1999年9月のドカプロ


9月30日

長い長いオールスターがようやく終わり、いよいよ始まった後半戦。結局、悪球が来ても打てないと言う不調だったのか、単に悪球が来なかっただけの話で不調などと言う表現自体、大間違いだったのか分からずじまいの岩鬼だったが、とにかく前半戦の低迷を盛り返す猛爆ぶりで、ホームランを連発し、トップの山田を猛追! ダイエーも、その岩鬼の猛打に支えられ、首位を堅守し続けていた。一方、山田は、2度目のホームランボールスナイプをかました相手・遙と、その後、どういう経過があったのかまるで分からない儘だが、とにかく一気に仲が進展している模様で、調子に乗って打撃練習でも快打連発! 山田が好調の理由など何も知らない金村弟の「どうした山田。かなたに飛んでいくなー」などと言う言葉にも反応してしまう始末。また、これに対する伊東の「秋なのにはるか」と言う寒いシャレにも山田は反応してしまうなど、完全にパブロフの犬状態に陥ってしまっているだった。これを見ていた雀士東尾と島田マネージャーは、遙に惚れた効果と大喜び。その夜の試合でも山田は大塚からライトスタンドにサヨナラアーチをぶち込む活躍ぶり。いつの間にやらサチ子とも親しくなっている遙(と思いきや、実は、こいつはサチ子ではなく壮太らしい。実に紛らわしい)は、ちゃっかりライトスタンドに応援に来ているのだった。史実では、序盤に内野ゴロや犠牲フライで1,2点かすめ取った以降は、全く点が入らないと言うショボい西武打線だったが、何故か「ドカプロ」界では猛打爆発でダイエーを猛追。ここで両軍を支える西武先発陣とダイエー中継ぎ陣の絵がズラリと出てくるのだが、背番号と名前の書かれた枠がなければ、はっきり言って誰が誰だかさっぱり分からない。誰だ、このグラサンかけたチンピラ選手は!?(答:石井) 衝撃的な事に、何とダイエーにはペドラザ(全然似ていない)が存在していたのだ! 水島鎖国政策の網をくぐり抜けるとは、恐るべし、ペドラザ! 本当は毛唐など描きたくないのだろうが、間違いなくダイエー優勝を支えた一人なので、流石に無視出来ないのだろう。僅か8Pで、一気に9月の終わりに突入したペナントは西武がダイエーに1.5差と詰め寄って、両軍直接対決2試合を残すのみと言う状況になっていた。西武は2連勝しなければ優勝はないと言う状況で迎えた第一戦、3回に山田の2点タイムリー二塁打で先制した西武は、4回に先発・オツがJ.マッケンジーのタイムリーで1点差と詰め寄られた所で早くも豊田にスイッチ。6回に、柳田のタイムリーで追い付かれると、すかさず石井を投入すると言うスクランブル継投を展開。ダイエーは8回、無傷の連勝街道まっしぐらの不沈艦・篠原を投入するも、これを山田がライトスタンドに勝ち越しの一発! 何と、これが描かれた夜に行われた史実の福岡ドーム最終戦では、その篠原が、戦力外通告を受け最後の花道としてスタメン出場していたカズ山本に劇的決勝アーチを浴びていた! これは正に悪夢の予言漫画だったのか!? 間柴の残した無傷の15連勝を狙っていた篠原は恐るべき水島新司の呪いによって、ついに初黒星をつけられたのだ! 贔屓の筈のダイエー選手にまで呪いをかけるとは、流石、疫病神! さて、漫画の方に話を戻すと、1点をリードした西武は、9回から霊感投手・松坂を投入。雀士東尾が実際やっている事なので、別に驚きも何もありはしない。松坂は気力の投球で三者三振で締めくくり、ゲームセット。これには高木大も思わず「お前は凄い!!」とまたも「凄い」と言ってしまうのだった。かくして、ついに0.5差で最終戦を迎える事となった。翌日、迎えた最終戦、ダイエーの先発は犬飼小次郎であるのに対し、西武先発は獅子丸同様、松坂の影響ですっかり忘れ去られていた犬飼知三郎。何故か、前日の試合で先発しているオツか、同じく3番手として2イニング以上投げている石井の先発を予想していたと言う王さんは予期しない知三郎の先発に嫌な予感がよぎるのだった。雀士東尾は、経験が浅いながらも知三郎を投入したのには、6連勝中の知三郎の5勝目が4点差を、6勝目が5点差を逆転してのものと言う神懸かり的なツキであった為、それに賭けると言う相変わらずの大博打的思惑があったのだ。この知三郎を迎えて、先頭打者の岩鬼が打席に入り、いよいよ最終戦の幕は開けた。待て、次号!  


9月22日

2−1と全パ1点のリードで迎えた9回、満を持して登板してきた不知火に対して、全セ先頭の仁志は、水島キャラでない上に大嫌いな巨人選手であるが故か、絵すら描いて貰えずに三振に倒れると、続く鈴木なおのりも1コマで三振に倒れ、僅か3コマであっと言う間にツーアウトと言うハショリモード。ここで石井タクローに代わって打席に入った新庄に対して、山田は「新庄さんは典型的なローボールヒッターだ。低目は禁物だな」と一瞬、警戒しているフリを見せながら「高めの150kmなら十分三振は取れる」と、やはり甘く見ていた。これに対して不知火の投じた初球はインローへのストレート。新庄は待ってましたとばかり激振すると、フォロースルーの瞬間にまるまる1P使って、虎が吠える演出付き! 登場時だけ持ち上げられて、「ウフフフ」などと不敵な笑みを漏らし、虎が吠える背景まで描いて貰って、散々気をもたせた新庄の打球だったが、バットは真っ二つに折られて、力無いレフトフライに終わり、ここまでロクに出番のなかった坂田に顔見せさせる為だけにキャッチされるのだった。自分以外は、所詮、ザコとばかりに全面的信頼を置いていない山田は、新庄への低目の一球をコントロールミスと勘違いしていたが、実は「山田のリードなど、信頼出来るか!」とばかりに不知火が山田のサインを無視して投げに行った球だったのだ! 山田とは違い、これを見抜いていた殿馬は、不知火よりも一足先にベンチに引き上げる相変わらずの眼力の高さを見せつけた。この儘では、不知火に無視されただけと言う悪い印象が残ると察知した山田は「新庄さんの好きな所にわざわざ投げて勝負を挑んだと言う事か。何という自信。正に、勝負師・不知火…。凄い」などとほざいてしまうのだった。ああ、またも「凄い」と言う言葉を使ってしまったか。毎週毎週、飽きずによく使うものだ…。結局、不知火が開幕序盤で絶不調だった事は、カスリとも触れられる事はなく、単なるスカシだった事が、これで明らかになった! MVPは決勝アーチを放った山田が選ばれ、200万円をゲットしたが、恐らく、何の有効活用もしない儘、貯め込むのは必至だろう。因みに、里中は、優秀選手賞を受賞したらしい。さて、MVPを呼び込んだ山田のホームランだが、思わぬ所で事件を発生させていた。壮太と言う少年が、オールスター開催時しか売っていないと言う特製の山田サインボールを買いに行って貰う様、頼んだ事から、その姉がよりにもよって、場外にいながら、山田の打球を頭に食らうと言う無双の運のなさで病院に運び込まれたのだ。山田がホームランでファンをスナイプしたと言えば、明訓時代の2年春の選抜以来、6年ぶり2度目! とにかく当たった本人は、まるで気にしないどころかラッキーと思っており、家族はひたすら山田を憎悪、良心の呵責に苛まれた山田がお見舞いに訪れると言う1度目の時とまるっきり同じシチュエーションと言う呆れ返る展開。言葉と態度では壮太の許しを得られないと察知した山田は、ホームランを打ったバットを渡し、物で釣ろうと言う姑息な手段を敢行。所詮は、無邪気なガキの壮太は、これでコロッと態度を変えて、山田を許してしまうのだった。恐るべし、策士・山田! 更に、この姉・遙に対して「何か変化があるといけないので、2,3日したら電話をして知りたいなーと思って」などとほざいて、巧みに名前と電話番号を聞き出すと言うナンパぶりを発揮! 山田の狙いを見抜いた壮太は「あの照れた顔は恋だね」と鋭い一言を漏らすのだった。病院の外に出てからも、未練がましく病室を見上げる山田に対して、同伴した島田マネージャーは「何やってんだ、帰るぞ」と声をかけると、山田は「いえ、別にそんな意味で電話番号を聞いたんじゃないんです。やだな島田さん、勝手に勘繰ったりして…」などと、語るに落ちてしまうのだった。大ゴマなどを使うなど、セコい方法でページを稼いで、試合終了を急いで、不知火ファンの怒りを買った挙げ句のこの展開。「山田、運命の出会い!? 熱パのペナント後半戦同様、目が離せない展開だ!!」などと、アオリ文が入ったが、小林稔子は、やはり、記憶の彼方に葬られてしまっているのか!? それとも、まさか、これも単なるスカシなのか? 待て、次号!


9月16日

4回裏、二死で微笑を打席に迎えた里中は、カウント2−0から、3球連続してスカイフォークを投じた。「スカイは空に溶け込んでこそ威力の出るボール。ドームには空はない」と自信を持って振った微笑だったが、打球はボールの下をかすったセカンド後方のショボいフライ。「間違いなくスタンドだ」とまで言わせておきながら、このオチは何やねん! そもそも、実際のところ、いかにスカイフォークと言えど、天井が思いっきり視界に入ってしまう程の角度で落ちている筈はないのだ。それにどう考えても、ドームよりも、ナイターの黒い空の方が球道が見えると思うのだが…。結局、自分が絶好調だから見えていただけに過ぎず、それを変な根拠で勘違いして力んだんとちゃうか? ともあれ、この凡フライを見て「スカイフォークは分かっていても簡単には打てない」とほくそ笑む山田。要するに、「スカイフォークが落ちる前に打席で歩いて叩き、ホームランを放った俺は微笑など問題にならない程、凄い!」と言いたいらしい。さて、このフライは、殿馬と鈴木一朗の中間点に飛んでおり、両者共、懸命に追っている事から、激突も免れないと仰木さんは顔面蒼白! 里中はまるで状況など考えず、打球を処理して欲しいと言う事しか頭にないらしく「殿馬行けぇー」と無責任な指示! 一方、相変わらず、殿馬を軽んじている男・山田は「殿馬、鈴木さんにまかせろ」などと、余計な口出し! しかし、天才児・殿馬は、山田に言われるまでもなく、鈴木一朗にこの打球を任せて、絶妙のタイミングで鈴木一朗の下を滑ってくぐりぬけると、殿馬の動きを察知していた鈴木一朗も迷わずにダイビングをかけて、これをキャッチ。二人共、全く無傷の儘、微笑の打球を処理し、仰木さんも安堵の表情。これを見た微笑は、自分とはあまりにも格が違うこの天才プレーに自分が井の中の蛙である事を思い知らされ、気を引き締めるのだった(凄い事は見りゃ分かるんだから、いちいち「ふたりとも凄い」などと口走らんでいいんじゃ!)。この後、里中は恒例のハショりモードで5,6回とパーフェクト投球を展開。この間、一度もスカイフォークを投げなかったと、感慨にふける霊感投手・松坂に対して、水島新司が描いても誰だか分かると言う理由だけで出番の多いゴーグルは「いや投げていたよ。『いつか来る』と打者に思わせるリード。それはつまり”投げていた”と言う事だ」などと偉そうに解説するが、所詮は、山田礼賛行為に過ぎなかった。全パは、7回からカリメロがピシャリと抑えると、全セも石井一の後を継いだ土門が力投し、ハショりモードで、1−1の儘、一気に9回表に突入した。このハショりモードの間、ライトスタンドの全パ応援団からは「今日は水島が来てないから勝てるぞ」とヤジが飛んだのだが、どうやら水島新司は、自分が長年パの疫病神として君臨している事を自覚している様だ。さて、9回表、先頭の打席に入ったのは山田。全セは、ササキ様を投入と思いきや、山田へのワンポイントとして犬神を投入。これを見た雀士東尾は、犬神が山田へ死球を食らわせる可能性を察知し、パが誇る名ショート・小坂を呼び出し「山田が出たら代走だ」と指示。これを受けた小坂は今年たまたま運良く出られただけで、もう2度と球宴出場の可能性はないであろう選手のごとく感激した表情で、ウォーミングアップを開始し、ベンチ前でスライディングまで始める始末。だが、山田は「どうせ俺が一発かますんだから、代走など必要ない」とばかりに小坂の事など、まるで眼中にない様子。もう懐疑的な目でしか他人を見られなくなっている山田は犬神がビーンボールを投げると確信し、初球にヤマを張ると、これがズバリ的中! 「読みが当たれば、スタンドイン」のジャンケン野球が炸裂し、山田は、初球の顔面付近の球ジャストミート。これを見た小坂は「やめてくれ。当たりがよすぎてフェンス直撃のシングルになってくれ。おれは走りたいんだー」と、今年たまたま運良く出られただけで、もう2度と球宴出場の可能性はないであろう選手のごとく情けない表情で祈るも、無情にも打球はライトスタンド場外へ一直線! 岩鬼は当然のごとく「何であないホームランボールを投げるんじゃい!!」と激怒。犬神は、打たれた瞬間、会心の笑みを漏らして、何故か、実に満足した表情でマウンドを下りるのだった。まったく、毎年毎年、犬神と言えば、ビーンボールネタしか思いつかんのかいな! 村田兆治に匹敵するフォークはどないなっとんのや! いっその事、また死神ボールで山田の手首を潰した事がストーリーとしては盛り上がるんとちゃうか?(^^;) 「あははは、見せ場がのうなってしもーた」と涙すら流していた小坂は、次打者が中村とあって「いや、まだ諦めないぞ。中村は足が遅い。塁に出れば代走だ」と一縷の望みを託したが、ここでマウンドに上がったササキ様の前に、中村,高木大,J.マッケンジーと1コマで凡退し、小坂の出番は結局、与えられないのだった。所詮、水島キャラ以外は全てザコ扱いなのかもしれんが、よりによって、パ・リーグの誇る名ショート・小坂をここまでいちびって、一体どういうつもりやねん!? 小坂クラスなら、毎年、球宴出場はほぼ確実で、こんな所であれ程までに未練がましい表情をする訳はないし、たとえ、守備だけだとしても十分に魅せられる選手やないけ! 小坂よ、水島新司を名誉毀損で訴えたなら、間違いなく勝てるで! 肖像料も払わん男に遠慮などする事ぁない、いったれいったれ! さて、山田の場外ホーマーで全パが1点を勝ち越して迎えた9回裏、全パのマウンドには不知火が登場。こんな所で、抑えを任される辺り、昨年V逸のA級戦犯にまで貶められた挙げ句、今季もそれを引きずって、開幕戦から2戦連続メッタ打ちを食らっていたのは、結局、何の伏線にもなっていなかったのか? 待て、次号!   


9月9日

1−1で迎えた4回裏、全パの2番手としてマウンドに上がった里中は、石井タクローをハショりモードでいつの間にか、打ち取り、今夜の松井さんを打席に迎えていた! 毎年恒例の「今夜の松井さんいちびりシリーズ」の幕は切って落とされたのだ! 5年に渡るスカイフォーク打倒を誓う松井さんは、ストレート2つを簡単に見送って、ツーナッシング。これを見た山田は「松井さんはスカイフォークしか待っていない。『もしかして』の日本シリーズの為か。里中のスカイフォークを打たなければロッテに勝てないと…」などと大いなる勘違い! 日本シリーズのあらゆる組み合わせの可能性を配慮して、そこまでして伏線としてこじつけたいのか!? ここで山田はオールスターだと言うのに「もしかしたら3球目がストレートでも打たないかも」と松井さんの心意気をないがしろにする悪魔のリードを展開! 山田が悪に染まろうとも、山田への全幅の信頼を置く里中は、指示通りに3球目もインコースギリギリへストレート! あくまでスカイフォーク待ちの松井さんは、これをあっさり見送り、判定を聞く前に打席を立ち去ろうとしたが、判定はボール。ストレート3球勝負に松井さんは「お前らスカイフォークで勝負しないのか。おれのリベンジから逃げるのか。見損なったぜ」と元明訓バッテリーを徹底批判! 流石に、ここまでされては、山田もスカイフォークを要求。待望のスカイフォークが来たにも拘わらず、打球はセカンド頭上へ高々と上がる凡フライ。ショックを受け、打球も見ずにベンチへ戻ろうとする松井さんに追い打ちをかける様に、微笑は「とらえられなかった分、かなり変化している打球です。落球もありますよ。走っておいた方が…」などと、セカンドが殿馬とあっては落球など考えるべくもない事を分かっていながら、白々しい発言。更に「あ、殿馬」と一瞬、期待をさせて、後ろを振り返らせると、更に、追い打ちをかけるかのごとく、殿馬が背面キャッチ! これに対し、岩鬼は「松井はんに対して失礼やど! それが大先輩に対する態度か!」などと、侮辱された松井さんをフォローしたかに見えたが、「せめて、このくらいにしとけ、どアホ、とんまめが!!」と、片足をあげて、またぐらからグラブを出すポーズをし、更に、松井さんをおちょくるのだった。松井さんは「里中、来年は必ずスカイフォークをスタンドに入れてやるぜ」と捨て台詞を吐くも、里中は「はい、ぼくも今度は三振をとれるように腕を磨いておきます」と、いけしゃあしゃあと返答し「かわいい顔しやがって、一言多いんだよ」と、更に、松井さんをムカつかせるのだった。これにて、明訓五人衆総がかりでの「今夜の松井さんいちびりシリーズ」は、これで幕を閉じた。上原に続いて、松井さんに対しても、この扱い! 松井さんに関しては、もう5年連続のいちびりモードだ! そんなに巨人の選手(微笑除く)が嫌いですか、水島先生!? さて、ここで打席に入ったのは微笑。この球宴でおポンチなコメントを繰り返す中村(近鉄)は、「しかし、この勝負、三太郎だろ」と根拠のない予想を口走るも、霊感投手・松坂に根拠を尋ねられ、閉口してしまうのだった。山田は、微笑に対して、2つ続けてスカイフォークを要求。微笑は、これを2つ共見送って、ツーナッシングと追い込まれたものの、球道はおろか、ボールの縫い目さえも、はっきりととらえていた。そうとも知らず、調子に乗った山田&里中バッテリーは呼吸バッチリで、3球目もスカイフォークに決定! しかし、微笑もまた、山田の単調なリードを見抜いて、スカイフォークを待っていた。モーションに入る里中。「スカイは空があって生きる球。ドームはその空を隠す!!」と訳の分からない根拠で「間違いなくスタンドだ」とまで言いきった微笑。果たして、決着はいかに!? …って、どうせ「松井さんでも打てなかったスカイを打つなんて、今年の微笑は何て凄いんだ! 今年のホームランキングは、やはり微笑で決まりだな…」とか、そういう展開なんとちゃうんか!? まぁ、何か山田の動きが怪しいので、突如、スカイフォーク狙いを察知してウエストさせるくさい雰囲気もあるが…。待て、次号!  


9月2日

全セの2番手としてマウンドに上がった影丸に対して、相変わらず、野茂を差し置いて「元祖トルネード投法」などと、ほざいているイカレアナウンサーによると、影丸は(野球とは全然違う身体の使い方の上に中学までしかやっていない)柔道で鍛え上げたおかげで、(ミンチー姉さんは平気でこなしているが)今では「夢物語」となっている(らしい)中四日のローテをこなしているらしい…にも拘わらず、勝敗がついた試合が前半戦で僅かに11試合しかないのだ。中日の強力リリーフ陣を考えれば、白星が潰される可能性は低いし、中日の貧弱打撃陣を考えれば黒星を消して貰える可能性も低い。要するに、勝敗もつかない段階でサッサと引っ込みまくっている訳で、「夢物語」などと騒ぐ程の事ではないのだ。相変わらず、日本シリーズの伏線にしたがる作者の影響で星野監督は「オリックスが逆転優勝なら、鈴木一朗がポイントになる。影丸の志願登板も分かるぜ」などとほざいて、茂雄と権藤さんは、この発言にムッとくるのであった。山田は山田で「倍の体力がいるこの投法で中四日は凄い」と自キャラ礼賛モード! 騙されるな、影丸はロクな球数を投げずに引っ込んでいる疑惑が強いのだぞ! さて、その影丸は、鈴木一朗に対して、いきなりど真ん中のストレート。山田曰く「ヤマ張りの一発狙い」の鈴木一朗は、これを見送って、ワンストライク。中井美穂の旦那・古田は、これで鈴木一朗の一発狙いを察知し、低目を要求。「低目で内野ゴロを打たす」セオリーが鈴木一朗には通用しにくい、と思いながらも、影丸は「しかし、ここで駆け出しのおれが首を振るのは一流捕手の古田さんのプライドに傷がつく」と謙虚な姿勢で要求通り、低目に投球。鈴木一朗は、これをとらえ、スタンドインの手応えを感じたものの、ライトフェンスギリギリでマッスル千代の富士の超美技により抑えられてしまうのだった。スタンドに届かない事を疑問に思いつつも、ベンチへ帰ろうとする鈴木一朗に対して、今年からリニューアルした筈なのに、何故か未だに昨年のコスチュームを着ているマスコットガールが「このバット貰っていいですか?」と声をかけてきたところ、すっかり腹黒くなってしまったくせに山田は、他人の図々しさは許せないのか「ちょっと君、そんな失礼な事を言うな!」とイチャモンをつけるのだった。所詮、球宴と言うお祭り試合での事…、かつての山田ならば大目に見て、そんな野暮な事は決して言わなかったであろうに、いつから、そんなケチな男になってしまったのだ!? しかし、この後「折れたバットじゃあるまいし…」と付け加えたのが運の尽き。マスコットガールは、しめたとばかりに「でもヒビが入ってますよ」と指摘して、山田を一蹴し、見事に鈴木一朗のバットをゲット! 山田は、一方的に文句をつけておきながら、マスコットガールに謝る事すらせず、「影丸は凄い!」などとほざいて、その場を誤魔化し、サッサとバッターボックスへと逃げ込むのだった。相変わらず、日本シリーズの伏線にしたがる作者の影響で星野監督は「ライオンズが逆転優勝なら、この山田がポイントになる。この男とも対戦しておきたかったんだよな」などとほざいて、茂雄と権藤さんは、またも呆れ顔。その山田に対して、影丸は145kmのストレートを投げ込むも、山田はこれをジャストミート。打球はライトポールの僅かに右へ切れて、ファールとなるも、自信を持って投げたストレートに対して、スイングが速すぎてファールになったと、影丸は大ショック。これに対して、古田は外角ストレートを要求すると、山田は、今度はレフトポール際への大ファール。ここで古田は、影丸のスライダーなら、スピードがあるからストレートと思って振ると言う計算の下、初球と同じインコースへ今度はスライダーを要求。鈴木一朗の打席では「駆け出しのおれが首を振るのは一流捕手の古田さんのプライドに傷がつく」と謙虚な姿勢を見せていた影丸だったが、この場面では、古田の要求を完全に無視! 背負い投げ投法でど真ん中ストレートに投げ込み、山田を空振りの三振に打ち取り、古田のプライドをズタズタに引き裂くのだった。影丸は、古田に文句をつけられる前に逃げる様に降板。相変わらず、日本シリーズの伏線にしたがる作者の影響で星野監督は「権藤さん、おおきにでした、わしのわがまま聞いてくれて…。これで日本シリーズは全セ代表として恥じぬようパを撃破、パーにします」などと寒いダジャレを吐いて、ますます茂雄と権藤さんを怒らせてしまうのだった。しかし、散々、日本シリーズがどうこうと言っておきながら、実は、後半戦開幕戦である対ヤクルト戦を睨んで、司令塔・古田のプライドを傷つけた上、茂雄と権藤さんを怒らせる、と言う狡猾無比な作戦だったのではあるまいか!? 次の打者は現在、堂々の首位に立っているダイエーの4番・小久保だと言うのに、その小久保との勝負をしない儘、降板させて、日本シリーズもクソもないもんだ! しかし、アナウンサーは「パを代表する二人の天才打者(殿馬はどないなっとんねん、殿馬は! 「天才打者」と言えば、殿馬やろが!)をとるだけが役割とは、あまりにもカッコよすぎます」と一人で大感動。当然のごとく、岩鬼は「パの優勝はダイエーやで! わいから逃げるんかい!」と罵声を浴びせるのだが、影丸は委細構わずに降板、代わってマウンドに上がった3番手の石井一によって、小久保は凡退するコマすら描いて貰えずに凡退し、スリーアウトチェンジ。そして、4回裏、全パ2番手として、里中が登場。絶好調の微笑との対決を控え、観衆は沸き上がるのだった。待て、次号!