いよいよ調停も最終段階へ。次回期日にぜひ申請人の皆様の多数のご出席をお願いします。
対象:東洋インキ製造(株)、(株)ビーエフ、(株)不二家、安西建設工業(有)、加藤商事(株)、美山クリーン(有)
−石坂産業(株)=くぬぎ山
くぬぎ山再生事業指定地域内に、新たに破砕・圧縮梱包・破砕減容の変更許可がおりた事に対し、12月2日に変更許可取り消しを求める第2次行政訴訟を起こし、12月25日に第1回公判が行われました。ここで、原告代表の井草さんが、陳述を行いました。これまでの石坂の酷い操業、行政の許可のひどさ、住民に何も知らされないままの許可に対する不信、などについて、切々と訴え、埼玉県の二枚舌の施策が浮き彫りになりました。また、訴状について、原告側代理人の小林弁護士から、処理施設が無許可であること。破砕については粉塵、アスベスト、騒音等による被害が出ること。圧縮梱包・減容については杉並病が発生した一般廃棄物処理施設と同じような設備であり、化学物質による被害の可能性があること。廃棄物の処理能力は約900t/日と大規模になること。許可内容についても、規制から逃れるために5t/日を超えないように能力を少なく見積もって申請している可能性があることなどを指摘しました。
これから始まる裁判は、破砕などによる粉塵、化学物質被害という、未だ行政の規制対策がなんらとられていない被害を主張していく、厳しいけれど重要な裁判です。ぜひご支援をお願いします。
−北田商事(株)=くぬぎ山南
同日に行われた北田商事許可に対する訴訟の方は、双方の主張が出揃ったため、間もなく証人喚問が始まると思われます。前回公判に於いて原告側が指摘した、北田商事の処理能力を大幅に超過する処分実績等について、埼玉県は「提出させた書類を調査中であり、違反が見つかれば処分が必要。」と回答。この調査のため、石坂、北田とも、次回期日は3月26日と少し間が空きました。
原告側も、今後、破砕施設による粉塵、化学物質被害等の影響調査に取り組んでいきたいと考えています。ぜひご協力をお願いいたします。
くぬぎ山から煙突が消え、「くぬぎ山再生事業」も始まり、これからくぬぎ山は真に美しい林に再生できるでしょうか。わたしたちが危惧するのは、残された土壌汚染、ごみ山、破砕等中間処理施設設置許可、今なお残る最終処分場計画など様々な負の面が行政の「美談!?」に隠され、なんら対策がとられないままとなる、という事態です。年末12月25日、くぬぎ山再生検討委員会と埼玉県知事宛に、以下の内容の要望書を写真資料と共に提出してきました。
1,くぬぎ山区域の選定について
自然再生事業の対象とされたくぬぎ山区域の範囲は中心部に限られ、これまで焼却を行ってきた事業所などが指定からもれました。産廃施設の操業により荒廃した地域を自然再生するという目的でなされる事業であるならば、指定地域からもれた産廃施設周辺を含めた汚染調査原状回復の対策をとられること
2,破砕・圧縮施設増大について
自然事業発足以降、くぬぎ山周辺3事業者10施設について、破砕・圧縮等の新たな許可が出されました。再生事業の主旨に全く逆行するこの許可により、周辺の中間処理施設は18施設、1850t/日の能力に及びます。これら施設から発生する粉塵、化学物質、搬入車輌増大による、被害調査把握と施設撤去、許可を今後出さないこと。
3,三芳町最終処分場計画撤回について
再生事業計画地内に、三芳町が今なお最終処分場の設置を計画中。撤回を申し入れること。
4,くぬぎ山内に残されたごみ山・残土山を早急に撤去すること
5,焼却炉廃炉跡地や撤退跡地周辺の汚染土壌調査実施
6,いまなお野焼きを行っている事業者に対する告発、撤去対策
くぬぎ山自然再生計画が進み市民税が投入される中、再生計画地域内での廃棄物処理施設の新規(増設含む)許可、計画等があり、矛盾した行政の姿勢は正されなければなりません。
子供が安心して立入、遊べる林に再生するためには、これまでのずさんな廃棄物焼却による環境汚染調査、現存施設の環境影響調査、撤去対策ごみ山・残土山撤去などが必要です。
そして、当地域に依然として集中する首都圏産廃の流入規制及び、産廃処理施設集中立地の対策という、抜本的な対策こそが必要です。
三芳町上富に高さ20mに及ぶ長島総業、大生商事という2業者が積み上げたごみ山(通称三芳富士)が放置されています。長年放置されたごみ山には、草や木まで生え、再三に渡り、撤去とごみ山による環境影響調査を要望してきましたが、埼玉県は「環境影響はない」と、全くこの問題に取り組む気配がありませんでした。
しかし、ごみ山の数カ所から煙が立ち昇っているのを何回も確認しており、周辺にひどい臭気が漂っています。これで「環境影響がないはずはない」と考え、昨年11月22日にすすめる会で簡易測定による調査をしたところ、煙の発生地点で300〜500ppmの硫化水素が測定されました。これは、致死量に近い量です。又、地下20cmの温度が60゜Cになっており、周辺のプラスチックが変形したり、溶けかかっていました。更に、ごみ山の頂上付近には亀裂が走っており、崩落の危険もあります。埼玉県内には3000Gのごみ山は69箇所、それ以下の大きさのごみ山は所沢周辺だけでも50箇所以上あります。私達は、硫化水素による中毒、ごみ山火災、ごみ山の崩落等の危険性がある事を指摘し、環境省と埼玉県に対して下記のような要望書を提出しました。
1. 埼玉県西部地域にあるごみ山について直ちに綿密な調査を行うこと。
2. 環境大臣・埼玉県知事の現地視察を早急に行うこと。
3. それぞれのごみ山の原因となった産業廃棄物処理業者、排出事業者に対する撤去の指導、措置命令、代執行、廃棄物処理業の許可取り消し、及び刑事責任の追及等あらゆる法的手段を用い、速やかな撤去に向け最大限の方策を講じること。
4. 調査、撤去等の作業においては、周辺住民の生活環境を2次的に悪化させることのないよう、又、作業員の中毒事故を回避するべく、充分に安全措置を講じること。
5. 業者による不法投棄、及び、違法な最終処分場としてごみ山を認識し、適切かつ必要な対策を講じること。
6. ゴミ山がこれほど多数生成した根本原因である首都圏からの産業廃棄物の流入規制を行うこと。
環境省に対しては更に次の点も要望しました。
7. 環境省が来年度提出する方針の「産業廃棄物不法投棄原状回復特別措置法(仮称)」の成立を早急に実現すること。
8. 全国のごみ山に対する実態調査を行うこと。
埼玉県は以上の要望に応え、長島総業の「周辺環境調査」を実施、発生源では、硫化水素簡易モニターによる調査しか行わず、150ppm以上であったため正確な数値は把握せず。発生源地上1.5m地点で硫化水素を採取測定しましたが、最高で0.15ppmという結果。「周辺環境への影響は認められない」とし、今後も継続して調査する、としています。さらに、当面の措置として、硫化水素発生地点に覆土を行い!、合わせてごみ山への立入が出来ない措置を講ずることを地主にお願いした、そうです。
覆土を行ったとして、では次にごみ山のどの部分から硫化水素が噴き出すかは全く予想できません。事故が起きてからでは遅いのです。「予防原則」が全くないことに愕然としてしまいますが、粘り強く取り組みを続けていこうと考えています。