北田新明裁判報告

7月16日、北田商事と新明の許可取消を求める行政訴訟第8回公判が行われました。
新明については、前号で報告しましたとおり、焼却を断念したため、許可は無効とな
り、実質的な勝利を得、行政訴訟は取り下げる旨を申し立てました。
北田商事については、処理能力の虚偽について。北田商事では5t/dayの能力を遙かに
超える大きな施設であるのに、業者が許可手続のがれのために、建設途中!(既に炉
体は設置済み)で処理能力を6.4t/dayから、3.2t/dayに変更したとして、変更届を出
しました。こんな馬鹿げた話はないはず!なのに、この変更届を鵜呑みにし、施設許
可手続きをとらずに、業の許可を出しています。この許可について、焼却炉の専門家
にも意見を聞き、排ガス測定結果からも、炉体の大きさからも、処理能力は5t/dayを
遙かに超えると主張する準備書面を提出していました。今回は、これについての県か
らの反論の反論を提出しました(ややこし。。。)。
 焼却により、発生する排ガス量は、燃焼汚泥量によって決定します。燃焼物から発
生するガス量は物質により一定ですから、排ガス量が多く出る、ということは、それ
だけ多くの物が燃焼したことになるのです。(もちろん、水分=水蒸気は別にして考
えます)北田の排ガス測定では、届出値の2倍近くの排ガス量が記録されていました。
これにより、届出より多くの汚泥燃焼が行われていたことが計算により明らかになっ
てきます。少なくとも、それだけの燃焼が行える炉である、とのよい証拠になります。
これに対する県の反論は、本質的ではなく、実際に燃やしてない、等という言い訳の
ようなものでした。
 今後、焼却炉の専門家にも相談しつつ、北田商事の焼却能力についてさらに、主張
してゆく予定です。
次回公判は、9月10日(月)4時〜です。
 石坂産業(株)の廃棄物処分業の許可の取消を求める行政訴訟の第1回公判も同日
同時刻で行われることとなりました。こちらは、直近にお住まいの方の原告陳述を予
定しています。是非、多くの方の傍聴をお願いします。

北田の悪臭!
北田商事が、7月末、卵の腐ったような猛烈な悪臭を発散させていました。汚水処理施設付近から、まさに、硫化水素の臭いです。
硫化水素といえば、あちこちの最終処分場などで発生し死亡事故さえ起こる有害物質です。急性毒性は人を死に至らしめるこわい物質です。
自宅付近でも同じ悪臭が漂っていました。
早速、所沢市に苦情を申し入れ、悪臭についての対策の指導と実態調査を頼みました。

すると、市が北田の夏の悪臭測定を取りやめにしようとしていた(以前には季節を通
して調査する、と約束していたのです)ことが判明しました。
市の担当者が言うには、県の指導で、今、古い保管ごみを搬出している、その作業の
際に出る汚水の処理が追いつかず、硫化水素臭が発生している、だから、そのごみの
搬出が終われば、悪臭も出なくなる、だから、この臭いは一時的なものである。だか
ら、今測定しない、と真面目にいうのです。

市はなぜかとても北田商事にやさしいようだけど、この悪臭に毎日見舞われる周辺住
民は、「一時的なものであるらしい」悪臭をいつまで我慢しなければならないのでしょうか。長年毎日悪臭に襲われる住民はそんなに優しくはしてられないないのです。

結局、所沢市は、住民からの苦情もかなり多く寄せられたので、調査を実施し、また、北田商事には対策を指導する、ということになりました。調査は、少し悪臭の和らいだ8月9日に周辺住民立ち合いのもとに実施されました。対策としては、汚水処理施設について活性汚泥の投入、等が行われたようです。悪臭原因の汚水発生源ともなっている古い保管ごみは、全て搬出する、と北田は口頭で述べているようです。しかし、長年、地域で悪臭の発生源となっている同社に対する住民の不信感は募るばかり。それとともに、業者に妙にやさしい、なんの対処もしない行政に対しても、不信感はつのるばかり、今回、あまりに業者よりの対応だったので報告しました。。。