水島新司、またも大暴走!
「オレにパ・リーグの会長をやらせろ!」
(週刊「プレイボーイ」2004年2月24日号)

バックナンバー:水島新司、大暴走! 「パ・リーグ復興プラン8箇条」


●今夜の松井さん,鈴木一朗は裏切り者!

「日本で育った大選手をメジャーに持っていかれるってのは、日本球界の将来を見たら間違いなくピンチですよ。で、実際、活躍できてますし、スゴイ額の年俸もらってますからドンドン行っちゃいますよ。でも、言い方は悪いけど私にとっては今夜の松井さんも鈴木一朗も裏切りモンなんでね(笑)。ホントにね、行っちゃダメですよ」


有力選手が海外へ流出するのは、確かに日本球界の危機。安穏と見過ごしてはいけない問題ではあるものの、「裏切り者」呼ばわりかよ! よりにもよって、野球漫画の第一人者がマスコミを通して、こういう事を言ってしまうとは…。鎖国政策を敷き続ける水島氏にとって、国外亡命を図る奴は「売国奴」と言っても過言ではないのだろう。思えば、松井さんは亡命時に「裏切り者と言われても仕方ないが…」なんて事を言っていた。自らの夢を叶える為に選択しただけなのに、ああいう風に申し訳なさそうな会見になってしまったのは、水島氏の様に心ない事を平気で言う奴がいるからであり…。そう言えば、福留(中日)が近鉄入りを拒否した時も「裏切り者。絶対に許さない」とか言うとったなぁ。そんなにパ・リーグが大事なら、もっと実在のパ・リーグ選手を大切に扱えよ!


●「ドカパロSS」誕生秘話

「そうした場合に私に何ができるかっていえば、もう一度、面白い野球マンガを描くことだって思うんです。そんな時にちょうど『パロ野球編』が丸9年経ってね。1年目から山田たち全員が活躍してるという設定だと全員FAになるわけですよ。(中略)思い切ってFAを使おう。そして、かつての明訓高校のメンバーを一堂に会させようって。(中略)多分、読者の多くは、去年、山田たちがFA宣言するかどうかの頃、次は『ドカベン〜メジャーリーグ編』になるって予想したと思うんだよね。実はそれも考えたんだけど、一か八か、もう一度明訓をプロ野球の中でそろえてみようって。そのためにひとつ、全員をメジャー指向にさせつつメジャーへの抵抗をさせたんです


描けるものなら描いて貰おうじゃないの、もう一度「面白い野球マンガ」。みんな、恐らく無理だろうと諦めつつも、そうなる事を望んでやまないのだから…。掲示板では再三再四触れているが、1年目も2年目も二軍に落ちている里中はFA権を取得していない。ニセ知三郎をああやって強権発動により移籍させたんだから、里中もFA権持ってなくてもああすりゃ良かった話だろ! 最近の読者はともかく、ずっと読んできた人間なら、「メジャー編」になると予想する方がどうかしている。自分がどういう志向で描いてきたかを読者がどう捉えているのかと言う認識があまりにも欠落していると言っていいだろう。新球団発足の為だか知らんが、山田らFA組は全員、水島氏曰く「裏切り者」に仕立てられた訳だ。翻意して、メジャー行きを辞めたとは言え、結局、連中は日本球界の為に残った訳ではないし…。


●崖渕総裁は水島氏の分身!

「現実のコミッショナーを出してたんじゃ私もやりにくいし。ってことで、その上に総裁って人を作った。今のコミッショナーと違って『オレが総裁のうちはオレのひと言でプロ野球を動かす』っていうような人物がいてもいいんじゃないかと。(中略)これ(崖渕総裁)は完全に私自身ですね。歴代のエライ人を見ると、野球を本当に愛する野球経験豊富なコミッショナーはいないですよ。もう、オレにパの会長をやらせろってくらいです! でも、野球に詳しい人はなれない様になってるんです」


総裁のポジションの意図は「野球狂の詩」の時と同様だろう。実際、会長やらコミッショナやらーはこれくらいの権限がないと、ただのお飾りと言えなくもない。一オーナーに過ぎないナベツネの方が遙かに偉そうだし…。だからと言って、水島氏にパ・リーグ会長やらせるのはいささか問題があろう。ただでさえ、パ・リーグを崩壊の一途に導いていると言うのに、そんな職に就かせてしまったら、パ・リーグは本当に消滅し、ナベツネの提唱する一リーグ制へまっしぐらな気がする。


●考えなしのネタバレを連発!

「開幕戦は東京と四国です。それでどっちの球場でやるかはジャンケンで決めるんです。で、四国が勝って松山でやります。(中略)とにかくこの球団を松山に定着させてファンをつかみたい。例えば、連載してる間に居酒屋『アイアンドッグス』ができるかもしれないし(笑)。それが終わったら実在のチームと何試合かやって。で、プレーオフで、最後、ココ(今季のパ・リーグ順位が書いてあるフリップを指差す=東京)が優勝でしょう。ココまでやりゃあ、優勝はもう決まってますよ!」


よりにもよって、この週の「ドカパロSS」は土井垣と小次郎のジャンケン直前で終わっている。本来なら、さぁ、どっちが勝つのか!?と言う引きになる筈なのに、こんな所でバラされてしまっては、白ける事この上ない(まぁ、元々、どっちが勝とうが、それ程、盛り上がるネタではないけれど)。更に、今季の展開まで完全暴露。今までは編集部側から順位に関しては史実を曲げない様に(ゲーム差はいじっても可)…と言う検閲が入っていたが、新球団発足でその辺はどうなるのか?と注目されていた部分をあっさり明かしてしまった。しかも、東京が優勝かよ! 選手層もスタッフ層も限りなく薄く、ちょっとでも故障者が発生したら先発ローテやレギュラーもまともに組めなくなるチームでも簡単に優勝してしまう訳だ。実在選手など足許にも及ばないくらい、俺のキャラ達は凄いんだぜ!って展開な訳だ。寒過ぎる! こんな寒いネタを開幕前にバラされてしまっては、どうせ東京が優勝なんだろ…と冷めた目でしか読めないではないか。ただでさえ経過が希薄な内容なのに、最終結果をバラすなんて自殺行為ではなかろうか。


●メジャーへの無関心ぶりは筋金入り!

実は私、メジャーにホント興味ないんです。テレビでチラッと観るくらい。海外に行ったこと自体も一度もない。飛行機大キライですから。松山までも電車で行きましたし(笑)。[飛行機嫌いなキャラがいたら遠征の時は憂鬱で成績悪くなったり。山田もそんなキャラの感じが……と言う編集部のフリに]山田、それでもいいな!(笑)。もらい!


「実は」も何も、徹底した鎖国政策を執り続ける水島氏がメジャーに全く興味がない事など、最早、周知の事実。こんな人が「メジャー編」なんて描く訳がない。FA組がとってつけた様に憧れのメジャー選手とか挙げとったけど、あれも聞きかじりの知識でどんな選手かなんてロクに知らないんだろうな。それにしても、山田の飛行機嫌いネタなんて、10年目で出されてもなぁ。今まで散々飛行機乗ってるだろ! 福岡ドームでも札幌ドームでも普通にプレーしとったやんけ! 悪い事は言わんから、そういうネタは新キャラか復活キャラにしておけ!


●山田が長屋暮らしを続ける訳

マンションとか新築の家に住まわすわけにはいかないんですよ。コイツのイメージは長屋なんです! それに、自家用車も持ってないですからね。あれが自分の家を建てたり車を買ったりするとキャラのイメージが壊れるんです。だから、山田はズーッと長屋なんですよ(笑)」


イメージが崩れるのは分かる。根っからの貧乏性な山田は確かにあの家が似合う。しかし、億単位の金を毎年稼いでいるのは誰の目にも明らか。その金の使い道を少しも描写しないから、いらぬツッコミをされまくる事になるのだ。ビデオすら買わずに、手作りパラパラ連続写真でフォームを研究しとるくらいやし、トレーニング施設なんてのも設けてる様子はなし。全く使わずにただひたすらに無駄金を貯め込んでいるだけなのか? あの生活であの年俸なら、貯金額は軽く10億を超えている筈。せめて、億単位の寄付をしまくってるとか、年間シートをごっそり買い漁って孤児達を無料で招待しまくっているとか、カスリでもいいから描いておけばいいものを…。


●どうせ岩鬼とサチ子の結婚は既定路線やろ!

「山田も恋人もいるし、そろそろ(結婚させる)。それに、今年のオフってわけにはいかないけど、来年のオフくらいにはサチ子は結婚だろうな。(岩鬼か里中か)迷ってるよねぇ〜(笑)。今度、里中は山田の家の近くに引っ越してくるから、そうするとサチ子が里中の病弱なお母さんの看病できます。そうすっとね、情が移る。となるとね、やっぱ、里中かな〜って思っちゃうんだけど(笑)。でもね、誰になるかにかかわらずドカベンの連中の最初の結婚式は頭っからて〜いねいに描いていくよ。式、披露宴、友人の挨拶、そうすると4週間はかかるかな(笑)。結婚式はそのくらいキチーっとやりますよ!


遙の事は一応、覚えてはいたのか。しかし、もう何年も出てないよな。今からでもいいから、小林真司とセットで小林稔子を出してくれよ! こっちの方がよっぽど、ドラマチックや。サチ子の相手については読者を攪乱したい様だが、岩鬼である事はバレバレなので、一喜一憂するのは感情の浪費である。そもそも、突然極まりない政略結婚と言う酷い手口で夏子はんとの仲を無惨に引き裂いた以上、岩鬼とくっつく展開でなければ納得出来ない。岩鬼に山田を「兄貴」と呼ばせて完結させる構想はまだ生きているのかのぅ。この口ぶりでは、結婚しても、まだまだ続きそうで鬱だ。里中はまぁ、小林稔子の友人・由美でもあてがっておけばよろし(一部の不知火×里中推進派に刺されそうやが、幾ら何でも水島漫画では叶わぬ夢でヤンスよ)。個人的に一番気になるのは殿馬の相手だが、全く想像がつかん! 私生活自体、あまりにも謎過ぎる! 結局の所、一生、独身かもな。それにしても、結婚式、4週間も見たくねぇ〜。それで連載が終わるんなら諦めもつくけれど…。


●高校野球漫画への再挑戦

「(『ドカパロSS』,『あぶさん』,『野球狂』の)ひとつでも終われるものがあれば、実はもう1回、高校野球を描いてみたいとは思ってる」


図らずも、「野球狂」が打ち切り。インタビューが打ち切り決定前なのだとすると、えらい緊急措置で打ち切り食らったんだな。高校野球漫画連載はヘタレプロ野球漫画ばかり読まされ続けてきたせいで、長年、待望していた事なので、この展開は何とも喜ばしい。しかし、ここでヘタレ高校野球漫画を描いてしまったら、流石に、水島氏の復活する可能性は絶たれるも同然な訳だが…。下手に遊ばずに正当派で長期連載に耐えうる内容のものを期待したい所だ。


●衰えた迫力はアシスタントのせいではなかった!

全部(自分ペンを入れて)描いてますよ。背景とかはさすがにアシスタントに任せますけど。キャラクターを自分で描かなかったらマンガ描いてる意味ないです! 顔だけや下描きだけってのは信じられない。だから、ボクは原作モノはやらないんです。人の作った話じゃ自分のキャラは動かない。原作頼んだら岩鬼とか殿馬は生まれてこなかったんですよ。回想シーンをコピーですませたことないですよ。全部新しく描いてます。コピーベタベタ貼って原稿料もらいにくいじゃないですか(笑)。今の量は楽です。仕事の間に草野球も年間140試合やってますし。(中略)やっぱり1年でもやめたら体が動いてくれないと思うから。(裏切り者の)鈴木一朗がいいこと言ってるじゃないですか。『継続は力』って。野球やりながら、46年間、一回も連載休んでないし。机の上でペンを握りながら死にたいね(笑)」


近年の水島作品の絵から、すっかり迫力が消え失せているのはアシスタントに任せまくっているからだと思っていた。年間140試合やってて、3本もの週刊連載を自力で描ききれるのか?と言う物理的な疑問もあった訳だが、もし、これらを本当に自分で描いているのだとすると、やはり、水島氏自身がもうかつての様な迫力ある絵は描けなくなっていると言う事実に直結する事になる。むしろ、アシスタントに任せまくっている以上にショッキングだと言っていい。原作モノはやらない…って、出世作とも言える『男どアホウ甲子園』は? まぁ、あれは元の読み切りは水島氏の作品で、連載が決まって行き詰まってる所を佐々木守が引き継いで話を書いた訳だけど…。大元の設定を自分で考えて、あとの話は書いて貰う形式で苦がない…って言うなら、今も1本くらいはその方法でやってみる価値はあるんじゃなかろうか。少なくとも、使い古しネタ,スカシネタが殆どなくなるのは確実な訳で…。


●恒例行事「弁慶戦バッシング」またも炸裂!

「時にリアルに走る時があるんですよ。だから、高校野球編の時に明訓が弁慶高校に負けたこと、アレは本当に未だに悔やんでいるんです。明訓は絶対に全勝であるべきだった!」


またもや出た明訓初黒星の悔恨コメント。伝説の一戦を作者自らバッシングしまくるのはもう勘弁してくれ。また、幾ら後悔しているからと言って、その後の武蔵坊や義経に対して、八つ当たりするかの様にシメまくるのも何とかして欲しい。いつも、ただ負けた事そのものに難癖をつけているけれど、あれは弁慶高校の存在自体を否定しているのか、あの試合で明訓を勝たせれば良かったと思っているのか、その辺も聞きたいものだが…。元々、武蔵坊と義経は明訓を敗るキャラとして生まれた訳だし、弁慶が1回戦で土佐丸を下し、2回戦で明訓に当たった事を考えても、明訓の敗北はかなり前からの既定路線だった事が読み取れる。それを考えると、やはり、弁慶高校を生み出した事を後悔していると解釈する方が自然だろうか。急遽、路線変更で明訓が勝ったとしても、弁慶も土佐丸も早々と消えたあの大会のその後は、さして盛り上がらなかっただろうしなぁ


●怒涛の開き直り! チョンボのせいで面白くなった「ドカベン」!

「(『ドカパロSS』で山岡が右利きで描かれた事について)たまに間違っちゃうんだよ(笑)。でも、こういう所がないとダメ! だから、この山岡の間違いはホントに納めてから気がついた。アシスタントも編集も全員気がつかない。コミックスで直ってますよ(笑)。私なんか間違いだらけですよ(笑)。先週と今週でスコアボードの得点が合ってないんですから。そうすると、その得点シーンを急遽、回想に入れるんです。その結果、予定してた試合経過がまったく変わってくる。だから私自身も先がまったく読めないんです。間違ったおかげで面白くなったっていう作品なんですよ、『ドカベン』は(笑)。でも、その逆転ができるかできないかが作者の力量なんですよ。だから、しまった〜って悩むことはないんです。よし、コレを何とかしてやろうって。なにが起こるかわからないんですよ、野球は(笑)。本当にまったく筋書きのないドラマですよ」


開き直りもここまでくると大したものだ。しかし、山岡のミスは本誌では逆転不可能だろ(笑)。まさか、その後、山田に「山岡さんって、左利きでしたっけ。10年も会ってないから勘違いしてましたよ」とか言わせる訳にもいくまい。逆転できるかどうかが作者の力量…って、逆転できなかったミスも数えきれない程ある訳で、それは自らに力量がない事を告白してるって事になりはしないか? この後、これまた耳にタコが出来る程、聞かされている「凡退のつもりで描いたフォームがよく描けたからホームランにした」の話も出るが、たまには具体例を示して欲しい。作者自らが惚れ惚れする様な出来映えのフォームとはいかなるものなのか? また凡退させようと思っていたシーンとはどこだったのか? そういう話の方が気になるのだが…


●「ドカパロ」はいつまで続くのか?

もうそろそろ終わりにしてくださいって言われる時か、もしくは絶筆の時でしょうね。『ドカベン』の続編『大甲子園』を描いて、描ききったつもりだったんです。で、その後、8年間やらなかった。でも、8年目に破戒僧・清原のひと言があったんですよ。『ドカベン』の文庫版の取材で破戒僧・清原に会った時に『なんで山田、プロに来ないんスか?』って。そこで脳天打たれたっていうか(笑)。で、山田の西武入りは破戒僧・清原の希望なんですよ。破戒僧・清原は山田が入ったら4番は山田に譲ると。譲るはずですよ。自分は巨人に行っちゃって(笑)。同じ取材で(裏切り者の)鈴木一朗に会った時も、鈴木一朗も大歓迎してくれて殿馬は絶対にオリックスに入れてくれって」


やはり、岩鬼とサチ子がくっついても終わりそうもない。過去の偉業に泥を塗るだけのヘタレ漫画な事は明白なのだし、いい加減、「チャンピオン」編集部も肩を叩いてやれよ。折角、言われたら辞めるって言うとるんやから…。破戒僧・清原もまさか『ドカパロ』があんなヘタレ漫画になるとは思わんかったんだろうな。山田は腹黒さを増す一方で、実在選手は自分も含めて、シメられっぱなし。こんな山田に4番を奪われる屈辱を味わうくらいなら、自らパ・リーグを脱出するしかないと…。首位打者の座に君臨し続けた事で「おかげでいつまで経っても山田を三冠王に出来んやないけ!」とばかりにシメられた鈴木一朗が国外脱出の道を選んだのも同様だろう。ついでに言えば、今夜の松井さんもオールスターでは必ずシメられていたっけな。たまに打たせて貰っても、実在選手相手だし…。


●水島新司版2004年パ・リーグ順位予想

1.東京スーパースターズ
2.四国アイアンドッグス
3.福岡ダイエーホークス
4.西武ライオンズ
5.千葉ロッテマリーンズ
6.大阪近鉄バファローズ
7.北海道日本ハムファイターズ
8.オリックスブルーウェーブ


東京,四国のワンツーフィニッシュと言う非常に萎える予想。予想と言うか、今後の「ドカパロSS」の予告だ。辛うじて3位に食い込んだ実在球団も、所詮、四国の引き立て役に回される訳だ。まさか、来年以降もこんな展開が毎年毎年続いてしまうんだろうか。実在球団が史実でいかにぶっちぎり優勝を決めた所で、架空球団にシメ倒される図式が早くも決定事項。こんな事でパ・リーグの復興など果たせる筈がない!