗
YB 000000000  0
G  02000010×  3
勝:カリメロ6勝3敗
負:グスマン4勝11敗
本:レイサム5、ペタジーニ23
 
不滅の金字塔! 名手・川相、前人未踏の通算512犠打達成!
日本が誇る堅実無比の職人がついに不滅の金字塔を打ち立てた。名手・川相昌弘(38)が通算512個目の犠打を決め、タイ記録で並んでいたエディー・コリンズの記録を抜く世界新記録を達成。この日も茂雄の陰謀により、理不尽にスタメンから外された川相。川相不在で繋がりに欠ける巨人打線は横浜先発・グスマンの前に相変わらずの拙攻三昧を繰り返し、5回までに僅かに2安打。川相不在では一発に賭けるしかないとばかりに飛び出したレイサムの5号2ランで2点を取るのがやっとだった。一方、川相不在のヘッポコ内野陣を背負わされた巨人先発・カリメロは川相が出てくる時まで踏ん張るしかないとペース配分無視の全力投球モードで横浜打線に点を与えない執念の力投を展開。そして、2−0の儘、迎えた6回裏、その時はやって来た。先頭のカリメロがショートゴロに倒れて、一死。ここで打席にはここまで13打席連続犠打通算世界新記録阻止と言う神懸かり的なインケツぶりを発揮してきたニックン。ネクストバッターズサークルには川相を差し置いて、2番スタメンの川中がいた事で世界記録阻止と言う状況を認識していなかったニックンはライト前ヒットで出塁。ここで若大将・原監督は川中を呼び戻し、いよいよ名手・川相を代打で起用。世界タイ記録達成以来、ニックンの怒涛のインケツぶりも手伝い、15打席連続して犠打を企図出来ない場面に立たされていた。産みの苦しみをこの上なく味わわされた川相だが、リーチをかけてから失敗を繰り返した訳ではない。あまりにも巡り合わせに恵まれなかった。正に、自分一人では達成出来ない,チームメイトが出塁してくれる事で初めて企図出来る「犠打」であるが所以だ。若大将・原監督も2番スタメンで達成させてあげたいのはやまやまだった事だろうが、記録阻止に燃える茂雄の圧力により、川相幽閉策筆頭刺客たる怒涛のチャンスブレイカー・ニックンを1番に起用せざるをえないとあっては、状況を選んで起用出来る代打策に走るしかなかった。巨人ベンチは勿論、スタンドの大観衆,横浜ナイン…、この場面で川相がバントを敢行する事は誰もが予想出来た。ここ数年、川相の打席はいつもこういう場面だ。しかし、誰もが分かっている状況で、厳しい警戒網をくぐり抜け、きっちりバントを決める事がいかに難しい事か。それを当たり前の様にいとも簡単に決め続けてきた男。打球を殺し、自分を殺し、チームを生かす為にチャンスメイクする脇役に徹してきた男。そんな陰に徹してきた川相にいよいよ陽の光が当たる時が来た。藤田監督の下、長打力のない自分がプロで生きる道として、クリーンアップに繋ぐ2番の仕事を極める事を決意。血の滲む努力により、培った匠の技でレギュラーの座を勝ち取ってからは、着々と犠打の数は伸びていった。一発にしか興味のないあの男が指揮官となるまでは…。毎年の様に送り込まれた刺客を次々と退けていた川相だが、記録阻止に燃える茂雄の「攻撃的2番」などと言うお題目により、2番の座を追われてからは、下位に置かれて犠打を企図出来ない日々が続いた。そして、ニックンの入団により、競争する機会すら与えられずに理不尽にレギュラーの座を剥奪される屈辱も受けた。自らが世界に誇れる記録を何一つ持っていないからと、執拗な世界記録阻止を図る茂雄の怒涛の嫌がらせ攻勢に耐えて耐えて耐え抜いた川相。何度となく引退を噂されながらも、茂雄が失脚するまで、現役を守り抜いた。1985年6月13日に初犠打に成功させてから、足かけ18年。順調にいっていれば、1998年にも達成可能だった筈が茂雄の陰謀により、6年も遠回りしたが、ついに茂雄の目論見を打ち砕き、栄光を掴む時が来たのだ。ここまで実に511個の犠打を決めてきた業師はいつもの様に2回素振りをして、打席に入る。大観衆が固唾を飲んで見守る中、グスマンの初球はアウトローのボール。初球で決まらなかった事で、より一層高まる緊張感にも、長年の努力で培い、今なお修練を怠らずに磨き上げてきた技術が鈍る事などなかった。続く2球目、グスマンのストレートがストライクゾーンへ投げ込まれる。これに対して、バントを仕掛けた川相の打球はピッチャー前で高くバウンド。究極無比の職人技を持つ川相にしては「完璧」とまでは言えないものの、それでも犠打としては申し分ない。猛ダッシュでマウンドを降りてきたグスマンが打球を処理した時には一塁走者・ニックンは既に、二塁に到達しようとしていた。やむをえず、一塁に送球をするグスマン。この瞬間、川相の通算512犠打目が成立。ついに稀代の職人・川相が世界の頂点に立ったのだ。当たり前の様に仕事をこなし、淡々と一塁から戻ってくる川相。いつもはベンチで出迎えるナインも、この日ばかりはベンチを出て、川相に歩み寄り、その大記録を讃えた。全員とハイタッチを繰り返し、長男から花束を,長女からは世界記録を成し遂げたバットを受け取る。球場全体をヒートアップさせる川相のバントだが、この時、大観衆から受けた拍手はいつにも増して大きかった。バントでこれだけの拍手を受け、これだけ場内を沸かせる事が出来る選手が未だかつていただろうか。地味だと言われながらも、自分の仕事を貫き続けた川相の20年間は決して無駄ではなかったのだ。世界新記録で作られたチャンスは、残念ながら得点に結びつく事はなかったが、その儘、川相がセカンドの守備につくと、再び大歓声が巻き起こる。偉業を成し遂げた事で、試合中のインタビューを要請されるも、記録達成をしたからと試合を忘れて浮かれる事など決してない川相は「集中して終わりまで務めたい。試合後にお願いします」と、これを拒否。あくまで勝利に向かって邁進する川相のメモリアルゲームを何とか白星で飾りたいと意気上がる巨人は続く7回、ペタジーニが23号ソロを放って、貴重な1点を追加。直後の8回、川相不在を補うべく、立ち上がりから飛ばし続けてきた事で疲労困憊のカリメロに対して、横浜は先頭の内川が痛打。三遊間突破のヒットと誰もが思ったこの打球をこの回からサードに回っていた名手・川相が横っ飛びで抑え、すかさず一塁へ転送する超ファインプレー。続く小川も三塁線へ痛打。完全に二塁打コースと言うこの打球も、集中力みなぎる名手・川相が逆シングルでダイビングキャッチし、一塁へ大遠投で刺すスーパープレイで阻止。そう、決して川相はバントだけの選手などではないのだ和製オジーの称号を冠する程の堅実無比のフィールディングをまざまざと見せつけられた事で完全にグロッキーだったカリメロも息を吹き返し、土壇場9回も石井タクロー,多村と簡単に退けて、二死走者なし。ここで若大将・原監督はヘッポコ守備とは言え、そこしか出来ないが故にショートを守らせていたニックンをあえてサードに追いやり、ショートの聖域に名手・川相を入れるクリーンヒット采配を展開。若大将・原監督の粋な計らいに照れ笑いしながらも、ショートの座につく川相。何度となくチームのピンチを死守し続けてきた聖域に舞い戻った川相の前に打球が飛ぶ事はなかったものの、この絶大な安心感に支えられたカリメロが崩れる筈もなく、見事に完封で川相の快挙に花を添えた。試合後、巨人ナインは総出で川相を出迎え、祝福の胴上げ。タイ記録の時に続いて、お立ち台に立った川相は感極まって言葉を詰まらせながらも、チームメイトやファン、そして家族に対する感謝の気持ちを露わにした。しかし、川相の野球人生はまだまだ終わる事はない。あくなき闘争心でチームを支え続けてきた大ベテランは「このバントも通過点にしたい」と語る。この夜、最高の輝きを放ったバントも今後はまた微かな光を放つだけとなるかもしれない。しかし、これからも川相は記録の為ではない、チームの勝利の為のバントを決め続けるだろう。待ち受ける道は前人未踏。誰もが切り開いた事のないその道を果たして、川相はどこまで歩み続けるのか。

名手・川相のグレイテスト・スーパー・ヒーローインタビュー
−犠打512。まずはおめでとうございます。
有難うございます。
−ついに世界新記録ですよ。やりましたね。
そうですね。本当に皆さんにいい演出をして戴いてですね
ファンの方も僕が思った以上に本当に喜んで戴いて、もう感謝,感謝です。
−正直申し上げて、タイ記録からちょっと時間かかったかなぁと言う感じあったんですが、やっぱり緊張しましたか?
いえ、やっぱり野球と言うのは一人じゃ出来ないんで…。
特に、バントの場合、前にランナー出て貰えなきゃ、出来ませんので…。それは何も気にしなかったです。
−あの場面は「二岡がヒットだったら行くぞ」と言われてたんですか?
はい、言われてました。
−そして、バッターボックスに歩む時、その辺の気持ちはどうでした?
やっぱり、皆さんが期待してくれてるのが凄く分かるんで…。
失敗したらカッコ悪いなと…(笑)。その気持ちが一番大きかったですね。
−ボール、初球は見逃して、2球目、見事達成したんですが
やっぱり一塁ベース走ってる時に「一塁へ投げろ」と、そういう気持ちでしたか?
あまりいいバントじゃなかったんで…(笑)。二岡君の足に助けられました。
−それで大変な歓声で成功したんですが、長男と長女がそれぞれ花束,バットを持って駆け付けました。
あの時はいかがでしたか?
何かそんな様な予定は聞いてたんですが、すっかり色んな事忘れてました(笑)。
−改めて、ご家族に呼びかけたらいかがですか? 声をかけて下さい。
そうですね、いや、何と言ったらいいか良く分かんないですけど…
とにかく僕が野球を出来る環境をしっかり作ってくれた家族,周りの方に
本当に………(胸を詰まらせる)………感謝したいと思います。
−やっと「感謝」と言う言葉を絞り出しましたが、更に、サードで、工藤投手も言っていましたが
素晴らしいファインプレーがあり、そして、いよいよアウト1つと言う場面で今度は原監督が
住み慣れたショートを守れと…。来ましたねぇ! 
やっぱり自分が思っている以上に周りの人達が色々と計らいをして戴いて…
………(再び胸を詰まらせる)………
−もう皆様の拍手は十分通じてますが…。それでは最後の質問にさせて戴きますが
川相選手にとってバントとは何ですか?
そうですねぇ、その質問よくされるんですけどね。バントとは…ですか。
やっぱり僕の人生そのものだと思います。大きな事は出来ないんで
コツコツとやってきた成果が世界記録に繋がったと思います。
−それではチームメイト、そして、川相選手を家族の元にお返ししたいと思います。
世界新記録、おめでとうございました!
はい、有難うございます。


大阪ドーム:阪神13勝10敗
D  102021000  6
T  000101000  2
勝:山本昌7勝4敗 負:杉山0勝1敗 S:大塚1勝2敗10S
本:トラさん2

広島:広島8勝11敗1分
S  100000510  7
C  100100300  5
勝:霊感投手・高井5勝3敗 負:高橋8勝5敗 S:高津2勝2敗26S
本:岩村4、新井8、金村弟14、緒方22、寿司職人ラミレス27

福岡ドーム:ダイエー14勝9敗
BW 010020000  3
H  00010012×  4
勝:斉藤17勝2敗 負:加藤4勝2敗9S S:篠原0勝1敗6S
本:山崎16

札幌ドーム:日本ハム9勝15敗
Bu 100000000  1
F  01000020×  3
勝:正田5勝10敗 負:パウエル10勝11敗 S:建山0勝1敗14S
本:ローズ40