1999年7月のドカプロ


7月29日

今週のレビューやるの、ごっつう嫌やねんけど、さほってええ? ダメ? あ、さいですか。しゃーないな、もう…。表紙の後、2ページも使って、ここ3週間のあらすじを説明する実況が延々と流れる有様の今週。はっきり言って、あのショボいホームラン競争を3週間も見せられるくらいなら、この2ページを読むだけで良かったんとちゃうか? ともあれ、全パの先攻で始まった第1戦、先頭の岩鬼が打席に入ろうとしていた。どうも微笑は忘れていたくさいが、何故か、関係ないヤクルトの中井美穂の旦那・古田は、オープン戦で、上原が岩鬼にいきなり一発を浴びた事を覚えていた! 「俺は記憶の古田って有名だろよ」(そんな異名、初耳や!)とうそぶきつつも、どんな球を打たれたかは知らなかったりする辺り、かなりいい加減だが、インハイの悪球と聞いて「それなら説明の必要はないな。ど真ん中三つだ」と指示。「それって結構難しいんですよね」と、上原は真理を語るが、かつて、散々、高校生(一流どころか二流どころまで)投手に「ど真ん中さえ投げてりゃいいんだから楽だ」と言わせ続けてきた水島新司のいい加減さを露呈しているだけの事だった。レフトスタンドの全セ応援団は、岩鬼を冷やかすかのごとく「ここに打ち込め〜」「岩鬼のホームランボール欲し〜い」などとヤジを飛ばすが、これに対して、岩鬼は「松井はんやマッスル千代の富士はんと違うて、わいはほんまに打つんやど! さぁ来いや、うわっ原!」と吠える! 「微笑と違って」ではなく「松井さんやマッスル千代の富士と違って」と言う辺り、暗に、この二人をシメていると言えるだろう。更に、このやり取りを見ていた松井さんに「上原、まずこの小生意気なハッパを三振だ」などと、器の小さいコメントを吐かせてシメる! 上原は、初球、古田の指示通り、ど真ん中へ投げ込むと、岩鬼は当たり前の様に豪快な空振り! ここで左目にゴミが入ったと、ベンチに戻った岩鬼は、吉永に自分のバッグから懐中電灯を取ってくれと頼む。山田以外は、球場に懐中電灯を持ってくると言う不条理に誰も気付かないのは、毎度の事だ。ついでにゴミを見てくれと、吉永に左目の間近で懐中電灯を照らして貰う岩鬼。ゴミが取れた、と再び打席に戻る岩鬼は、またも「お待っとうはん、うわっ原はん!」と叫ぶと、さっきから言っているのに今更になって「うわっ原は許せん」とはらわたを煮え繰り返す上原だったが、2球目、前回で懲りたか、流石に、故意に悪球を投げる事はなく、ど真ん中へ…。だが、これを岩鬼は完璧なスイングでレフトスタンド上段へ運ぶのだった。そう、懐中電灯で目に強烈な光を当てる事により目をくらませて悪球にしたのだ! オープン戦に続いて、またしても、岩鬼に先頭打者アーチを浴びてしまった上原。そんなに上原が憎いですか、水島先生! 水島キャラと化している松坂より3つも勝ち越しているから許せないのですか? 巨人の選手は、微笑以外、松井さんだろうがマッスル千代の富士だろうが上原だろうが、シメなければ気が済まないのですか? 「このお返しは日本シリーズだ」とリベンジを誓う上原だったが、仮に、巨人−ダイエーの日本シリーズとなっても、また上原から岩鬼に先頭打者アーチを打たせるつもりですか、水島先生! 流石に、そこまでやったら、このレビューは、そこで打ち切らせて貰いますわ(いいのか、そんな事言っちゃって…。いや、別に、未練など微塵もないが…。そもそも、茂雄ヘッポコ采配で巨人が優勝出来るかだよな)。かくして、微笑との賭けに一歩リードした岩鬼。だが、これは、微笑が松坂から一発を放つと言う伏線に過ぎないのではあるまいか? ともあれ、1点を先制した全パ。続いて打席に入ったのは天才児・殿馬。球宴ではロクな活躍をした事がない殿馬だが、このショックの上原に更に追い打ちをかける恐ろしい場面が待っていようとは、誰一人知る由もないらしい。殿馬が活躍するのはええが、まだ上原をシメ足りないんかい! 何故か「ZURA」とローマ字台詞を吐いた殿馬は、一体、何をしようと言うのか!? 待て、次号! 


7月22日

投手3人ずつによるホームラン競争と言う作者だけが盛り上がっている企画も、結局、引き分けに終わり、今度は、微笑と岩鬼によるサドンデスモードに突入した。微笑の相手は、松井さんやマッスル千代の富士などではなく、何故か、新庄。シーズン前に、散々騒がせておいて、結局、二刀流を実行しなかった事に興冷めしたファンへ媚びを売っているつもりなのか? はたまた、膝がぶっ壊れそうになって二刀流を辞めた新庄をここで潰してしまおうと言う権藤さんの陰謀か!? 一方、岩鬼の相手は、天才児・殿馬。先攻の微笑に対して、どこに投げれば喜ぶか迷っている新庄に、殿馬は「織田裕二が、この前、3ラン食った所づら」と、チクリ。皮肉を皮肉とも思わないのか、新庄は「インコースベルトだ〜!」と大喜びで、第一球を投じた。外野手としてはともかく、投手としての制球の悪さは、既に、立証済みの筈の新庄だったが、何故か、素晴らしいコントロールで内角のベルトの高さに投げ込むと、微笑は、これを軽々とレフトスタンドへ。続いて打席に入ったものの、ボールを弄んでなかなか投げない殿馬に岩鬼はカリカリするものの、殿馬は、そんな事はいとも気にせず「おめぇのリズムとってるづらよ」と飄々と応えるのだった。「殿馬さんって、相手のリズムもとるんですか?」と無知な霊感投手・松坂は驚くも、「俺は何でも知ってるぜ(実際は、すぐ忘れるが)」とばかりに、「そうだよ。でなきゃ指揮はとれないだろ」と偉そうに解説する山田。殿馬は、計算ずくのくそボールを投じると、無知な松坂は「くそボールだぁ」と愕然とするも、「俺に分からない事はないぜ(実際は、たくさんあるが)」とばかりに松坂以外は、誰もが分かっている事だが「いや絶好球だ」と偉そうに解説する山田。当然のごとく、岩鬼は、これを激振すると、打球はレフトスタンド上段へ一直線。微笑が、二球目もスタンドに叩き込むと、「来やがれとんま!」と意気込む岩鬼! 「とんま」は「殿馬」がなまってるだけだから構わない、と殿馬が了承しているにも拘わらず、「とんまはないだろ」「打ちやすい球を投げてくれる殿馬に対して」などと、何も分かっていない今夜の松井さんに鈴木なおのり…。殿馬は、またも計算ずくのバウンド投球をすると、松井さんは「見ろ〜、頭に来てワンバウンド投げたぜ」(殿馬が、そんな器の小さい男か、ドアホ!)と見当外れの事をぬかすと、求道者・前田までが「岩鬼も頭に来て打ちに行くぜ」なとど、見る目のないコメント。こんなにセ・リーグの主力打者を見る目も思慮深さのかけらもない連中に描いて、シメまくるのが楽しいのですか、水島先生! しかし、水島キャラは凄いらしいので、そんなコメントもどこ吹く風。岩鬼は、スリーバウンド目をすくい上げて、スタンドにぶち込むのだった。まるで見る目のない松井さんも、なおのりも、これには驚愕の表情を見せるが、読者は誰一人として、驚いてなどいない事だろう。二人は、3球目,4球目も、スタンドに放り込むと、微笑は5球目もスタンドへ。これを見た山田は「三太郎の今のスイングは当たれば間違いなくスタンドに入る45度の角度になっている。今年はキングをとるかも…」と水島キャラ礼賛コメントを残し、松井さんは、またもシメられてしまうのだった。しかし、岩鬼も負けじと、5球目を豪快に叩くと、距離は十二分ながら、レフトポールの真上を越える際どい当たり。これを何故か、線審がおらず、主審にファールと判定されてしまい、全セに凱歌が上がるのだった。全セは、当初の予定通り、後攻を選択し、早速、守備に散った。例によって、悪人づらのまるで似ていない先発・上原に対して、岩鬼は「こっちゃの方がええ。ほんまの先頭打者ホームラン見せてやるで」と、うそぶいて打席に入るのだった。果たして、またも上原はシメられてしまうのか!? 待て、次号!  


7月15日

作者一人だけが、緊張感に溢れていると思っているホームラン競争! セ・リーグの15本を追って、パ・リーグの一番手・不知火が土井垣を相手に打席に入った。相変わらず、何も勉強していないとしか思われないアナウンサー「かつて、高校時代、ライバル捕手として、不知火の欠点を攻めた土井垣」などと、適当な事をぶっこいていた。明訓時代・土井垣がマスクをかぶった時は、不知火は2打席連続敬遠の後、3打席目も敬遠しようとして、里中に嫌がられ、無理矢理勝負した挙げ句、いきなりヒットを打たれるなど、到底、欠点を攻めたとは思えないリードをしていたではないか! 高校時代に、ちょっとでも対戦していれば、相手の手の内を全て知り尽くしているみたいな言い方は、もういい加減、やめてくれよ!! ともあれ、不知火は、相変わらずの打撃センスを発揮し、次々にスタンドへ放り込む! それを見ていた山田は「土井垣さんもいいコントロールしている。流石に、パの阻止率No.1の捕手だ」などと語るのだが、阻止率って、盗塁阻止率だろ? なにぃ〜っ!? 山田より上だったのか、土井垣〜っ! そいつは驚きだぜ! 久しぶりに、驚かせて貰ったぜ、水島新司よ。しかし、この山田のコメントの真意は「ウチの投手陣は、クイックや牽制がなってないから、土井垣より強肩の俺の阻止率が下がるんだよ!」と言う自軍批判である可能性も少なからず考えられるだろう。結局、不知火は5本のスタンドイン。続いて打席に入ったのは、犬飼小次郎。何と打撃投手には、J.マッケンジーかと思いきや、雀士東尾が密かに推薦で選出していた実弟・知三郎! 高校時代、土井垣を遙かに上回る成績を残した小次郎の豪快な打棒だったが、知三郎との呼吸もピッタリとか言いながら、犬神にも及ばない5本に留まった。しかし、山田に打ちのめされている事で、すっかり哀れみの目で兄を見ている知三郎は「5本は上出来だ。流石、兄貴だぜ!」と、この程度で、大満足してしまうのだった。そして、3番手の霊感投手・松坂の打撃投手は、当然のごとく、山田。ここで、引き分けの際は、両軍から打者の代表が一人ずつ出て、先に1本打った方が勝ちと言うサドンデスルールが発表されると、これを聞いた観客は、松坂に「5本以上打つな」などと、自分勝手な要求をつきつけるのだった。「5本以上打つなと言っても、その5本が打てるかどうか」などと、ビクビクしていた相変わらずの小心臓の松坂に対して、山田は「思い出せ、ここは甲子園球場だ。そして、今、お前は横浜高校の5番・松坂だ」などと、得意のマインドコントロール単細胞の松坂は、いとも簡単に洗脳されてしまい、奮い立つと、9球で5ホーマーを叩き込み、パ・リーグの15本に並んだ。パ・リーグの勝利を賭けた最後の一球に、インハイを要求した松坂だったが、山田は「最後のおいしい所は、お前でなく、水島キャラが持っていくんだぜ!」とばかりに、インローを投げる嫌がらせ! 松坂は、これをうまくすくってレフトへ持っていったものの、あと50cm及ばず、結局、このホームラン競争は引き分けに終わるのだった。ここで、両軍の打者一人ずつが選ばれる事になったが、今夜の松井さんと小久保…などと言う事がある筈もなく、出てきたのは、微笑と男・岩鬼の明訓コンビだった! ホームラン競争ごときに3週間もかけんと、サッサと試合やれ! 待て、次号!    


7月8日

あまりの不調に出場辞退を申し出た筈の男・岩鬼だったが、案の定、しょーもない事で安易に心変わりして出場する事になった球宴(別名:水島キャラクター祭り)が、いよいよ始まった。第1戦の舞台は、西武吹き抜けドームだ。試合前のバッティング練習で、今夜の松井さんが豪快な打球を連発! 流石に分かっている江藤はペタジーニもゴメスも水島鎖国政策の影響を受けて、幽閉されているし、今年も、最後は(本塁打王は)松井さんだな。俺もマッスル千代の富士も追い切れまい」と語るが、文字通り「水島新司の犬」と化してしまったらしい犬飼武蔵「江藤さんは関係ありませんよ」などと失礼な事をぬかした上に、「今年はあいつの楽勝ですよ、三太郎の…」と、ほざくのだった。水島キャラが水島キャラを賛辞する実に寒いシーンだ。前半戦を終わって30本と言う驚異的ペースの微笑は、インタビューで「マグワイアの70本を越える宣言を」などとあおられるが、所詮、自分は脇役と分をわきまえているのか「とんでもない。終わった時の本数、それが目標だったと言う事ですよ」と謙虚なコメントを残したかと思えば、霊感投手・松坂について尋ねられると「速い球は好きですから対決するチャンスがあったら打つ自信はありますよ」などと、松坂をシメるコメントは忘れないのだった。それを見ていた岩鬼が、イチャモンをつけに来たところ、それに対して、微笑は「お前こそ、うちの上原さん、打てないと思うぜ」とうそぶくが、ちょつと待て! 上原は、いきなり初対決で岩鬼に福岡ドーム上段にぶち込まれとるやんけ! その時、自分は絶不調で悩んでいたから、まるで記憶に残ってなどいなかったと言うのか〜っ!? それを聞いた岩鬼は、ホームランを自分が上原から打つか、微笑が松坂から打つかと言う賭けを提案! 金を賭けるとなると、間違いなく負けるであろう微笑が可哀想と同情した岩鬼は、「負けた方は、生涯、相手を自分より上の実力者として称える」と言う条件を出すと、微笑も了承するのだった。それを聞いていたインタビュアーは「確かにお二人さんは凄いと思いますけど、名実共に凄いのはやっぱあの男(=山田)でしょ」と、恒例の山田礼賛発言! 山田信者の微笑は、当然のごとく「同感だな」と頷いてしまうのだった。そして、間もなくして、両軍のスタメンが発表されたところ、鈴木なおのりが1番と言う訳の分からぬオーダーで始まったセ・リーグの4番は、何と微笑! 松井さんを差し置いての4番・微笑にスタンドは騒然。そんな事より、左膝靱帯損傷のくせに、さも当たり前の様に、ベンチに堂々と座っている無冠の帝王・清原の存在に騒然としろ! 更に、その後のホームラン競争では、両軍の投手がこれを行い、勝った方が先攻後攻の選択権を貰えると言う、ふざけた企画が発表され、またまた場内は騒然とするのだった。本戦で出番がロクに与えられないヤツらに対して、無理矢理出番を与えようと言うのが、いかにもミエミエだ! セ・リーグから選ばれたのは、東京メッツから移籍してきた火浦健…もとい、影丸,日本シリーズで5番を打った土門,そして、キャンプでないがしろにされていた哀れな男・犬神の3人。一方、パ・リーグからは、昨年V逸のA級戦犯に貶められた不知火,山田に打たれ、弟に哀れみの目で見られている犬飼小次郎,そして、天才児・殿馬には、ことごとく打ちのめされたが、星野からホームランを叩き込んだ男・松坂が選ばれた。セ・リーグはビジターでのサヨナラ勝ちを狙うべく先攻を、パ・リーグは勝っていても9回まで打てる後攻を欲しがっているらしく、先攻後攻の選択権に関しては、勝負するまでもない事が、早くも明らかになってしまうショボい展開ながら、とりあえず、先頭の土門が打席に入った。土門は、谷繁を相手に、最初の5スイングで柵越えゼロながら、残りの5スイングを全部スタンドに放り込み5本。影丸は、福留を相手に4本を放り込み、ここまで合計9本。「勝ち負けにこだわるなら、犬神はないだろ」「おい犬神、1本は打てよ」などと、酷い事を言われていた犬神だったが、緒方を相手にいきなりライトスタンド上段へぶち込むと、その後も、ホームランを連発。結局、セ・リーグトップの6本を放ち、不敵に笑うのだった。「凄い…、どう考えたって、こいつは投手じゃない」「達川君、どうして打者にしないのでしょうね」などと談笑する権藤さんと茂雄。まさか、これは、犬神を投手にしても、岩鬼へのビーンボールネタしか思いつかず、どうせ新潟県民・小林幹英がいるのだから、広島の投手は、もうこれ以上描きたくない!と言う水島新司のワガママから、犬神を打者転向させる為の伏線か〜っ!? この球宴でも、土壇場で代打で出てきたりはしまいな? 非常にやりかねない展開で、実に心配だ。それはさておき、ここで、パ・リーグの代表3人が登場すると、「負けてセ・リーグに後攻を取られたのでは、痛恨の屈辱でしょう(だから、パは先攻狙いだっての!)。セレモニーから緊張感溢れる真剣勝負のオールスターになってきました」などと、勘違いしているとしか思えない実況が! こんな事で、緊張感溢れる真剣勝負になるか、どアホ! 待て、次号!  


7月1日

あまりの絶不調にオールスターを辞退した男・岩鬼ですが、当サイトの予想通り、しょーもない事で安易に心変わりして、出場する事になりました。以上! ………ダメですか、こんなんじゃ? はいはい、分かりました。でも、正直な話、これだけで、今週、全て語れると思うんですけどねぇ。岩鬼の出場辞退に関して、「SPORTSチャンピオン」で、偽善者の誉れ高い山田は「ファン思いの岩鬼ですから、最後は必ず出ますよ」などと、綺麗事をぬかしていたが、殿馬は、こう語っている。「ほっとけづら。球宴始まれば、球場にいるづら」。はっきり言って、大半の読者が殿馬と同じ思いだったに違いない。そして、今週、読み終わると同時に、ああ、やっぱりと思うのだ。迎えた近鉄との3連戦で岩鬼の不振脱出を図るべく、ダイエー球団も「がんばれ岩鬼デー」と銘打って、ファンと一体になって岩鬼を応援するも、2戦目を終わった段階で、岩鬼は8タコ6三振と言う有様で、チームも1敗1分と苦しんでいた。我慢も限界となった王さんは、ついに岩鬼をスタメンから外し、第3戦が始まった。高村−星野の投げ合いで0−0で迎えた4回表、ランナーを二人を置いて、中村が、まるで岩鬼のごとく、くそボールをレフトスタンドに叩き込み「悔やむな星野、空はわいの為にあるんや! パの三塁はわいに任せ。安心して辞退しろ、岩鬼」と満面の笑みでベースを一周。しかし、二塁ベースを踏み忘れていた中村は、浜名のアピールにより、アウトとなり「アホー、そこまでハッパに似るか!」と叱咤されるのだった。試合は、4−3と、近鉄1点リードの儘、9回裏に突入。試合中、ずっとロッカールームにこもっていた岩鬼が帰り支度を始めようとすると、王さんからお呼びがかかった。ランナー一人を置いての村松に代わる代打となった岩鬼は、ダイエーファンの激励も耳に入らずにいたが、近鉄ファンの「がんばれ岩鬼」「お前の一発で負けるなら悔しないで」と言う声に冷やかしかと、レフトスタンドに目を向けると「長嶋さんが待ってるぞ!」「三振しても岩鬼が見たい」「岩鬼あってのパ・リーグだ」と言う横断幕が目に入った。「敵の応援団までが、今のわいをそこまで…。どんな時でもクールなわいが強烈に胸打たれたで」と感涙した岩鬼は、涙で目が曇った影響で、ど真ん中が悪球と化し、レフトスタンド上段へサヨナラ2ランをぶち込むのだった。岩鬼は、二塁を回った所で、その儘、レフトスタンドへ直進。近鉄ファンに手を振って、感謝の意を表し、オールスターでの活躍を誓うのだった。しかし、あの声援と横断幕は、岩鬼をコケにして怒らせる為だったと言うのが実情と言うしょーもないオチが待っているのだが、そうとも知らぬ岩鬼は、ご機嫌の儘、再び、ベース一周を再開。しかし、いつまで経っても返ってこない岩鬼に呆れ果てたダイエーベンチは、岩鬼のホームインを待たずして、冷酷非情にも全員引き上げてしまっていたのだった。何はともあれ、これで調子を取り戻した岩鬼は、結局、オールスターに出る事になったのだ。ところで、折角の近鉄戦やと言うのに、坂田が1コマも出て来ないのは、一体、どういう事やねん! そもそも、岩鬼は、どこがどう不調だったのだ!? 悪球すらも、ことごとく打ち損じていたのか!? 単に、悪球が全然来なかっただけなのか? 後者なら、それは、別に、不調でも何でもないではないか! 結局、今回のネタも、単なるスカシだった訳だ。さて、来週からは、恐らく、オールスターが開幕。史実では絶不調の新潟県民・小林幹が大活躍するが、岩鬼に去年の借りを返される一発を浴び、霊感投手・松坂と山田のバッテリーによって、今夜の松井さんがまたコケにされる、とかそういう試合だろう、どうせ…。待て、次号!