1999年4月のドカプロ


4月22日

岩鬼をツーナッシングと追い込みながら、岩鬼の不気味な不動の構えに対して、迷いが生じていた山田。「人の10倍闘争心の強い岩鬼がど真ん中とは言え、全く手を出さないと言う事があるか?」と、ど真ん中はボール球と思っているが故に、平然と見送った試合が何度となくあった事など、すっかり忘れている山田は、あらぬ勘違いをして、一向に勝負球のサインを出せずにいた。これに焦れた松坂は、タイムをかけてマウンドへ山田を呼んだ。気味悪がりながらも「迷わずど真ん中いきましょう。打たれてもホームランにならない160kmの球を投げますからなどと、不知火を貶めかねない発言をかました松坂だったが、山田は「ど真ん中と決まれば、160kmなど勿体ない。140kmで十分だ。130kmでもいいくらいだ」と、またも岩鬼をナメきった作戦に出た!この話し合いの最中も、ピクリとも動かない岩鬼に対して、松坂はど真ん中のストレートを投じるが、やはり、岩鬼はピクリとも動かずに三球三振。ダイエーベンチは「これでど真ん中が打てないのははっきりした」「去年あれだけ悪球を打たれりゃ、今年はもう投げてくれないさ」なとど、とっくの昔に誰もが知っている事を今更、確信した上に、「外すべきだ」「その前に引退した方が」などと、たった一度の三振だけで、顔も名前も分からないザコ選手にここまで、ボロクソに言われる始末。しかし、岩鬼は、そんな声をよそに「よっしゃ、これで次はホームランや!」とうそぶくのだった。山田は山田で、ナメきった態度を取りながらも、「今年は、前半戦を犠牲にしても、ど真ん中を打つ為の試練の年にしているのでは?」と、またもやあらぬ勘違い。しかも「それが完成したら、60本の大台を打つとてつもない打者になる」とまでいいきった! 岩鬼がど真ん中を打てる様になったら凄い打者…と言う仮定は、これまでに何度となくあったが、どうせ打てる様になったかと思えば、しばらくすると、何もなかったかの様に打てなくなると言う繰り返しなので、そんな仮定はするだけ無駄だ、山田! 試合は、小次郎,松坂の投げ合いで0−1と西武1点リードの儘、6回表に突入。二死をとった所で、9番・柴原が打席に入ると、次の岩鬼が、バットを立てて、ネクストバッターズサークルに座り込み、不動の構え。この動きが気になって仕方ない西武バッテリーは、柴原のセーフティバントに完全に意表をつかれて、内野安打を許してしまう。そして、岩鬼が、バッターボックスへ! 山田が座る前から、早くも不動の構えに入った岩鬼に小心臓の松坂は激しく動揺。これを見ていたブルペンの橋本は「また三振をタダでくれるなんて楽だな」とほざいていたが、山田ウイルスに感染していない男・デニーは「ランナーが一塁にいる今は、さっきとは状況が違う。万一、歩かせたら、スコアリングポジションにランナーが進み、一打同点になる。打つ気のない打者に対しては、意外とストライクが入らず、ボールになるケースが多いし、特に、悪球好きの岩鬼にはボール球を投げられない」と、岩鬼の作戦を察知していた! デニーの危惧していた通り、松坂は、初球から外角に外れていった。岩鬼は、ストライクコースから外れれば、大きく外れた球でなくとも打てる筈なのだが、水島新司は、そんな事はすっかり忘れているらしく、平然と見送ってボール。2球目も同様に外角のボール。岩鬼をナメきっている山田は、動揺している松坂にも気付かず、何の声もかけずに、安易にど真ん中を要求し続けるが、松坂の3球目は、インハイに大きく外れる悪球となった! 「これを誘ったんじゃい! こいつを待ってたんじゃー!」と激振した岩鬼は、レフトスタンド上段へ逆転のツーランホーマー! 「まさか…」と驚愕する橋本に対して、読みが当たったデニーは、自軍が逆転されたと言うのに、大喜び。「やーまだ、野球は頭や!」とクロマティポーズを取る岩鬼に対して「あいつからそんな台詞が出るなんて信じられない」と、またも失礼な事をほざいて呆然とする山田。最近は、コンタクト作戦ばかりとは言え、今まで、数々の悪球打ち作戦をあみ出してきた岩鬼が頭を使ってプレイしている事など、誰もが分かっている事。昨年終盤からの礼賛三昧に慢心していた山田は、甘く見ていた岩鬼に心理戦で敗れ去った事で、激しくショックを受けるのだった…。以下、次号!    


4月15日

初回から早々と先制点を叩き出しながら、雀士東尾に「ルーキーにこの1点は早すぎる。守りに入ってしまうから、逆に危ない」と、あらぬ言い掛かりをつけられた山田。雀士東尾の指摘通り、プレッシャーで首から下が石化する水島イズムボティになっていた小心臓の松坂だったが、「1点の貯金が出来た。これで1点は取られてもいい」と言う山田の言葉で、僅か1ページ強で石化が解けてしまった。こんな簡単に立ち直ってしまうのは、強心臓などと言う大層なモノではなく(そもそも、強心臓なら、こんな事で石化などしない)、この上なく単純なだけだ。勿論、山田が凄い訳でも何でもないが、相変わらず、騙されまくっている西武ベンチは、感心する事しきり…。山田を引き立てる為に、小心臓の単細胞扱いされてしまうとは、松坂の何と哀れな事か…。迎えた2回表、小久保、秋山、吉永と続く好打順も、ことごとく山田との(ヤマが外れれば、必ず凡退する)ジャンケン野球に敗れ去り、三者凡退。ある程度、的を絞るのはともかく、こうも読みに依存しきっているプロの打者がいるものだろうか!? 何はともあれ、3回も三者凡退に打ち取り、打者一巡をパーフェクトに抑えた松坂だが、決して、松坂が凄い訳ではなく、山田のリードが凄いのだ…と水島新司は言いたいらしい。一方、小次郎も、MAX152kmの速球で、2回以降は西武打線を翻弄。西武1点リードの儘、迎えた4回表、男・岩鬼が2度目の打席に入った。「2度同じ手は使わない」筈の岩鬼のポリシーが、最早、嘘っぱちであると信じ切っている山田は、またもコンタクトを装着しているかを疑ってかかっていた。しかも「コンタクトをしていたとしても、今の大輔のストレートならミートしてもスタンドまでは届かない筈」と、岩鬼のパワーをも貶めるなめきった態度で、初球にど真ん中を要求。不動の構えで見送る岩鬼に対し、コンタクトをしていないと踏んだ山田は、2球目もど真ん中を要求し、2−0と追い込んだ。依然として、ピクリとも動かない岩鬼に場内は騒然。こういう時は、ストローで酒を飲んでいるか、突然グニョグニョと動き出すのが今までのパターンだが、岩鬼を甘く見過ぎていたが故に、何を考えているか読み切れない山田は、三球目のサインに迷いが生じていた。すっかり山田のリード頼みの松坂は、不安そうに覗き込む。果たして、山田のサインは!? 待て、次号!


4月8日

岩鬼を2−1と追い込んだ松坂は、山田のリード通りに、4球目もど真ん中へ! 先週「喝!」と叫んで期待させた岩鬼だったが、あっさり空振り三振に倒れるのだった。山田は「やった、大輔、ど真ん中だ! ナイスコントロールだ!」と、大喜び。そもそも、ど真ん中と言えども、3球続けて投げ込む事など、プロとて、さして簡単な事ではないのは、言うまでもない事なのだが、高校時代から、岩鬼に対する投手に、散々「ど真ん中だけ投げてりゃいいのだから楽だ」と言わせ続けてきたにも拘わらず、それを手の平を返すかのごとく、松坂のど真ん中投球を称えるとは、相変わらず、信念のない作者である。さて、岩鬼がど真ん中を打てなかった事実に、松坂は呆然とすると同時に「山田さんは、岩鬼さんに神経を使っていない様で、実は一番使っているんだ」と、更に、山田信者ぶりを深めるのだった。続く浜名が打席に入ると、松坂は、前夜の分解写真オールナイト鑑賞会の成果で「初めて対決する気がしない」と思い切った投球を展開。浜名は、初球から叩くが、バットを折られ、打球はピッチャーフライ。折れたバットが松坂目掛けて飛んでいったが、松坂は打球をジャンピングキャッチして、バットを右足でブロックするサーカス野球を見せ、ダイエーベンチは仰天…。更に、三番井口もバットを折られ、金村弟への小フライに倒れるのだった。金村弟も、雀士東尾も、松坂の第一球は緊張の為の大暴投と思っていたらしいが、案の定、山田の指示である事が判明。しかし、緊張をほぐす為と言う水島イズムではなく、岩鬼がコンタクトをしているかどうかを探る為の投球だったのだ! 山田にこんな事をされる様では、最早、岩鬼の悪球打ち対策は、コンタクト作戦しかないのだろうか!? 同じ作戦は2度と使わないあの男・岩鬼は、一体、どこへ行ってしまったのか!? さて、ダイエーの開幕投手は、昨年、日本ハムV逸の最大戦犯に貶められた不知火に代わって、パ・リーグのエースになったらしい犬飼小次郎。小次郎に対して、先頭のエセネオエセ松井は、J.マッケンジーの単純なリードを読んで、レフト前ヒットで出塁すると、昨年、水島新司にシメられ続けた男・小関が送りバント。金村弟がセンターフライに倒れ、二死二塁の場面で、山田が打席に立った。山田は、小次郎のフォークをしぶとくすくって、このレビューが始まって以来、初のシングルヒットとなる当たりをセンター前へ落として、エセネオエセ松井が生還、西武は、楽々と一点を先制した。山田の一打にスタンドは喝采するが、雀士東尾は「俺の経験から言えば、緊張の開幕戦で、ルーキーに初回の一点は早すぎる。どうせなら7,8回辺りに…」と、裏を返せば、そんな終盤まで0−0で行って欲しいと言う無謀な発言。須藤コーチは「逆にプレッシャーになると? あの強心臓の大輔が、ガチガチになる事もなかろう」と笑ったが、偽ソーサを激高させ、バットを持って迫られても、平然としていたあの松坂が、緊張のあまり、首から下が石化する水島イズムボディーに変化していた! 山田が(単に寝不足で)あくびをすると、松坂もそれにつられてあくびをして、緊張がほぐれるとか言うオチだけはやめてくれよ! 待て、次号!   


4月1日

当サイトの願いも虚しく、オリックス−ロッテ戦ではなく、西武−ダイエーの開幕戦になってしまった今週。屋根がつき、西武ニセドームから、西武吹き抜けドームへとマイナーバージョンアップしたのを見て、男・岩鬼は「何で、屋根つけんねん! 何で、わいの場外ホーマーを消してしまうんじゃい!」と激怒! いや、岩鬼よ、ここは、吹き抜けドームだから、あの吹き抜け部分を貫いて場外にすると言う手が、まだ残っているぞ! 今季は、それを狙っていくしか! 松坂のプロ第一打者としての感想を求められた岩鬼は、まだ機嫌が悪く「松坂に、『最初の打者がわいで光栄やろ』と聞く質問やろ!」と怒鳴り散らすが、既に、記者は、それを聞いてきていた。「最初が岩鬼さんなんて夢のよう。生涯忘れられない」と言う松坂のコメントに、岩鬼は「可愛いとこあるやないけ」と、すっかりご機嫌に…。しかし、ブルペンを見ると、前日の分解写真オールナイト鑑賞会で寝不足の松坂は、岩鬼の方に向かって、山田と共に、大あくび。岩鬼は「単に大カモが一人増えたに過ぎんのや」と、湯上谷がまだ打っているにも拘わらず、ゲージへ歩み寄り、湯上谷に一喝されるのだった。王さんは「流石の岩鬼も松坂相手に意識過剰で平常心ではおれんのか」と心配顔。一方、相変わらず、あくびをしまくっている山田と松坂に対し、西武で唯一、顔を見て誰だか分かる投手・デニーが「この大事な一戦を前に大あくびとは何だ! これだけの投手陣(背番号見ないと誰が誰やら、まるで分からん。特に、このグラサン男は誰やねん!)の中から選ばれたんだから、その為にも体調をベストにしてくるべきだ!」激怒! しかし「山田がそんな軽率な事をするか? 監督は万全の松坂を考えて、山田家に送り込んだ筈だ」(西崎)、「多少、体が重いとか寝不足とかの方が慎重になっていいのさ。その辺の計算があるんじゃないの」(石井)、「そうか、あまり完調過ぎるとポンポン投げて痛い目に遭う事はあるな」(新谷)、「成程、どこかにひとつハングリーか」(オツ)と、揃いも揃って山田ウイルスに犯されている他の投手陣は、最早、山田の弁護をしていると言うより、完全に山田の計算だと信じ切っている口ぶり。そんな連中をよそに、まだ山田ウイルスに感染せず、無事なデニーとアンパンマン・杉山は、「そんな風には見えないぜ」「リリーフの用意を早めにした方がいいですね」と、気を引き締めるのだった。打撃練習で場外連発の岩鬼を見て、流石に弱気になった松坂に、山田は「とにかく、大胆8、細心2で若さをぶつけよう」と声をかけるが、「それではいかれてしまう」と、松坂は、山田に対して初めて納得のいかない表情を見せるのだった。さて、試合前の始球式に現れたのは、tohko(関谷アナと瓜二つ)。始球打には定評のある岩鬼が「よっしゃー!」と意気込んでいるのに対し、山田は「始球式の球は礼儀として空振りが常識だから打つなよ、空振りだぞ」と水を差す。しかし、岩鬼は委細構わず「全てのプレーにおいて常識を超えとるのが男・岩鬼や!」と、tohkoのパンチラ投球に興奮しつつ、力のないワンバウンド投球を激打し、レフトスタンド上段へとぶち込むのだった! 「記念のボールが貰えない」と涙ぐむtohkoに対し、岩鬼は「ボールよりもっとええもんやるがな。わいのバットや」と差し出すと、現金にもtohkoは「ひゃー、嬉しい。こっちの方がよっぽどいい〜」と一転して満面の笑み。それを見ていた雀士東尾は「打つの悪いからとやり直す訳にもいかん。岩鬼の奴、大輔にプレッシャーをかけたな」途方もない勘違い。岩鬼に、そんな企みがあろう筈もない。そして、いよいよ試合開始。緊張をほぐすには、初球は大暴投と言う水島イズムが炸裂後、2球続けてのど真ん中に岩鬼は平然と見送り、カウントは2−1。明訓同窓会に参加したくせに、岩鬼の悪球打ちを疑って「狙っていたら間違いなくホームランなのに…」「やっぱり悪球打ちは本当だったのか」「三球続けたら持っていかれる」と、訳の分からない事をほざく松坂…。そして、勝負の四球目、山田は、またしてもど真ん中を要求。山田信者ぶりに陰りの見え始めた松坂は「あまりにも甘く見過ぎじゃ…」と躊躇するが、「責任は俺が取る」と言う言葉に背中を押され、「こうなりゃ大胆10だ!」と覚悟を決めて、ど真ん中へ! 岩鬼は、実に久しぶりに「喝!」と叫んで、完璧なスイング! 待て、次号! 次号予告、「理解不能…。岩鬼打法に松坂は!?」…って、何や、そら!