語り手:空手野郎バーフィールド(バ)、寿司職人グラッデン(グ)

「最近、さぼりまくっとりましたね、このコーナー」
「謎ネタとして成立しない投稿とか、礼儀知らずの投稿とかが多かったのも原因なんやけど…」
「まぁ、最大の原因は、我々の怠慢ですな。いやぁ、面目ありません」
「我々も、私生活が色々と忙しいさかい、許したってや」
「では、そろそろ今回のネタいきますか」
「そうでんな」
「一発カンタさんからのお便りです」

はじめまして。初めて訪れたのですが、とても面白いページですね。ゲラゲラ笑ってしまいました。さて,質問ですが,山田らが3年生の選抜で,東郷学園が選ばれず,無惨の1回コールド負けを喫した日光学園が選ばれたのは何故でしょう? 暴力事件でもあったのならいざ知らず,その様な描写は見られません。「ドカベン」の中でも,最も納得の行かない行為の一つです。どうか,小林ファンの私の無念を晴らして下さい。お願いします。

「同様の投稿が、他の方からも何通か来ております」
「今迄と違って(笑)、まっとうな謎ですな」
「とりあえず、手持ちのデータと言うと、毎年江川学院の壁に阻まれていた栃木2位の日光学園は、関東大会1回戦が3−1(対筑波山)、2回戦が2−1(対信国)と小差で勝ち進み、準決勝で明訓に0−11の初回コールド負け
「東郷学園は、1回戦が小林の逆転3ランで3−2(青田商)と勝ち、2回戦ではカミソリシュートの平手を擁する大利根を簡単に下して、準決勝で下尾に1−2とサヨナラ負けと言った所ですか」
「東郷対大利根は、ちょっと見てみたかったですよねぇ」
「でも、東郷が、簡単に勝ったとか言う話ですから、平手は、例の謎の病気(笑)で、既に、欠場していたんとちゃいますか」
「そうかもしれませんね。平手に期待していた人は、結構多かったと思うんですが、実に残念です」
「おっと、話がズレてしまいましたな。本題に戻りやしょう」
「日光が選ばれた事に対して不満が挙がる最大原因と言うのは、明訓戦でのコールド負けに尽きる訳ですが、選抜の選考基準が、準決勝の内容、それのみで判断しているかと言うと、そうではない筈なんですよ。対戦相手も、下尾と明訓では格が違い過ぎるので、準決勝の内容も単純に比較していいものでもないかと…。それに、ちょっとした事で、流れが傾いてしまうのが、一発勝負の高校野球ですから…」
「ちょっとした事と言うと、日光対明訓戦では、火野が、天才児・殿馬に20球粘られた挙げ句にヒットされてからおかしくなった、と言うアレやね」
「1、2回戦のデータからしても分かりますが、マスコミの評価通り、本来、火野は、それなりに好投手の筈なんです。それが、ちょっとリズムを崩されただけで、こうもゲームが壊れてしまうと言う、一発勝負の怖さが出た典型的なパターンだった訳ですね」
「3位決定戦とかあれば、すっきりしたんでしょうけどね」
「そうですね。仮に、やったとして、一見、有利そうな東郷が、果たして、100%勝てるか、と言うと、そんな事は言いきれない訳です。東郷は、ナックルやサイドスローなど、下手に切り札の出し惜しみをして、仁狙いなどにこだわったが為に、総合力で劣っていそうな下尾にむざむざ負けたと言う例もある訳ですし…」
「そう言えば、東郷が敗れた時、大会委員が小林のナックルを話題にして『もう1度見たいタマだ』と言っていたのは、どうなったのでしょう?」
「小林も言っていたじゃないですか。『だから選ぶと言うのか。そんな計算して投げたタマじゃないぞ』と…。要するに、選考基準の決め手にはならなかったと言う事ですよ」
一選手個人が見たいと言う理由だけでは選べない、と言うのは、確かに真理ですな」
「まぁ、比較的、説得力のある説を申し上げますと、神奈川から2校選ぶよりは、色々な県から出した方がいい、と言う意見が強かった可能性ですね」
「実際、この選抜大会、関東からたった3校と言うのが、そもそもおかしくないですか? そのくせ、東京から2校も出ていたりして…」
「いや、それは、恐らく、連載当時は、そうだったんじゃないですか。1年の時の選抜など、江川学院が関東大会に出ていない訳ですけど、あの当時は、栃木は関東大会に参加してなかった、とか言う話も聞いた事がありますよ」
「そうやったんですか。それは初耳ですわ」
「ともかく、日光が選ばれる可能性を示唆する事は出来ても、日光が選ばれた決定的な理由と言うのは挙げようがありません。あえて言うならば『選考委員の査定による出場など、どこが嬉しい! そんな事だから負けるんだ』と小林が言っていた通り、東郷ナインの心の弱さを選考委員が見抜いていたと…。自分達が選ばれるに決まってるとタカをくくって、呑気にTV観戦とかしてましたからねぇ、彼らは…」
「むぅ、選手の精神面にまで調査を進めているとは、恐るべし、選考委員会!(笑)。一発カンタさん、小林はともかく、他の東郷ナインの甘さを恨んで下さい(^^;)」
「ああ、今回も苦しいオチでしたな。水島新司が心情的に日光学園を出してやりたかったとか、単に、読者の意表をつきたかっただけとか、たまには、そういう結論でサッサと終わらせたいですね」
「『水島新司が〜』とか言うオチで、9割方の謎は解けてしまいそうやからねぇ(^^;)」
「ところで、東郷を差し置いて、選抜に出場した日光学園ですが、結局、石垣島ごときに1回戦負けしてるんですよね」
「選んだ甲斐が全然あらへんかったね。結局、東郷対明訓は最後まで実現しなかったし、ドラマ的にも感動を呼んだのは日光が選ばれた時のみで、その後には、まるで好影響を及ぼさないエピソードやったね」
そんな先の事を水島氏が考えている訳ないじゃないですか」
「おっと、それはタブーでんがな」
「そ…、そうでしたね。それでは、今回は、これにて終了! 皆さんのまたの投稿をお待ちしています」