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本リストは、1984年に発売されたコロムビア「アニメ・サウンド・メモリアル」シリーズのリストである。
「アニメ・サウンド・メモリアル」シリーズは、人気のあったアニメ作品の主題歌・挿入歌と代表的なBGMを収録するという、のちの「EVER GREENシリーズ」(CD)の先駈けともいえるコンセプトのシリーズであった。「オリジナルBGMコレクション」は、劇伴とTVサイズ主題歌・副主題歌を収録する正統的な「劇伴集」であったが、「アニメ・サウンド・メモリアル」は、当時すでに手に入りにくくなっていたヒット曲集などの音源の復刻が中心になっている。ジャケットは、黒地にレコード用イラストをコラージュしたデザインで統一され、オリジナルなイラストは使用されなかった。
リリースは、1984年の10月と11月の２回。8枚のみでシリーズは終了している。'84年当時は、本数ばかり増えたテレビアニメからファンが離れ、アニメブームも沈静化に向かっていた時期で、新しいファンにとっては古い作品の音盤は魅力がなく、古いファンにとっては、復刻中心のラインナップは、あまり購買意欲をそそるものではなかったのかもしれない。かくいう小生・腹巻猫も、当時入手したのは、初音盤化となる「母をたずねて三千里」と「魔女っ子メグちゃん」だけだった。
とはいえ、「アニメ・サウンド・メモリアル」はなかなか意欲的なシリーズであった。ポイントのひとつは、過去に発売されたレコード（EP,LP）のジャケット、ライナーを掲載した解説書。３つ折の変形サイズで、後にも先にも、このような形の解説書は見たことがない。旧譜のジャケット・ライナーの表面だけでなく、すべての面が掲載されているほか、特典ポスターなどの写真も掲載されており、資料的価値は高い。
また、選曲も、単にヒット曲集を復刻するだけでなく、のちに作られたオリジナル曲や、英語版を収録するなど、LP１枚でさまざまなバージョンが網羅できる、お得な構成になっている。
そして最大のポイントは、「母をたずねて三千里」「魔女っ子メグちゃん」のオリジナルBGM初音盤化を実現したことである。２作とも音楽的にもきわめつけの名作であり、劇伴集の発売を待ち望んでいたファンは多かった。この２枚だけで、「アニメ・サウンド・メモリアル」が世に出た意義はある。
惜しむらくは、発売時期がレコードからCDへの移行時期と重なり、再プレスもされないまま、店頭から消えてしまったこと。特に後期発売の4枚は、中古市場にもなかなか出てこない。「三千里」はのちに「EVER GREEN」シリーズで別編集の劇伴集がリリースされたが、実はCD化されていない曲がLPには含まれている。また、「メグちゃん」の方は、いまだ（'98年現在）未CD化。一刻も早い復刻を望みたい。
(update:'98/12/23)
発売
年月型番 タイトル 音楽 備考 1984.10 CX-7185 アニメ・サウンド・メモリアル
科学忍者隊ガッチャマンすぎやまこういち 解説：高島幹雄
ソング集（4曲）＋カラオケ（2曲）＋交響組曲「科学忍者隊ガッチャマン」全曲
テレビ版ではなく劇場版の音楽集となっている。1984.10 CX-7186 アニメ・サウンド・メモリアル
マジンガーＺ渡辺宙明 解説：高島幹雄
ソング集（17曲）＋BGMコレクション（4ブロック）
オリジナル12曲に英語版3曲、水木一郎作曲2曲を収録。1984.10 CX-7188 アニメ・サウンド・メモリアル
ゲッターロボ菊池俊輔 解説：高島幹雄
ソング集（12曲）＋BGMコレクション（7ブロック）1984.10 CX-7187 アニメ・サウンド・メモリアル
バビル２世菊池俊輔 解説：高島幹雄
ソング集（4曲）＋BGMコレクション（2ブロック）＋ドラマ1984.11 CX-7189 アニメ・サウンド・メモリアル
キャンディキャンディ渡辺岳夫 解説：高島幹雄
ソング集（3曲）＋ドラマ（挿入歌5曲）
「デラックスカード絵本 キャンディキャンディ('78)」をそのまま復刻したもの。1984.11 CX-7190 アニメ・サウンド・メモリアル
母をたずねて三千里坂田晃一 解説者記載なし
ソング集（6曲）＋BGMコレクション（11ブロック）
BGM初音盤化。1984.11 CX-7191 アニメ・サウンド・メモリアル
魔女っ子メグちゃん渡辺岳夫 解説：富沢雅彦
ソング集（2曲）＋BGMコレクション（10ブロック）
BGM初音盤化。帯に「新録音」と書かれているのはウソで、オリジナル音源。1984.11 CX-7192 アニメ・サウンド・メモリアル
新巨人の星渡辺岳夫 解説者記載なし
ソング集（9曲）＋ドラマ
放映当時発売のLPに英語版「よみがえれ飛雄馬」を追加したもの。
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