劇伴倶楽部 公開記念座談会

気がついたら そこに音楽があった

('98/2/21)

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参加者
腹巻猫。劇伴倶楽部の主。60年代前半生まれ。
miomio。大杉久美子ホームページ主催者。70年代前半生まれ。
にゃろんぱす。菊池俊輔ホームページの野望を持つ。70年代前半生まれ。


みなさん、なんでこの道に入ったかを告白してください。
mio この道って…。
なんではまったか。
はまったとかじゃなくて、気づいたら見ていたんですね。
mio 生活の一部。
そう。「マジンガーZ」とか「ゴレンジャー」が生活の一部になっていた。
ふつう卒業するじゃないですか。小学校入って一度。私はそれがなかった。
mio 私は高校入って一時見なくなってました。
ぼくの場合は、完全に特撮もののせいです。最初は「ウルトラQ」「マグマ大使」「ウルトラマン」。

最初に見た記憶にある番組はなんでしょう? 再放送じゃなくて。
mio 「フランダースの犬」かな。
「ゲッターロボG」見てましたね。「ライディーン」とか。「コンバトラーV」は強烈でしたね。
あ、それはもうだめですね。「コンバトラー」見ると。70年代中頃はアニメの黄金時代ですね。
mio 「ポールのミラクル大作戦」初回から見ました。
「キャンディキャンディ」忘れちゃいけませんね。これは、もうバリバリです。「ヤッターマン」とかも。
「コンバトラー」が6:00-6:30、それから、ご飯食べたりして、7:30-8:00まで「ヤッターマン」見て、8:00から「全員集合」見て、9:00から「Gメン」見て、10:00から「ウィークエンダー」見てたんですよ。イヤなガキ。
子どもはけっこう9時台の番組見ますよね。小学生だったのに「プレイガール」とか見ていた記憶がある。「キイハンター」とか。
mio うちは11時まで起きていたら絶対怒られてました。
ガンダムのときは、プラモ買いあさってましたよ。でも、80年代後半になると、テレビ、ぱっとしないですよね。何やってるんだか。「マ○ンロボ」とかね。
アニメバブルの時代と呼ばれていて、ただごとじゃない本数が放送されてたけど。
その割には印象が薄い。
mio もう戻れないと思ったのは「ジェットマン」かもしれない。
なるほどー。
高校入って何年か、ほとんど見なくなっていたのが、「ジェットマン」でかじりついて見てた。
全部ビデオ録りました。
ちっちゃい子のお母さんがどっぷりはまっちゃったとか。やっぱり三角関係のゆくえにはまったんですかね。
mio タイトルもすごかった。
「俺にほれろ!」とか。
mio 「泥んこの恋」とか。「カップめん」ていうのも笑いました。(^o^)
よかったなあ。「♪食べ〜てみたいなアコちゃん」。
CDが出たときもすごかったですね。あの作曲って若松俊秀(結城凱=ブラック・コンドル役)さんなんですよね。
(以下ジェットマンで盛り上がるも、本題に関係ないのでカット)

最初に自分で買ったレコードって覚えてます?
「ルパン三世」です。カセット買ったんです。探したんですよ、テーマ曲欲しくて。
mio 最初に印象に残ってるのは、「ミンキーモモ」ですね。買い集めるようになったのはごく最近です。
ぼくは「ヤマト」かな。
王道パターンですね。
うちは音楽的な家庭じゃなくて、ポータブルプレーヤーで、「ウルトラセブン」とか親に買ってもらったのを聞いてました。
ソノシートってありましたよね。
そう! 怪獣図鑑とか買うと付録に付いてくる。「ウルトラQ」のテーマ曲(インストの方)が入ってるのを持っててね。
ソノシートって、いまは、作る会社がないとか。
ソノシートは、あんまりいいプレーヤーだと聞けないらしいんです。ポータブル・プレーヤーとかじゃないと。
mio 雑誌のおまけとかあった気がする。
学年雑誌に付いてくるんですよ。小学○年生とかに。
そうそう。「ジャッカー電撃隊」のが付いてきて、聞いてました。
「佐武と市」とか「ドカチン」とか、ソノシートで聞きました。「ウメボシ殿下」も。昔のまんがの歌って、ほとんどソノシートで聞きましたね。
レコードっていつくらいからですか。
テレビマンガのレコード自体は60年代から出てるんですけど、レコードの方が一般的になるのは70年代くらいから。
やっぱりコロムビアなんですかねえ。
コロムビアのSCSシリーズ(EPの型番)っていうのが、そういうマンガの歌をちゃんと出そうとして出した最初じゃないですか。
当時のコロムビア学芸部にいた木村(英俊)さんていうディレクター(学芸部長・プロデューサー)が、アニメの歌はこういう曲で、こういう歌い方で、っていうパターンを作ったんですよ。
ミッチとか育てたのが木村さんですよね。
そうそう。だから、70年代のアニメの歌を作ったのは、コロムビアの木村ディレクターといってもいい。
(以下、コロムビアの最近の仕事について盛り上がるも、紙数の都合によりカット)
いまだにソノシートでしかオリジナルが手に入らない曲が多いんですよ。昔、コロムビアが、朝日ソノラマのソノシートを復刻したレコード・セットをシリーズで出して、CDにもなってたんだけど、もう廃盤なんです。いま出したら買う人いると思うんだけどな。
ぜったい売れますよ。

ふつうの音楽も聞きますか?
mio 最初のころは聞いてました。斉藤由貴とか。
斉藤由貴はうちにも全部あります。(^o^)
一通り聞きますよ。ベストテンに入るようなものは。歌えるように。
mio たまたま耳に入るのくらいしか知らないです。アニメとか集め始める前は、ゲーム・ミュージックばかり聞いてました。
おお。
アニメの歌と普通の歌っていうのは、別のものとして集めてます。自分の中では別の範疇なんですね。
どうして、菊池俊輔を集め始めたんでしょう。
いつの間にか。どうしてって、言われても。なぜか好きなんですよ。
なんか、受け付ける曲と受け付けない曲ってあるじゃないですか。
あるある。
もともと東映よりの人間なんで、東映というと、宙明さんと菊池さんですよね。菊池さんの曲の方が、私には頭に残ってるんです。
菊池さんの曲は「ぼくにも作れそう」っていう印象があるよね。子どもが自然に歌えるっていうかね。
歌いやすいですよね。宙明さんの曲は難しいですよね。
小学生に歌詞を渡して「歌ってごらん」って言ったら、ああいう曲ができそうな気がする。
そうそう! そこがいいんですよ。

mioさんは、なんで大杉久美子さんなんですか。
mio やはり、名作アニメでしょう。それと「ポールのミラクル大作戦」ですかね。
意識して集め始めたきっかけっていうのは。
mio 最初に買ったのは「続々・アニメ主題歌のあゆみ」なんです。
CDの方ですね(注:'80年にレコードでも発売されていた)。
mio そう、最近なんです。集め始めたら、全然CDで出ていないのがあるということも最近知った。
どっちがいいんでしょうかね。集めきれないのと、あまりないのと。
それは、難しい…。
mio 達成感からすると、あまりない方がいいような気もしますが。
でも、むなしさもありますよね。
mio 山は高い方が登りがいがあるという…。
私が最初に意識して買った菊池さんのレコードは、「仮面ライダー」のBGM集('84-'85)なんです。あのころ、中学生で。
ほお。(注:音盤にめぐまれて、うらやましいと思っている)
あと、「特撮ヒーロー・サウンド・グラフィティ」。
5枚シリーズのやつ。やっぱりタイミングがあるんだな、集め始めと、ほしいレコードが出る時期と。

猫さんは。
ぼくはもともと特撮ファンで、「帰ってきたウルトラマン」のワンダバ・テーマが最初に印象に残った音楽で、「ヤマト」からアニメをちゃんと見始めたんです。
アニメの音楽がレコードになり始めたのが「ヤマト」からなんですよね。映画になったときに「交響組曲」が発売されて、予約して買いました。その同時期に、キングから「サウンド・ウルトラマン」というのが出て、それにワンダバのテーマが入っていたんです。
私のワンダバの初体験は「80」ですよ。
ははは。(^-^;)
のちになってCD探しました。
昔は、BGMがレコードになるなんてことは考えられなかったんですよ。ウルトラシリーズのBGMがレコードで聞けるようになったときは大感激して。
あのキングのシリーズは、型番とジャケットを変えて再発売されてるんですけど、再発盤も全部買ったし。いまでも、ウルトラシリーズのBGMは出るたびに買ってしまう。
「ダイナ」のワンダバはどうですか。
いいんじゃないですか。作曲家が変わっても受け継がれていく伝統。
あのワンダバの曲だけは佐橋俊彦さんなんですよね。
「ウルトラマン・パワード」の人ですね。佐橋俊彦も小さい頃「サンダーバード」とか「ウルトラセブン」とかを聞いて育って、自分でもこういうのを書きたいと思うようになった、と言ってます。
最近のアニメ、特撮ではそういう人が進出してますよね。
mio その方が安心感はあります。
ツボは押さえてくれるという。
田中公平とか。
スゴイですよね。

すごい好きだけど手に入らないものってあります?
山のようにある。菊池さんのドラマの方の音楽。大映系とか。「レッドタイガー」見たいです。再放送しないかな。
mio 見れないのが「マシンマン」「バイクロッサー」とか。
「ルーベンカイザー」も見たいです。
(注:濃いです。ついてこれない人、スイマせん)
東映ビデオは、まだ出し惜しみしてますよね。女の子向けを中心に。「魔女っ子シリーズ」出せばいいのに。
なんで出さないんでしょうね! 最近再放送もないし。地方局の方が再放送してくれるんですよ。
あと、もう一度見たいのが70年代スポ根もの。「柔道一直線」「サインはV」「金メダルへのターン」とか。
(以下えんえんと、もう一度見たい番組の話になるが、紙数の都合で略)

中古盤だと必ずシングル盤の方が高いんですよ。
ああいうのって、なにを基準につけてるんですかね。
需要と供給によるんです。この値段なら買う人がいるという。
mio 店長さんの経験と勘。
200〜300円のものもあれば、0が一個違うのもあるし。
mio 5桁になるのもありますよ。
ああいうものの値段のつけ方にもコツがあって、かえって安いと売れないものらしい。
中古レコードの値段はさほど値上がりしてないんです。ぼくの学生時代とたいして変わらない。買う人がいないんでしょうね。プレーヤー持ってる人ってもう少ないし。
なんかめんどくさいじゃないですか、レコードって。
いや、レコードはそこがいいんです。レコードの方が音がいいですよ。
ああ、クラシックはレコードの方が強いっていいますね。
ジャズなんかもね。
CDは、人間の耳に聞こえない音はカットされてるんですけど、レコードは聞こえない音も入ってるんです。あと、30cmLPのジャケットがいい。洋画サントラのイラストのやつとかね。CDになると、あの楽しみがなくって。
そういえば、音楽に興味持ったのって映画音楽の影響が大きいですよね。「グーニーズ」とか「ET」とか、サントラ聞いてました。
映画音楽も「スターウォーズ」から原点回帰しましたね。
ぼくが小学生のころ映画音楽がブームで、NHK-FMで関光夫さんの映画音楽の番組を毎週やってたんです。それを聞いてサントラ・ファンになった。エンニオ・モリコーネなんかを知ったのも、そのおかげで。
mio 実は「スターウォーズ」を見たのは、公開後10年たってからでした。知人に勧められてビデオで。
最初に見た映画で覚えているのは、「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」。自分で行くようになったのは、「ヤマト」からです。
mio ひとりで映画見にいったことないんです。
「極妻」とか見に行くとき、人誘えないですよ。趣味を疑われる。でも、映画はやっぱり劇場で見た方がいいですよね。
それは、絶対にね。
一時期映画音楽って下火になってたんですけど、ここ数年、海外でも映画音楽がブームで、日本でも、昔の映画のサントラがぞくぞく出てるんです。もう、集めきれないくらい。
80年代に伊福部昭が再評価されたのは、特撮映画を見て育った世代が盛り上げたんですけど、いまは、テレビの音楽を聞いて育った世代が同じような位置にいるんで、菊池俊輔とか山下毅雄とか、テレビで活躍した人のサントラ盤がぞくぞく出るようになればよいなあと。
SLCとかVAPとか、好きな人がやっているレーベルにがんばってほしいですね。
('98/2/21収録)


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