●くぬぎ山の(株)石坂産業に新たな許可が下ろされてしまいました。
前回の報告では、この5月にくぬぎ山の最大手の業者である三芳町の(株)石坂産
業が焼却を止め、3炉を撤去したことをお伝えしました。これで林の中に集中してい
た煙突は、おおかた姿を消し、近隣の農家もとりあえずは一段落したものと安心し、
残っている破砕業についての対策を考えはじめていました。ところが、8月の半ばに
(株)石坂産業があらたな業の許可の計画書を県に提出していることが判明しました
。現在やっている日量総計750ォの瓦礫、木屑、コンクリート、プラスチック破砕に
加え、プラスチックの破砕を10ォと圧縮梱包を124ォを始めたいというものです。新
しい業の許可にあたっては、今まで周辺の自治会同意を必要としていましたが、現在
は200メートル以内に居住する住民の同意のみを必要としています。そこで、9月12日、近隣の住民2名と鍛冶弁護士とともに県に話を聞きに行きました。道路を挟んで石坂産業の施設の向かい側で農業を営む住民に、何も知らされていないことが納得できなかったのです。ところが何と、私たちの話を聞き終わるなり「すでに許可は9月6日におりています」との返答です。許可内容についての審査期間は、通常1〜2ヶ月かかるはず、しかし、この許可は周辺住民を無視した異例のスピードで下ろされてしまったのです。なぜ、向かい側の住民に知らせなかったのかという質問には「200メートル以内に住居が建っていなかった」「宅地、敷地があることは無関係である」(庭や畑は200m以内であっても、住居が建っている地点が200m以上であったため)とのこと。「十分な審査を行ったのか」に対しては「書類上問題がない」の一点張りでした。いったい、県のいう、くぬぎ山自然再生事業とは何なのでしょう。なぜ、このような業者優先で住民を無視した許可を行うのでしょう。現在、周辺の農家と裁判で争われている業者に、あまりにも無神経に下ろされたこの許可は、埼玉県のゴミ行政に対する姿勢をはっきり象徴するものです。
●石坂北田裁判報告
8月7日、夏真っ盛りの中、石坂第6回、北田第14回の公判がさいたま地裁にて開かれました。石坂については、破砕の業について、石坂が侵している数々の許可手続における書類上の欺瞞、届出遅れ等を指摘し、この様な許可は、取り消されるべきであることを主張ました。さらに、破砕による粉塵の飛散が、周辺住民に対していかにひどい被害を及ぼすかを、写真資料などと共に主張しました。
破砕は何の被害も及ぼさないかのように、業者の言いなりになり、破砕機の確認さえもいい加減にされたまま、下ろされた許可です。一旦下ろされた許可によって、業者は大手を振るって操業を続け、規模を拡大していきます。ゴミは大量に持ち込まれ、もうもうと埃を出しても、何の規制も受けない、というのが、今の現状です。細かな粉塵は周辺の人の肺に吸い込まれ、蓄積されていき、呼吸器系疾患の発病の原因となるかもしれません。周辺の人はそこから逃げ出すわけにはいきません。そこから、もうもうと埃が立つのを目にしても、その大気を吸い込み、暮らしを続けていかなければならないのです。
北田商事については14回を数え、焼却炉の能力などについて、ようやく県側から反論が出されてきました。今後、こちら側から再反論を出し、証人尋問などを行っていく予定です。
裁判の方も、今後も気を抜けないやり取りが続きます。皆様のご支援をお願いいたします。。。