新明問題を考える会ニュースVOL.1
発行:新明問題を考える会
★ ★所沢市南永井にある焼却炉設置業者(株)新明が、2000年3月から、焼却を停止しています!!★★
この焼却停止がいつまで続くかは、新明が、周辺住民の反対を押し切って、焼却炉の工事を再開するかどうかにかかっています。これまで、(株)新明の操業による、降灰、悪臭、に悩まされ続けてきた地域住民にとっては、この焼却停止がいつまでも続くことが願いです。
この焼却停止は、住民の方々のねばり強い焼却反対運動によるものです。これまでの経過と、今後の動きについてを簡単にまとめてご報告します。
★ 1986年頃〜 ・・・県に提出されている書類によれば(株)新明の操業は、1986年から始まります。以来、600kg/h(実際の能力はその炉の大きさからいって3倍以上!と推定されます・・。実際、所沢市は1995年に1号炉2500kg/h、2号炉2000kg/hとする届を受けていますが、県は、600kg/hとしたままです)とする焼却炉2基を日夜を問わず稼働させ、その煙と、煙突から撒き散らされる灰に、周辺住民の健康は脅かされ続けました。
★ 1997年頃から・・・周辺住民が、ダイオキシンや、その他の有害物質発生の危険から、(株)新明に対し、焼却反対の話し合いを始めます。しかし、土日、夜間は焼却をしないこと、廃プラスチックは燃やさないこと、などとする、最低限の約束さえ、守られることはありませんでした。
★ 1998年・・・・周辺住民の反対にも関わらず、埼玉県は、(株)新明の焼却炉を600kg/hの既存施設としてみなし許可を与えます。その頃の県が行った立入調査によれば、新明の敷地内に、焼却灰が高さ5mを超えて野積みにされていました。県は新明に対し、燃え殻の保管状況や、廃プラスチックの分別を徹底するよう勧告を出します。
12月には新明を含む所沢周辺47焼却炉設置事業者とそれらに許可を与えてきた県に対し、周辺住民4000人が焼却停止を求める公害調停を申請しました。
★ 1999年・・・・(株)新明は、焼却を続行するため、施設の変更許可申請を行います。炉の能力は、600kg/hの過小評価のまま、また、これまでのひどい維持管理状況から、適正な処理が行われるとは考えられず、住民は、県に対し、許可を出さないよう要望し続けました。しかし、埼玉県は、1999年10月、ついに、この焼却続行を認める、施設の許可を出してしまいました。しかも、工事費には「彩の国環境創造資金」という名目の低利融資の斡旋さえしたのです。(5000万円の融資が実施されたと聞いています)
★ 2000年・・・周辺住民で、「新明問題を考える会」をつくり、新明の焼却続行に対して反対を進めることとしました。公害調停弁護団や、埼玉弁護士会有志の弁護士の方々にも相談し、法的手段を検討し始め、「新明弁護団」も結成されました。以下、会で取り組んできたことを紹介します。
★ 2000年1月・・・施設の許可取り消しを求める行政訴訟を提起しました。
★ 2000年2月・・・新明周辺の粉塵、土壌中の重金属汚染を調査しました。粉塵では、最も汚染のひどかった地点で、鉛が7200mg/kg、カドミウムが43mg/kg、ヒ素が9mg/kg検出されました。これは、廃プラスチックなどが含まれて燃やされることにより、重金属類が灰に濃縮され、その灰が飛散した結果であると考えられます。日本では、土壌の重金属含有量規制は行われていませんが、ドイツなどでは、対策を行う必要がある値として、住宅地では鉛400mg/kg・カドミウム20mg/kg、子供の遊び場では、鉛200mg/kg・カドミウム10mg/kgと設定されています。鉛は、子供の多動、キレやすい、などを引き起こす要因となることが疑われており、その影響が心配される物質です。焼却によって発生する有害物質はダイオキシンだけではありません。このように、高濃度の重金属汚染が心配されます。
★ 2000年3月・・・新明の焼却の処分業許可の期限(5年毎に更新を受けなければならない)が切れ、施設の改善工事が未だ進んでいないことから、県は更新の許可を留保しました。これにより、業の許可がない状態となり、新明は焼却を停止します。
★ 2000年4月・・・新明に対して裁判所が立入、「証拠保全手続き」がとられました。これは、周辺住民が新明の施設の状況、書類の保管状況を明らかにし、証拠として保全することを、裁判所に申請し認められ、裁判所と共に立ち入ったものです。これにより、新明の焼却炉の状態のひどさ(穴が空いている、スクラバー汚泥が流出している、等)、また、帳簿を付けていない、など、ずさんな状態が明らかになりました。
★2000年7月・・・新明が帳簿を付けていなかったことは、廃棄物処理法違反であり、罰則も設けられています。これについて埼玉県警に「告発」をしました。現在、所沢警察で捜査中です。違反が確定すれば、業の更新許可はできなくなります。
◆現在、新明は、焼却炉工事を中断したままの状態です。県にたいし、業の更新許可を出さないよう求める行政交渉を続けています。
施設の許可取り消しを求める行政訴訟は、3回の期日を終え、第4回公判は、10月30日(月)午後2時から浦和地裁にて行われます。是非、傍聴に来て見て下さい。
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