Soundtrack Pub mission#2

歓談タイム(1) DJ:クドウハルヲさん

[もどる]

【今回の選曲の趣旨】

 かの『Punch the Monkey!』の大ヒットに代表されるように、70年代から80年代初頭にかけての和モノ劇伴音楽は、今や「音楽作成時のサンプリングネタ」として、あるいは「ダンスフロアを沸かせる隠しアイテム」として機能してたりします。なにしろクラブで「ポケモンできるかな?」が大盛り上がりするらしいッスからねえ(汗)。

 まあ、賛否別れてるであろうそんな現状はともかく、今でも充分通用する音楽が、かつての和モノ劇伴関係に多いのは確か。先の『パチモン』の他にも、実は結構面白く愛情にあふれたカヴァーが多く存在しているわけでして。今回のDJはそのあたりに焦点を当てて選曲してみました。その名も「和モノ劇伴・異色カヴァーズ」。う〜む・・・。


【選曲リスト】

○ファンタスティック・エクスプロージョンのテーマ(日、映画)
コピー:永田一直、演奏?:ファンタスティック・エクスプロージョン

・70年代の大野雄二サントラを中心に、昭和のTV(日●テレ中心)映画(東●中心)CM(・・・)のネタを縦横無尽にブレンドしたドラムンベース(爆)を作っている異色ユニット。最近はホーンセクションを付けて「ウルトラクイズのテーマ」を演奏したり、CD冒頭のナレーションに千葉繁を起用したり、さらに劇伴と縁の深い活動を繰り広げています。これは彼らのライヴ/CDの冒頭に必ず流れるもので、角●映画のオープニング映像をまんま借用。先日、初ライヴ体験をしてきましたが、この曲のバックには、やはりあの「火の鳥」が飛んでいたのでありました(汗)。ちなみに後で登場する岸野雄一社長と縁の深い方々です。

○仁義なき戦いのテーマ(日、映画)
作曲:津島利章、演奏:東京スカパラダイスオーケストラ

・今年(2000年)になって映画『バトル・ロワイアル』でまたも話題の人になってしまった深作欣二監督。といえば、やはりこれでしょう(笑)。デビュー時からライヴで「妖怪人間ベム」をカヴァーしてたり、最新アルバムで「燃えよドラゴン」をやったり、崔洋一監督『東京デラックス』では本当に劇伴を担当してしまったスカパラですが、このカヴァーのテンションは本当に凄いです。まさしくタイトルどおりの「仁義なき音楽の戦い」。ちなみにこの演奏、深作監督公認済(笑)。

○ザ・ガードマン(日、TV)
作詞:藤川桂介、作曲:山内正、歌:遠藤賢司

・もちろん、大映テレビの原点と言うべき(なにせ主役が宇津井健だ)同名TVドラマ主題歌ですが、これに新たな命を吹き込んだのが“不滅の男”エンケン。かの『山下毅雄を斬る』でもオリジナルを凌駕する歌声で「ジャイアント・ロボ」をカヴァーしてましたが、1980年に録音されたこのカヴァーもさすがの一言。エレキをキュッキュと鳴らしているのは、その後「すみれSeptember Love」でブレイクし、何故か「夕焼けニャンニャン」にも出ていた土屋昌巳(現在イギリス在住)。アレンジは同時期にプラスチックスで活躍していた佐久間正英。作詞はその後小説家に転じた藤川桂介。オリジナルの歌唱は「電撃戦隊チェンジマン」の伊吹司令こと藤巻潤。濃いなあ。

○LIVE@1998.05.08 PART4(日、TVフィルム)
コラージュ:永田一直 演奏?:ファンタスティック・エクスプロージョン

・タイトルどおりライヴ録音なんですが、要は「N●Nニ●ース●ポット〜提供・明●製菓」と「デ●ント・スキーウェアCM」のまんまダビング(汗)。実際のライヴではその映像も流れて、それで会場が沸きまくるという・・・。ちなみに前回のライヴでは他に「大●闘マッ●ポリ●80」「大●跡」「新●線大●破」の映像も・・・(汗)。

○100発100中(日、映画)
作詞:岩谷時子、作曲:佐藤勝、歌:加藤賢崇

・オリジナルは布施明のヴォーカルなんですが、実は賢崇さん、80年代初頭からこの曲をバンド(知る人ぞ知る“東京タワーズ”!)で歌ってたらしいんですね。で、このカヴァーを含むソロアルバム『若さ、ひとりじめ』の音楽監督は、後に登場する岸野雄一社長だったと。私の後にDJをしたロビーカマタさんが「この曲好きなんですよ」と言ってくださったのが、とても嬉しかったです。感謝。

○少年マルス(日、TVアニメ「ジェッターマルス」)
作詞:伊藤アキラ、作曲:越部信義、歌と演奏:COSA NOSTRA feat.忌野清志郎

・手塚治虫トリビュートアルバム『ATOM KIDS』からの一曲ですが、これについては 以前RYO-3がこのHPに熱いレ ヴューを書いていたので、そちらをご参照下さい(笑)。クセの強い歌声(だけじゃないけど)ゆえ好き嫌い別れるイマーノさんですが、この曲についてはプラスに働いてる気がするのは私だけでしょうか。ちなみに、曲中でのフルートやアルトサックス演奏もキヨシローさんによるものです。COSA名義なのに、バンマス桜井鉄太郎のクレジットがない、という珍しいトラックでもあります。

○ルパン三世のテーマ(CKB仕様)(日、TVアニメ)
作詞:千家和也、作曲:大野雄二、歌と演奏:クレイジーケンバンド

・今回はルパン〜『パチモン』関係は選曲から避けるつもりでしたが、これだけは別ということで。おなじみTV版第2シリーズ、2回目のオープニングに使われたヴォーカル・ヴァージョンのカヴァーですが、もうオリジナル超えてます。3拍子アレンジってのがまたにくい(笑)。ところでCKBは先日12月のライヴにて、映画『白昼の襲撃』の挿入曲「スネイク・ヒップ」のカヴァー演奏をしておりました。そしてその日のゲストは野坂昭如(2回目)・・・。う〜む、昭和だ。ちなみに、このカヴァーの録音裏話が下記URLに詳しいので、宜しければお立ち寄りを。
 http://www.win.or.jp/~nos san/2000/0007.html

○GMW(日、TV「悪魔くん」)
作曲:山下毅雄、演奏:スペースポンチ

・タイトルは「Great Magic War」の略なんだそうですが、要は実写版「悪魔くん」の劇伴カヴァーです。ヤマタケ掲示板でもおなじみ岸野雄一社長はじめ、錚々たる面々による演奏ですが、なんと80年代中期の録音とのこと。「テクノラウンジ」と言える打ち込みアレンジですが、実は細部は結構原曲に忠実。オリジナル版は現在、VAP版BGM集CD1作目のトラック27「捜索C」に収録されております。

○無限に広がる大宇宙(日、TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」)
作曲:宮川泰、演奏:ポリモーグ

・このHPからもリンクされてますポリモーグさんの打ち込みアレンジ・ヴァージョン。言うまでもなくヤマト劇伴からの一曲。ポリさんのページは劇伴関係の 情報にも詳しいので、ぜひお立ち寄りを。

○宇宙戦艦ヤマト(吉村文庫二ヶ国語REMIX)(日、TVアニメ)
作詞:?、作曲:宮川泰、歌:佐々木功、リミックス:吉村文庫

・ヤマト繋がり。そして当日は佐々木功特集もあるということで選んでみたのですが、ある意味今回の選曲中、もっとも異色作かも(汗)。福岡在住の自主制作特撮映画の大家が18年前(!)に作った編集テープからのもので、全篇これ、TVマンガの主題歌音源を縦横無尽にコラージュしまくった怪作。この「ヤマト」においては3ヴァージョン無理矢理合成という怪挙。これを廻している間、会場の隅に座っていた佐々木功ファンサイトの方々がどう聴いているのか、気になってしまった私でありました。ちなみにこの編集テープ、今でもコミケットで購入可能です。

○キーハンター(非情のライセンス)(日、TV)
作曲:菊池俊輔、演奏:東京パノラママンボボーイズ

・残念ながらインスト・ヴァージョンなんですが(笑)。現在、惜しくも解散してしまったパノラママンボ、このカヴァーが収録されたアルバム『マンボ天国』は、昭和の匂いを残した一枚となっておりますので、興味ある方はご一聴を。そういえば以前、パノラママンボって、間貫平のバックもやってたんだよなあ。

○マンダム〜男の世界(日、TVCM)
作詞・作曲:MATT & HOWARD CAIN、日本語詞・歌:ザ・ブロンソンズ

・マンダムといえばチャールズ・ブロンソン(CM演出:大林宣彦)。そのブロンソンに男気を(勝手に)学ぶべく結成されたのが、みうらじゅん+田口トモロヲ=ブロンソンズ。このカヴァーは、まだ彼らが「ザ」を付けていた頃に発表された(1995年)シングル・ヴァージョン。元祖ブロンソン吹替声優・大塚周夫の「ブロンソン語り」をフューチャリングして、愛の大陸をめざす熱い一曲。もちろん、あの名台詞も冒頭に収録されております。う〜ん・・・・・・。


【コメント】

 とまあ、こんな感じで進行してみたのですが、今思えば頭でっかちになってしまったような気もします。このコンセプトだったら、もう少しうまく進められたんじゃないか、とも思いますし。難しいものです。まあ、ご歓談のBGMとしてお役に立てればいいのですが。
 時間の関係もあったのですが、実はこの選曲はまだまだネタが残ってまして(笑)。もし機会ありましたら、この続編といいますか、リヴェンジ(笑)をやってみたいと思います。何はともあれ、皆様、ご静聴有難うございました!



[もどる]

Copyright (c) haramaki-neko 1998-2014