----------------------------------------------------------------------- 埼玉県所沢市は、3月26日、ダイオキシンの発生抑制を目的にした条例案を可決した。条例制定は全国で初めて。

 これは、ダイオキシン類や大気汚染防止法上の有害物質の発生を少なくすることを目的とし、市、事業者、市民の責務を明確化したもの。規制値は定めていないが、市長に規制計画を義務付けるとともに、違反者には市長が改善を勧告し、従わないものは事業者氏名を公表することができる。以下は、その全文である。

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ダイオキシンを少なくし所沢にきれいな空気を取り戻すための条例

平成9年3月26日可決

平成9年6月 1日施行

(目的)

第1条 この条例は、身体に被害を及ぼすおそれのあるダイオキシン類及び有害物質の発生を少なくし所沢にきれいな空気を取り戻すため、市、市民及び事業者の責務を明らかにして、良好な生活環境の維持と保全に勤めることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、用語の定義は次のとおりとする。

(1)ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン及びポリ塩化ジベンゾフランの総称をいう。

(2)有害物質とは、大気汚染防止法第2条第1項第3号に規定する物質をいう。

(3)安易な焼却とは、化学製品(塩化ビニール、合板等)の廃棄物(ごみ)を焼却するとき、発生するダイオキシン類及び有害物質を除去するための十分な施設を有する焼却炉を用いない焼却をいう。

(4)事業者とは、事業所等を保有し事業活動を行う者をいう。

(5)事業所等とは、本社・支店・営業所・資材置場・駐車場等事業に関するすべての場所をいう。

(市の責務)

第3条 市は、目的を達成するために次のことをしなければならない。

(1)廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条及び第15条の規定に基づく県の要領により知事から照会があった場合、速やかに議会に報告し意見を求めること。

(2)公共の施設において、安易な焼却はしないこと。

(3)市民と事業者に対して意識の啓発と指導に努めること。

(4)その他、目的を達成するために、国、県などに積極的に働きかけること。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、目的を達成するために次のことを遵守しなければならない。

(1)事業所等において、安易な焼却はしないように努めること。

(2)事業活動において、廃棄物(ごみ)の分別をし、商品・材料などはリサイクルできるものを取り扱うように努めること。

(3)焼却炉を保有する事業者は、焼却炉の運転に注意を払い、ダイオキシン類及び有害物質を発生させないように努めること。

(4)その他、目的達成のため必要な措置を講じ、市が実施する施策に積極的に協力すること。

(市民の責務)

第5条 市民は、目的を達成するため次のことに努めなければならない。

(1)家庭において、安易な焼却はしないようにすること。

(2)ごみ(廃棄物)は、市で定められれたように分別して出すこと。

(3)ごみ(廃棄物)の減量に心がけること。

(4)その他、目的を達成のために、市が実施する施策に積極的に協力すること。

(ダイオキシン類等規制計画の策定)

第6条 市長は、この条例の目的を達成するために「ダイオキシン類及び有害物質の規制計画」を早急に策定しなければならない。

2 前項の計画を推進するために、必要な措置を講じなければならない。

3 規制計画は、事業者、知識経験者、関係機関の代表と市民で構成した審議会を設置し、策定しなければならない。

4 審議会の会議は、公開を原則とする。

(勧告及び公表)

第7条 市長は、この条例に反すると認められた者に対し、改善するよう勧告することができる。

2 市長は、前項の勧告に従わないものに対し、事業者名等を公表するものとする。

(委任)

第8条 この条約に定めるもののほか、必要な事項は市長が別に定める


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