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ツアー2日目。この日はウーメオの県行政、自治体の環境監視現場に行き、行政の立場から環境法典の話を聞き、その後、環境検察官、環境裁判官のお話を聞きます。ハードスケジュール。。。

6:45〜 朝食 パンにハムにチーズ、キュウリ、トマト。野菜がおいしかった。けれど、野菜は殆ど輸入物だそう。寒いから、できないよね。ローズヒップジュースをドレッシングと間違えて野菜にかけてしまった。

7:50 バスに乗り込む

8:00〜 ヴェステルボッテン県中央政府出先機関着

(県行政の個室オフィス環境)

 ヴェステルボッテン県中央政府出先機関 環境課長 カタリーナ・ジョンソンさんからのお話

内容:環境法典による中央政府出先機関の役割

県の仕組み(スウェーデン国内で、24県あるそう)

 理事会←政治的に指名される
  ↓
 県知事←政府が任命
  県行政(中央政府出先機関  職員240人)
 法務部 産業部… 、環境・都市計画部(職員90人)
          許可審査(様々なプロジェクト)監視、指導、協議を行う

15の環境目標

 地域特性に合わせ拡大したり縮小したり。
 許可審査、監視のガイドライン

許可審査
 (環境審査委員会=9章)法律家1名、環境専門家2名 計3名が許可審査を行う 
   決定には2人の職員が関わらなければならない
 環境影響評価書の作成の判断、指導を行う(環境法典に規定がある)

政令を示すカタリーナさん
事業の種類規模により 許可を出すべきところが異なる(政令により指定されている)
 (影響、規模の大きいもの→環境裁判所 
  次に影響のあるもの  →県行政
  影響の小さいもの   →自治体)

レミス制度 により、各行政機関、NPO等に案件を手紙で知らせ、意見を求める

*レミス制度;環境に関わらず、行政が法律やプロジェクトなどを決定するときに、市民団体、保護団体、業界各団体、他機関などに案件を説明する文書を送付し、意見の具申を求めるスウェーデンの民主的な手続の制度。

ボトニア鉄道計画についての県行政の役割
 ルート案それぞれの環境影響評価書の作成指導
 ルート案への意見書の作成
 水域をまもるために公益の代表者として 環境裁判所へ異議申し立てをする権利を県行政は持っている
 許可されたら、監視をすること 計画通りになったこと、指導をすべきこと、事業者の評価

  監視の責任は自治体の希望があれば、自治体へ委任する
   十分の知識と能力(職員)、利害関係の有無 で委任すべきか否かを判断する

 98年にレミス手続による手紙送付 公開→決定 不服申立

9:30〜 またバスに乗り南部の自治体監視現場へ移動

  ボトニア鉄道計画の路線計画の大半はウーメオの一部(昨日見たところ)を残して、許可され、工事が進んでいます。既に、工事が進んでいる現場で、実際の工事がどのように行われ、監視はどのように行われているかを見学します。県行政から自治体へ監視権限が委任されています。

 車窓から見える風景は整然とした林。ごみの不法投棄なし。フェンスがあるところが多かったけれど、これは、ヘラジカの事故防止のためだそうです。川は茶色い。鉄分を多く含むからだそうです。



10:30
 ノードマーリング自治体のヨールン・ストーレングさん(環境監視担当官)のお話

内容:ボトニア鉄道建設を中心に環境法典による自治体の役割。

既に許可が出され、建設が始まっている部分の工事視察。

 自治体が県行政から監視権限をもらっている。ヨールンさんは監視官として毎日工事現場へ通っている。この監視費用は鉄道事業者が払う。ヨールンさんの費用も。ヨールンさんは環境監視官の資格を持っている。

 工事現場にて説明を受ける。 小川の上に鉄道の橋架を建てる工事中。工事中の橋架                 


     その下を流れる小川

 工事前、中、後と、魚の調査を行っている。
 魚に被害が出ないよう注意を払っている。排水等。

 この小川には8種の魚の生息が確認されており、サケ、マスが遡上してくるそう。

また、工事とは関係ないが、酸性雨による被害もあり、川のPHが3!?程に低下したそうで、石灰を蒔いてPHを戻す対策を行っている。









上流の石灰供給設備も見学する。小さな小川に、ソーラー設備の自動石灰供給機が設置されていた。自然にできた小さな沈殿池では、白い沈殿物が堆積していた。酸性雨対策のための犠牲であるという。川のPHが3となるとは、ひどい影響だと思う。酸性雨による被害は一段落した、ということだったが、吸着して残り、まだ影響を及ぼしているということらしい。酸性になることにより、魚の生息に大きな影響を与えたという。確かに、PH3では、ふ化が難しいだろうなあ、と思う。ヨーロッパでの酸性雨被害はひどいと聞いていたけれど、こんなに影響があるとは、と驚きました。ヨールンさんは、酸性雨について詳しい知識をお持ちのようでした)

ヨーロッパの酸性雨被害 http://sta-atm.jst.go.jp/atomica/01080302_1.html

12:00 ノードマーリング村でお昼。

ここはリンネさん(学名を発案した有名な人)が泊まったという由緒正しいホテルのレストランで食事をしました。メニューは、サラダといろいろな野菜の酢漬けのビュッフェと肉料理かぶのマッシュなど。どれもおいしかった。