1998年11月のドカプロ


11月26日

高校時代、辛酸を舐めさせられた山田に対して、プロでの初の真剣勝負では、高校時代の球種で勝負したい、と言う土門に対し、谷繁は「日本シリーズを私物化するな!」と、まるで不知火に対するあてつけのごとき台詞でたしなめた。獅子丸の調子からして、1点勝負になると見た谷繁は「高校時代の山田ではない。プロに入って4年目、今ではプロの3本の指に入る打者だ」と、またまた山田礼賛台詞を吐いてから、この日の為に鍛え上げてきた新球を混ぜる事を土門に納得させるのだった。これに対し、山田は「高校時代、ストレート、フォーク、カーブしかなかったし、ペナントでもそうだった。その3つをいかに使ってくるか」と悩んでいた。ちょっと待て! 高校2年の夏に、吾朗が取り損ねさえしなければ、負けていたあのファウルチップの球種は、シンカーだぞ! どうなっちまったんだ、シンカー! …し、失礼。相変わらず、高校時代編をロクに読み返していない水島新司に対して、少々取り乱してしまいやしたぜ。ま、まぁ、とにかく、土門は3つしか球種を持ってないんだそうです。新球は1試合5球が限界と言う事で、初対決でいかにそれを使うかを考える谷繁! 初球、フォークを投げてきた土門に対し、山田は、まんまと裏をかかれ空振り。山田は、谷繁のリードに驚愕しながらも、ひたすらストレートを待つ事にした! 2球目は、ヤマがあたってストレートと思いきや、何と今まで投げた事のない筈のシュートだった! 空振りを喫した山田は、シュートとは思えないスピードと、凄い切れ味に、またも戦慄を覚えた! それでも、あくまで、ストレートを待つ山田だったが、3球目も、裏をかかれたシュートで、あっさり三球三振に倒れたのだった。どうやら、土門VS山田は「ヤマが当たれば、必ず長打」の球種予想シリーズに決定か!? 谷繁のリードが絶賛される中、土門は「チームの勝利の為には、己自身の意地など、何の価値もない…か」と、納得のいかない様子。これは、最後は、谷繁を裏切って、剛球勝負に出る為の伏線か!? まぁ、土門がいかに造反しようが、今年は、所詮、横浜の勝ちなのたが…。例によって、後続は2コマで打ち取られ、試合は2回裏へと進んだ。先頭打者は、外人撤廃イズムの余波で何故か4番を打っている駒田! 微笑いわく「セの岩鬼」と言われる駒田(駒田の方が悪球打ち歴が長い訳で、むしろ「パの駒田」が岩鬼と言うべきなのだが)に対して、初球はど真ん中で見送らせ、2球目は難しいコースでファールを打たせカウントを稼ぐ山田。てっきり駒田の研究に怠りなしかと思いきや、3球目は外角に僅かに外す配球ミスをやらかし、悪球打ちの駒田にレフト前へ落とされてしまった。足が長くちょっと速いらしい駒田は、この当たりで二塁を陥れ、無死二塁のピンチとなった! 続く5番打者は、何と土門! ペナントで.330の高打率を残していた上に、山田の配球は横浜で誰よりも知っている、とか言う事での「権藤さんマジック」らしいのだが、はっきり言って、高校時代、僅かに3打席しか対決していない山田の配球を土門が熟知している筈はないのである! むしろ、吾朗の方が、よっぽど詳しい事だろう。どう考えても、血迷っている采配なのだが、奇襲は必ず成功するのが水島イズムなので、5番土門はきっと成功する事でしょう。待て、次号!


11月19日

神奈川県民が、横浜市民が38年待った横浜が出場する日本シリーズ…、って横浜市民はせいぜい20年だと思うが、まぁ、もっとつっこむべき箇所が、この後、出てくるので、この件は置いておこう。獅子丸を打撃投手にしてホームラン連発の山田! ササキ様は、ローテーション投手の生きた球で練習していると言う特別扱いに辟易しながらも「はっきりしている事は、今日は獅子丸は投げないと言う事だ」と語ってしまい、第1戦の先発が獅子丸である事は、300%確実になってしまった! ここで、「神奈川以外にいたら、間違いなく5期甲子園に出た筈の土門が3年間山田の前に一度も出られなかった」とインチキナレーションが! 土門はダンプカーと激突した事による大ケガで夏の大会を棒に振っており、山田がいようといまいと、5期連続出場は不可能! また山田より1年学年が上な土門は5回どころか、僅か2回しか対決をしていない! この程度の事は、ファンなら誰でも知っている経歴だが、水島新司には、忘却の彼方へふっ飛んでしまっている様だ。この日のTV放送のスペシャルゲストは、例によって、男・岩鬼と三太郎! 更に、解説には、パンチョ伊東とドカベン香川と言う訳の分からない人選だが、どうせこの二人はロクに出番がないのだろう。両軍のスタメンオーダーが発表されると、横浜ベンチは、さっきまで打撃練習で投げていた獅子丸が先発である事に仰天! だから、300%確実だと言うとろうが! どうやら、シーズン通して、人外魔境の三位一体戦法を貫いたらしい雀士東尾は、この日は、オツ、石井もベンチに入れて、横浜を攪乱! 「獅子丸、知三郎で行く所まで行き、勝てそうになったらオツに繋ぐのだろう」と権藤さんは予想するが、恐らくそんな事にはなるまい。さて、いよいよ試合開始! 横浜の先発は、予想通り、ドカベン・土門剛介! 初球のストレートを空振りしたエセネオエセ松井に対して、男・岩鬼は「エセ盗塁王ごときに土門は打てまへんな」と解説し、その通り、エセネオエセ松井はあっさり三球三振に倒れた。「不知火が日本刀なら、土門さんは青龍刀だ」「獅子丸さんはマサカリですね」「知三郎はフェンシングの剣だ」などと、のんびり談笑している三位一体軍団をよそに、須藤コーチと雀士東尾は「不知火と言い土門と言い、こんな投手を相手に山田は5期連続甲子園に出たのか」「凄い男だ」と、またしても山田大礼賛! 大友、高木大も、2コマで三振に倒れ、西武ベンチは「不知火が山田の一発で崩れた様に、土門を崩すのは山田しかいない」と不知火の悲劇を蒸し返した上にまたも山田礼賛! その裏、獅子丸は、ストレート一本で、エセ首位打者ら三人を全て内野フライに切ってとると、山田は「打撃投手をやらせて投げ込んだのは正解」と自分の策に酔いしれて、ニヤリ。相変わらず、山田の打席以外はハショられる試合展開で、ついに、土門VS山田の真剣勝負の場面が訪れた! 待て、次週!


11月12日

詐欺師野球炸裂で男・岩鬼に並ぶ40号を放った山田! 「ノースリーからよく打つぜ。どう見てもくさい所をついて歩かせると思わせる配球だったのに」と愕然とする武田だったが、あんなマイクパフォーマンスをやらかした後に、くさい球など投げられない事は、誰の目にも明らかだったのだから、まんまと山田の術中にハマっただけの事だ。すると、審判からボールを受け取った内之倉に対して、松中がボールをよこせと声をかけた。ま、まさか、また、あのネタなのでは!? ああ〜っ、やっぱり、あのネタだよ! 何と山田は、一塁ベースを踏み忘れる大チョンボをやらかしていたのだ! 松中はベースタッチして、審判にアピール。記録はキャッチャーゴロとなった。西武ベンチは「山田の人の良さが裏目に出た。敬遠パニックをマイクパフォーマンスで鎮めた直後のホームランだけに武田を欺いた格好になった(って言うか、実際、欺いたのだが)事で、武田に気を使ってしまい、走塁に集中出来なかったのだ」と分析していたが、雀士東尾は心の中で「あのくらいの事で良心の呵責に耐えかねる様では、まだまだ詐欺師野球の完成は遠いな。オフには、もっと博打の駆け引きと言うものを教えてやるぜ! 徹マンとか徹マン、もしくは、徹マンでな!」と、こう思っていたに違いあるまい。また、昨年のオールスターで同じく一塁を踏み忘れた男・岩鬼は「おんどれと違って、二塁を踏む前に気が付いた」などとうそぶいた。岩鬼よ、おんどりゃ、夏子はんの気配を感じて戻っただけで、しかも、結局、一塁踏む前にUターンしとったやないけ! この後、あまり続けると怒られるせいかコンタクト作戦を辞めてしまった男・岩鬼は、当然、不発。山田も武田の怒りの好投に一発が出ないまま、両軍無得点が続き、TV観戦していたじっちゃんと、いつの間にか、やたらと頭身が高くなっているサチ子がやきもきしている所へ、何と、昨オフの明訓同窓会・・・、もとい、自主トレで山田のフォーム矯正を命じた徳川監督・・・、いや、仙人・大音寺雪舟が、足柄山の迷える子羊救済のついでに現れた! あの時の三万円で三ヶ月食い繋いだ仙人は、実際には、肩を治した訳ではなく、単にフォームを変えさせて、一時的にごまかしただけである事に山田が気付いてはいまいか、と心配していたが、全然気付いていない事をサチ子から確認。これ幸いと、気付く前にもう1つ恩を売っておこうと企んだ仙人は「ホームラン王のお祝いに、わしが丹精込めて鍛えたバットをやろう。スランプになっても、これを抱いて寝れば、一晩で絶好調になる」と、どこかに捨てられていた様なデコボコのバットを託すと、サチ子が居場所を聞いても「野宿じゃから分からん」とごまかして、消息を絶つのだった。直後に、山田が、仙人の予言通り、サヨナラホーマーを放ち、岩鬼の単独キングは消滅! 結局、残り2試合で山田に一発は出ず、両者でキングを分け合っただけに、痛い踏み忘れとなった。「踏み忘れがあったから、実質のキングはお前だ」と金村弟は山田を慰めていたが、男・岩鬼は「何が実質は山田や。踏み忘れも実力のうちじゃい」と指摘していた。正に、その通り! それにしても、今年は山田の年だから、山田にホームラン王を獲らせたいが、岩鬼にも獲らせたい。じゃ、岩鬼には名目上キングを与えておくとして、実質は山田だな、などと、あさましい考えがミエミエ! 山田の為には、岩鬼をもそこまでコケにするのか、水島新司よ! さて、その他の明訓OBだが、里中は、1.92で優秀防御率を獲得。微笑は、あらゆる部門で僅かにトップに及ばなかったが、出塁率が.421で今夜の松井さんとトップを分け合ったらしい。と言う事は、大体、.330、30本、90打点くらいか。凄いぜ、三太郎! そんなに凄いヤツなら、もっといい扱いをしてやれ! そして、更に、その直後、当サイトが激高する、やたら寂しい1コマが現れた!   「殿馬は何もなかった」   なんや、そら! 鈴木一朗が日本にいる限り、殿馬を永久にタイトルとは無縁の月見草扱いするのは、多少は分からんでもない。殿馬は、決して主役にはならずとも、超!脇役である事は、誰もが分かっている事なのだから、別にタイトルなどなくてもいい。しかし、今回のこれは、タイトルとは無縁の選手は、ただのザコと言っているみたいではないか! パ・リーグにタイトル撤廃を命じながら、記録でしか自キャラの価値を高められない水島新司にとって、タイトルを獲れない殿馬は、最早、その程度のキャラになってしまった、と解釈されても仕方があるまい! 実際は、殿馬が天才過ぎるが故に、水島新司の衰えた表現力では、もう手に負えなくなってしまっただけの気がするのだが、それを殿馬を貶める事によって解決してしまうとは! とりあえず、この話はキリがないので、この辺で、ひとまず、やめておくとしましょう。さて、来週は、いよいよ横浜との日本シリーズ。宿敵・土門とササキ様を迎え打つぜ!ってな事で、待て次号! 当サイトの予想では、山田は、日本シリーズに入って大スランプに陥り、西武は3連敗! やはり、横浜のシリーズ不敗神話は止められないのか!?ってな所で、大音寺教にご執心の山田は仙人のバットを抱いて寝てみれば、一夜にして大復活の猛爆発! 息を吹き返した西武は3勝3敗と逆王手をかけるが、結局、ササキ様が山田を封じて(あるいは、波留か中根の伏兵ホームラン)で横浜の日本一と読むが、果たして!?


11月5日

当サイトの予想通り、二流に貶められた上に、勝ち運までなくしてしまった不知火の影響で凋落した日ハムに代わって首位に立った西武は、優勝を目前にダイエーと対戦。意外性のかけらもなく、今年も、山田と男・岩鬼でのホームラン争いシリーズの開始である。ん? ちょっと待って下さい。確か、この漫画の作者、先日、某誌で「パ・リーグはセ・リーグに先駆けてタイトルを完全撤廃せよ」とか声を大にして主張していた気がしますねぇ。そんな人が、こんなネタをやっていると言うのは、一体、どういう事なのでしょう? ここで、当サイトは、幾つかの仮説を立ててみました。1.こんなネタは不本意なのだが、他にネタがないんで仕方なくやっている。2.こういうタイトル争いなら許せると言う意味で描いている。3.某誌での発言はあくまでリップサービスで真っ赤な嘘。4.某誌での発言を後悔して、お詫びの意味で描いている。5.色々な所で全く違う主張を見せ、世間を攪乱して楽しんでいる。6.某誌での発言で怒らせた読者を更に怒らせる為の挑発行為。7.実は、どちらかが影武者である・・・・、まだまだ説はありますが、キリがないので、この辺で打ち止めにしておきましょう。本人に聞いたら、悠然と、2.と答えそうですが、実情は、1.くさい気がしますねぇ。だと、漫画を描いている方が影武者だとすれば、「なにっ!? 水島氏が落ちぶれた訳ではないのか!?」とも考えられるのですが、そんなモンに金を払わせているのだから、許し難い事に変わりありません。最近の傲慢ぶりからすると、5.6.辺りも十分ありえますね。まぁ、絶対ありえなさそうなのが、4.ですね。皆さんは、どう思いますか? おっと、話が逸れてしまいましたね。レビューに戻りましょう…。この日、ダイエーは、最終戦なので、男・岩鬼が山田をリード出来ないと、山田のホームラン王が確定してしまう。ファンは、醜い敬遠争いになるのでは?と心配していたが、「マグワイアとソーサのぶつかり合いを見せられたのだから、そんな事にはならん」と、当サイトが水島8箇条を批判した時に書いた事と似た様な主張をして、真っ向勝負を期待。更に、「どっちがマグワイアなんだ」「風格からいって山田だろ」「じゃ、岩鬼がソーサって事で、岩鬼の負けだな」などど、戯言が飛び交う。どう考えても、引っ張り専門の荒くれ選手マグワイア・タイプが男・岩鬼広角打法の人当たりのいいソーサ・タイプが山田だと思うのだが、一体、どういう認識で、そうなってしまうのだ? かくして試合は始まった。西武の先発は新谷。2度と同じ手は使わない筈の男・岩鬼に対して、相変わらず、コンタクト作戦を仕掛けているか否かでびびっている山田。とりあえず、コンタクトなしと読んでど真ん中を要求したが、この読みは大ハズレで、男・岩鬼は、軽々とスタンドへ40号ホーマーを放ち、山田を一歩リード。コンタクト作戦、これで、何回目じゃい、岩鬼よ! 2度は使わないが3度以上は使う、とか言うひどいオチなのか!? 一方、ダイエー先発の武田は、山田に対して、ボール球を3つ続けて、ノースリー。敬遠と睨んだ西武ファンの大ブーイングの嵐の中、山田は「わざとボールにしている訳ではありません。勝負しに来てボール球になっているだけです。対戦している僕には分かります。冷静に応援して下さい」とマイクパフォーマンスをやらかすと、単純なファンは一斉に納得して、静かになった。このパフォーマンスですっかり山田に丸め込まれた武田は、嘘か真か「敬遠と見せておいて、ノースリーから勝負する気だった」とほざいて、山田の狙い通りあからさまなストライクを投じてしまい、あっさりとスタンドへ持っていかれたのだった。プロ入り後、賭博師の下で、年々腹黒くなっていると言われている山田の詐欺師野球が炸裂し、ホームラン数は、両者40本となり、キング争いは、再び振り出しに戻るのだった。さて、来週は、球場がひっくり返る程、とんでもない事が起こるらしい。一体、とんでもない事とは!? 流石に、これは、読めないですねぇ。山田がホームインした後で、ドドドドドドと球場が湧いたと言う事は、ダイエーが何か仕掛けたのか!? 山田のキング阻止に燃える小次郎が緊急リリーフ登板の為にブルペンへ…なんて程度では、別に、とんでもない事ではありませんしねぇ。殿馬がグリーンスタジアムで4ホーマー打って、オーロラビジョンに速報が出たとか…、おお、これは、とんでもない事だ! んな訳ありませんね。