ついに!北田商事が、当地での廃棄物処理業(収集運搬、保管、処分等)を廃業するとの廃止届けを提出しました!!

「北田商事(株)」が廃棄物処理業のすべてを廃止するとの届け出を2003年8月、埼玉県に提出しました。これにより、北田商事は当地での廃棄物処理(運搬、保管、処理等すべて)は一切できなくなりました。

 3年半にわたる、訴訟手続きの結果、北田商事の操業の許可が廃止されるという結果を得ることが出来ました。これにより、北田商事は当地での廃棄物処理は一切できなくなります。裁判による手続きの中では実質的な住民側の勝利となりました。よりよい環境を求める住民が集まって行動することが、行政や業者を動かす大きな力となりました。

 手弁当で御協力をいただいた弁護団の先生方、原告側主張を専門家の立場から補強して下さいました焼却炉専門家三好先生、本当に有り難うございました。また、粘り強く数々の証拠をつみあげるべく、調査、資料を収集してきた原告のみなさん、本当に御苦労さまでした。


 北田商事については、96年頃から、その処理に伴い発生するとみられる悪臭が中新井地区でも問題となっていました。さらに、98年には、突然、焼却炉を建設、その操業について、近隣住民が反対を表明、3度の説明会が行われましたが、悪臭や市道占有、事務所の違法建築等の問題、何よりも、焼却による環境被害が懸念され、住民の納得を得ることは到底できませんでした。
 しかし、1999年10月、埼玉県は北田商事の焼却炉の操業を許可、その後、北田商事は住民の反対を押し切って、焼却炉を操業してきました。その間、以前から問題となっていた悪臭は、全く改善されることはありませんでした。

 埼玉県が焼却炉の操業を許可したことについて、住民はどうしても納得できませんでした。巨大な施設である焼却炉を、規制の緩やかな小規模な施設であるとし、規制手続きを逃れたこと、悪臭が続き、その悪臭の改善すらままならない業者がきちんとした焼却管理ができるとは思えないこと、また、既に、所沢周辺ではたくさんの焼却炉が立地、その環境汚染が社会問題となっていた98年頃に、新たに建設を開始し、さらに、炉が増えることとなった事、などによります。そのため、許可後の2000年1月、周辺住民24名が、埼玉県の出した北田商事に対する操業許可の取り消しを求める訴えを起こしました。
 その訴訟手続きの中で、北田商事について、原告の住民側からその操業による悪臭の被害、煙害等を訴え続けてきました。また、焼却炉の規模を過小に申告していることを、焼却炉専門家の協力を得て立証することにより、手続き違反であることを主張してきました。さらに、「証拠保全手続き」により、北田商事が、許可の量をこえる廃棄物を受託していたこと、また、許可されていない汚水処理を行っていた可能性が高いこと等が明らかになりました。これを受け、埼玉県が北田商事の操業実態について調査、「原告側が主張していることが事実であるならば許可を取り消す」と、埼玉県側が表明し、その調査が大詰めを迎える中、北田商事は自らそのすべての許可を取り下げる(廃業する)との届け出を提出してきたのです。

 3年半にわたる、訴訟手続きの結果、北田商事の操業の許可が廃止されるという結果を得ることが出来ました。これにより、北田商事は当地での廃棄物処理は一切できなくなります。裁判による手続きの中では実質的な住民側の勝利となりました。よりよい環境を求める住民が集まって行動することが、行政や業者を動かす大きな力となりました。

 しかし、問題は未だ全て解決したわけではありません。北田商事の施設の撤去の見通しは全く立っていません。悪臭を発生させていたと思われる汚水処理施設もそのままです。業を行っていた間に「保管」と称して受けていた真っ黒く変色した廃棄物も、まだ残っています。
 悪臭は今なお続き、近隣からの苦情も続いています。今後も、気を緩めることなく、地域のよりよい環境を得るために、みなで力を合わせていくことが必要だ、と感じています。地域の環境を守ることができるのは、地域住民にしか出来ません。そのことを、この長い取り組みの中で学ぶこととなりました。

 ぜひ、今後とも地域の皆様の関心と協力をお願いします。