「今週のドカプロ」打ち切りの御挨拶


当サイトは、報われる可能性が限りなくゼロに近い事を承知した上で、ほんの僅かな期待の意味を持って「ドカベン プロ野球編」のレビューをHP開設以来、毎週休む事なく続けてまいりました。兼ねてより「万一、中西球道が登場する様な事があったならば、レビューを打ち切る」と公言してまいりましたが、ついに、その悪夢の仮定が現実のものとなりました。よって、今週をもって、「今週のドカプロ」は打ち切りとさせて戴きます。長い間、拙いレビューを楽しみにして下さった方には、大変申し訳なく思います。誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、決して、一時的な感情の乱れ等で、打ち切りを決めた訳ではありません。そんな次元の低い事で打ち切るくらいならば、天才児・殿馬が「音楽家崩れ」呼ばわりされた段階で、とっくに打ち切っています。中西の登場自体についての怒りなど、あの時の殿馬の扱いで覚えた怒りに比べたら、微々たるもの。まるで比べものになりません。中西の影響で、殿馬がトレードに巻き込まれるなどと言う許し難い展開も所詮は副次的な要素です。正直な話、「日日スポーツ」の更新ペースを考えれば、物理的負担もかなりのものである上、毎週毎週、期待を裏切り続ける作品について、効果もない叱咤をし続けるなどと言う作業は精神的負担も相当なものでしたから、特に、きっかけとなる理由がなくとも、いつ打ち切ってもおかしくなかったのです。それでも、何とか1年2ヶ月も続けてきながら、あえて、今、打ち切ると言う事には、それ相応の理由がある事をご理解願いたく思います。行き過ぎとも言える辛口のレビューによる叱咤も全く効果の程はなく(別に、水島氏本人に訴えている訳でもないので仕方ないのですが)、数限りない矛盾点,いい加減な設定,放っておきっ放しのスカした伏線,自キャラ礼賛三昧,脇役や史実選手へのおざなりな扱い等、その期待を散々裏切られながらも、「ドカベン プロ野球編」は「ドカベン」のプロ野球編としての立場は辛うじて確立していました。しかし、今週、「大甲子園」(正しくは「球道くん」)のキャラである中西球道が登場。これにより、当サイトは、「週刊少年チャンピオン」で現在、水島新司が連載している作品を「ドカベン」のプロ野球編とは、断じて認めない事を決定致しました。当サイトは、「今週のドカプロ」「ドカベンの謎」と言ったコンテンツを初め、掲示板やメールに至るまで、常々「『ドカベン』と『大甲子園』,『ドカベン』と『ドカベン プロ野球編』は直接繋がっているが、『大甲子園』と『ドカベン プロ野球編』は直接繋がっていない」と主張してきましたが、中西が登場してきた事により、この説は、完全に打ち砕かれた事になります。しかし、「ドカベン プロ野球編」が「大甲子園」の直接の続編とした場合、ここまでの「ドカベン プロ野球編」の展開にすんなり納得出来る人が、果たして、いるのでしょうか? 代表的な例を挙げれば、東京メッツは一体どこへ行ってしまったのか!?と言う疑問が、まず浮かび上がってきます。「ドカベン プロ野球編」が「大甲子園」の続編でない…と言うより、同じ世界の作品ではないパラレルワールドの関係でしかないと言う根拠としては、十二分な要素かと思います。そもそも、パラレルワールド作品だった「大甲子園」世界を「ドカベン プロ野球編」世界の過去として認知してしまうと言う事は「球道くん」「一球さん」「男どアホウ甲子園」「ダントツ」「野球狂の詩」と言った作品世界すらも全て包含してしまう事になると言う事を、果たして、水島氏は承知しているのでしょうか? 100%そんな事はありえない、と当サイトは判断しています。仮に承知していたとしても、今の衰えた水島氏の力量で、それらの作品を混在させた世界をまともな作品として構築出来よう筈もありません。「ドカベン」のキャラクターだけでも、穴だらけで、ないがしろにされている者がどれだけいるかを考えれば、答えは明白でしょう。もし、中西だけ引っ張り出して、他の作品には目をつぶる様な都合のいい事を考えているのであれば、それは「大甲子園」の続編ですらありません。こうなっては、先週まで「週刊少年チャンピオン」で水島新司が描いていた作品が、「ドカベン」の正当な続編「ドカベン プロ野球編」として、認める事すら不服ではありますが、仮に、一歩…、いや、千歩譲って認めるとしても、それは間違いなく先週で完結したのです。今週「週刊少年チャンピオン」で水島新司が描いている作品は、「ドカベン プロ野球編」とか言うタイトルの他の水島作品とは何ら繋がりのないただの独立した作品にあたる新連載と言う事になります。少なくとも、当サイトの認識では…。完結した作品のレビューをやると言うのもおかしな話な訳で、このレビューも完結の形となるのは、必然的と言っていいでしょう。当サイトは、「ドカベン プロ野球編」とか言うタイトルの他の水島作品とは何ら繋がりのないただの独立作品には、先週までやっていた「ドカベン プロ野球」編と違って、微塵も期待していませんし、期待をかける価値すらないと言う認識なので、当然ながら、レビューをする価値もまるで感じられません。待望論があまりにも多い様でしたら、充電期間を置いた後、万一、気が向く様な事があれば、「ドカベン プロ野球編」とか言うタイトルの他の水島作品とは何ら繋がりのないただの独立作品のレビューを始める事があるかもしれません。しかし、それは、たとえ「今週のドカプロ」と雰囲気が似ている代物だったとしても、表面上、そう見えるだけの事で、期待度がゼロであるが故に、その本質は薄っぺらなものでしかないと言う事は理解して戴きたく思います。長々と書いてしまいましたが、これをもって、「今週のドカプロ」打ち切りの御挨拶とさせて戴きます。

 

1999.11.25 主砲・原,空手野郎バーフィールド,寿司職人グラッデン