球界トピックス

11月12日 


日米野球第8戦 東京ドーム:全米5勝2敗1分
全日本 000001300  4
全 米 00010220×  5
[日]ジョニー黒木(M)−●若田部(H)−五十嵐(S)
[米]ロペス−グレーブス−○マイアース−ロウ−Sササキ様
本:ビドロ1、ボンズ4
 
ボンズ、4ホーマーでMVP! ガッツな貴公子・仁志、8戦連続安打で敢闘賞!
2年前の日米野球でメジャーを震撼させる驚異のテクニックを見せつけた名手・川相(巨人)があろう事か茂雄(茂雄)の陰謀によりメンバーから外れた事で、相変わらず、試合前から重苦しいムードに包まれた全日本ベンチだったが、この日も川相幽閉策を敢行した張本人である茂雄ではなく、王さん(ダイエー)が指揮を執るとあって、幾分、ナインの溜飲は下がっていたものの、全米先発・ロペス(デビルレイズ)の前に、2回には無死一、二塁,4回には一死二、三塁と、チャンスを掴みながら、あと一本が出ないと言う川相不在の弊害をモロに露呈して、5回までゼロ行進。一方、再び登場した世界の王”ビッグワン”の影響と既に、勝ち越しを決めている事から若干、闘争心に欠けていた全米打線相手に、打線の援護を待って必死の力投を続けていた全日本先発・ジョニー黒木(ロッテ)だったが、4回、二死一、二塁と初めてのピンチ。ここでシェフィールド(ブルージェイズ)を気迫の投球で凡フライに打ち取るものの、川相不在で守備のリズムが狂ったか、中村(近鉄)とジョニー黒木がお見合いしてしまい、更に、中村が苦笑いしながら気を抜いて処理をしている隙をついて、二塁走者・グリーン(ドジャース)が一気に先制のホームイン。1点を追う全日本は6回、全米2番手・グレーブス(レッズ)に対して、二死一塁から、この日、2安打と当たっている今夜の松井さん(巨人)が三塁線を破るタイムリー二塁打を放ち、同点。しかし、その裏、全米は、この回からマウンドに上がった若田部(ダイエー)の代わりばなをビドロ(エクスポズ)がライトスタンドへ叩き込む勝ち越しアーチ。更に、一死後、ボンズ(ジャイアンツ)がライトスタンド中段へこのシリーズ4号となる一発を放ち、この回、2点。直後の7回、全日本は全米3番手・マイアース(ロッキーズ)に対して、一死一、二塁とチャンスを作ると、ここで代打・新庄(横浜)が左中間を真っ二つに破る走者一掃の同点タイムリー二塁打。更に、二死後、ガッツな貴公子・仁志(巨人)が三遊間の深い所へタイムリー内野安打を放ち、勝ち越しに成功。しかし、粘る全米はその裏、一死一、二塁からモリーナ(エンゼルス)がレフト前へ同点タイムリーを放つと、続くビドロがセンター前に弾き返して、再びリードを奪った。迎えた土壇場9回、全米は第1戦以来の登板となるササキ様(マリナーズ)を投入する逃げ切り体制。これに対して、全日本は一死からガッツ(日本ハム)が三遊間を破ると、続く新庄がライト線へ二塁打を放ち、二、三塁と一打逆転のチャンス。しかし、横浜時代に苦手意識を持っていた名手・川相が絶対に出てこないと言う事で平常心を保ち続けるササキ様はこのピンチにも落ち着いた投球でJ.マッケンジー(ダイエー),仁志と連続三振に斬ってとり、ゲームセット。川相不在の影響で敗れるべくして敗れた全日本はこれでこのシリーズ5敗目。尚、4ホーマー、9打点と大当たりのボンズが堂々のMVPを受賞。また、敢闘賞には8試合連続の16安打を放ち、両チーム最高の.444の打率を残した仁志が選ばれた

 茂雄 vs 桑田、早くも来季起用について舌戦バトル!
この日、茂雄は来季の桑田の起用法について「先発? 勿論そうですよ。枠に入るのは大変でしょうけどね、エヘヘヘ〜」と、先発争いに参加させる事を許している様で、ローテ枠には入れる可能性が薄い事を暗に示唆。一方、この日、アメリカでの右肘の検査から帰国した桑田は「今年も先発と言われていた(のに、抑えに回された)から…。(茂雄の言う事はまるでアテにならないので)蓋を開けてみなければ分からない。でも、僕は誰が見ても先発投手(なのに、そんな事も分からないなんて、茂雄はまるで見る目がないね)」とコメントしており、両者互いに相手の事を全く信用していない様子で、確執の深さを如実に顕わした。また、桑田は現在務めている選手会長職を若手に禅譲する方針を明らかにし、今夜の松井さんを大本命として任命した。

 新庄、不可解な交渉引き延ばし! ローズ、任意引退への切り替えを検討!
横浜からの2日間に渡る電話攻勢をシカトし続けてきた新庄だったが、流石に、いつまでも逃げられるものではないと観念したか、この日の電話はようやく受けたものの、「時間がとれないので」と言う理由で交渉を12月5日前後へ先送りにする事を要求。しかし、新庄は「ここ数日は予定がない」と漏らしており、横浜への交渉引き延ばしの理由は不可解極まりない。「別に焦っていないから」とかわした新庄だが、阪神からの破格の条件での残留要請交渉を受けると言う疑惑もつきまとっており、横浜側は不安感で一杯の様子だ。また、その横浜は本人の「現役を引退する。日本球界への復帰はない」と言う言葉を真に受けて、今月一杯で自由契約にする予定のローズに対して、日米8球団がオファーをかけるなど、身辺が慌ただしくなっている事で、やはり、信用しきれなくなったのか、任意引退の手続きを取る事を検討し始めた模様。