埼玉県知事 土屋義彦様

ダイオキシン公害調停に関わる質問状

日頃より埼玉県民の健康と環境のためにご尽力いただき感謝しています。
さて、所沢市周辺地域の焼却施設によるダイオキシン汚染の公害調停に関連して、いくつかの重大な疑問が生じていますので、知事にお答えをいただきたく、ここに質問いたします。

質問事項

1,公害紛争処理法は、紛争の迅速な処理と問題解決を期待されている法律です。しかし、6月1日までの半年間に申請を受理してから僅か2回しか調停委員会は開かれていません。日夜、ダイオキシン公害の不安におびえる住民にとって、これ以上残念なことはありません。ご自身が任命された調停委員会のこのようなスローペースについて、知事のご見解をお聞かせ下さい。

2,埼玉県公害審査会とそこから選出された調停委員は、知事に任命された方々とはいえ、公害の紛争処理に当たっては中立かつ公正で当該関係者から独立した立場を期待されています。しかし、公害調停に関わる県の考え方は、調停委員会の中立性と公平性を疑問視しているものです。このような重大な錯誤が、何が原因で生じたのか、知事のご見解をお聞かせ下さい。

3,6月1日の公害調停早期開催の申し入れに先立ち、4月7日にも環境政策課を通して、公害調停の早期開催を申し入れました。その際、調停開催が遅れている原因として、答弁書が未提出の業者が3割いることを環境政策課長は挙げ、遅れの原因があたかも業者にあるかのように言いました。しかし、県の答弁書が出たのはそれから一ヶ月後です。県の答弁書がかくも遅れてしまった理由とその影響について知事のご見解をお聞かせ下さい。

4,6月2日の朝日新聞で埼玉県廃棄物協会の副会長に、県の元環境部長が天下ったと報じられました。かつては産廃業者の許認可と監督指導に関わった人物が、退職後一定期間をおいたにせよ、このような地位につくということは、公正かつ厳正な行政に期待する市民の信頼を大きく裏切るものです。ことがここに至った経過と、過去に類似のケースがどの程度あるのか、是非天下りの実態を明らかにし、知事のご見解をお聞かせ下さい。

5,現在、公害調停の窓口になっている環境政策課の課長は、昨年度まで廃棄物対策課の課長であり、焼却施設の許認可と監督指導するポストにあり、埼玉西部地域の焼却施設集中立地を招く一因となった担当者です。係る人物が、今度はその集中立地を問題とする公害調停の事務局を担当するのは、公正を欠く人事といわざるを得ません。この人事の目的と知事のご見解をお聞かせ下さい。