球界トピックス
11月8日
日米野球第5戦 大阪ドーム:全日本1勝3敗1分
全 米 000000230 5
全日本 000000100 1
[米]デンプスター−○ミルトン−グレーブス−Sマイアース
[日]●川尻(T)−小林雅(M)−葛西(T)
川尻、17イニング目の対全米初失点! マイアース、好救援で勝ち越し王手!
2年前の日米野球でメジャーを震撼させる驚異のテクニックを見せつけた名手・川相(巨人)があろう事か茂雄(茂雄)の陰謀によりメンバーから外れた事で全日本ベンチは試合前から重苦しいムードに包まれた。この日も川相幽閉策を敢行した張本人である茂雄ではなく、王さん(ダイエー)が指揮を執るとあって、幾分、ナインの溜飲も下がっていたとは言え、モチベーションが上がりきらない全日本は全米先発・デンプスター(マーリンズ)の前に3回まで毎回走者を出しながら0点に抑え込まれる有様。一方、全米相手となると毎回、人が変わった様な快投を演じる全日本先発の川尻(阪神)は、この日も相変わらず全米打線を翻弄し、4回まで無失点投球を展開。その裏、全日本は一死からハイツ田口(オリックス)がセンター前に弾き返すと、すかさず二盗。二死後、ハタハタ石井(ロッテ)が三遊間を破り、ハイツ田口は一気に本塁を狙ったものの、レフト・ボンズ(ジャイアンツ)のダイレクトのストライク返球の前に悠々タッチアウト。続く5回には、この回からマウンドに上がったミルトン(ツインズ)に対して、先頭の中井美穂の旦那・古田(ヤクルト)が四球を選ぶと、好調のガッツな貴公子・仁志(巨人)が左中間に弾き返して、無死一、三塁のチャンス。王さんはここでエンドランを仕掛けるも、金城(横浜)はセカンドフライを打ち上げてしまい、スタートをきっていた仁志は戻れずに最悪のゲッツー。続く中村(近鉄)はピッチャーゴロに倒れて、またもや無得点。0−0で迎えた7回、ここまで川尻の前に内野安打2本と抑え込まれていた全米は二死からR.アロマー(インディアンス)が二塁打を放つと、続くビスケル(インディアンス)がライト前に先制タイムリーを放ち、川尻の対全米連続無失点記録は16イニングでストップ。更に、続くボンズがセンターオーバーのタイムリー二塁打を放ち、この回、2点。その裏、全日本はでハタハタ石井の四球,仁志のヒットで一死一、二塁とすると、金城のサードゴロをグラウス(エンゼルス)がタイムリーエラー。1点差と迫り、なおもチャンスでクリーンアップと言う絶好の展開となったものの、中村はライトフライ,今夜の松井さん(巨人)は空振り三振に倒れて、二者残塁。直後の8回、この回から2番手として小林雅(ロッテ)がマウンドに上がったが、川尻と違い全米相手に自信を持っていない上に名手・川相もいない絶体絶命の状況とあって悲壮感たっぷり。これに対して、全米は,グラウス,ゴンザレス(ダイヤモンドバックス)と連打を浴びせると、スウィニー(ロイヤルズ)が右中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打。更に、一死後、S.アロマー(インディアンス)がライト前へタイムリーを放ち、この回、一挙3点を追加。粘る全日本はその裏、ハイツ田口,代打・ガッツ(日本ハム)の連打で一死一、二塁のチャンスを掴むも、ここでマウンドに上がったマイアース(ロッキーズ)の前にマッスル千代の富士(巨人),J.マッケンジー(ダイエー)と打ち取られ、二者残塁。マイアースは9回も3人で退けるパーフェクトリリーフを見せ、ゲームセット。いかに世界の王さんと言えども、川相不在の穴は如何ともしがたいか、11残塁の拙攻で好投の川尻を見殺しにする結果となり、全日本は今シリーズ負け越しの危機に立たされた。
川崎、ヤクルトとの交渉決裂! ついにFA宣言!
FA権を行使するかで注目されていた川崎だが、この日のヤクルトとの交渉でも条件で折り合いがつかず、「僕の野球人生はあと数年。その中で目一杯出来る事をしたい」と、FA宣言する意向を表明した。「日米42球団と交渉する可能性が出来た。手を上げてくれる全ての球団の話を聞く」としながらも、メジャーについては「別格」とし、家族の問題もあるからと消極的な姿勢を見せている模様だが、既に、メッツ,レンジャースと言った球団が調査を終えており、名乗りをあげる可能性もありそうだ。また、国内で最も関心を示しているのが中日で、佐藤球団社長は「巨人と戦う気持ちを持った選手だから、ウチと共通の気概を持ってやっていける。ウチが取りに行くのは正解だろう」とコメントを残している。また、阪神・ノムさんも「興味は大いにある」としたものの、新庄に対する引き留め工作を初めとする資金繰りの問題があり、動くかどうかは微妙な状態だ。「巨人キラー」のイメージが強過ぎるせいか、西武や日本ハム,近鉄と言ったパ・リーグ球団は総じて及び腰で参戦する可能性が薄い事を表明しており、先発投手の補強が急務とあって獲りたいのはやまやまのダイエーも経営圧迫状態とあって、川崎の要求する条件に応えられる状態ではなさそうだ。また、「巨人キラー」であるが故に、獲得を図る可能性も十分に考えられていた巨人だが、今のところ、不気味な程、動きを見せていない。
ナベツネイカレ発言、衆院労働委員会で審議!
プロ野球オーナー会議により、今季限りの時限立法として代理人が認められる事になったにも拘わらず、「ウチでは代理人を連れてきたら年俸カットだ。嫌から自由契約だ」とほたえたナベツネのイカレ発言に対して、この日、国会衆院労働委員会で共産党・大森猛議員が「労使間のルールを反古にした不当労働行為の意思を表明した脅迫にも相当し、労働組合法第7条の禁止行為に当たる」と指摘し、労働省に見解を求めた。これを受けた労働省・沢田労政局長は「(ナベツネの発言が)一方的に代理人制度の履行を行わない主旨であれば穏当な発言ではないが、当事者間で口頭で合意したもので、法律的には労働組合法上に直ちに抵触すると断じる事は出来ない」と答えた。ナベツネ発言が国会で審議された件で労組・プロ野球選手会・松原事務局長は「世間の人に認知して貰った事は大きい。本来ならコミッショナーが(ナベツネに対して)何らかの罰則を適用して欲しいくらいだ」とコメント。また、ナベツネ発言が出た上でなお、若手に代理人制度を勧めるなど、真っ向対立の構えを見せていた名手・川相は「代理人を連れてきても、年俸が下がる選手もいる。決して年俸吊り上げを狙ったものではないと言う誤解を解いていきたい」とナベツネとは大違いの大人の対応を見せた。