● 子どもたちにきれいな水と土と空気を手渡し、いのちとくらしを守るために

HTML版第11号 2001年6月26日発行

◆編集・発行所
さいたま西部・ダイオキシン公害調停をすすめる会
発行人:事務局代表・前田 俊宣
〒359-0041 所沢市中新井5-1-3-201 Tel 042-943-0295
E-mail HZE03164@nifty.ne.jp
URL http://www3.airnet.ne.jp/dioxin/


◆次回 ダイオキシン公害調停◆

●青山貞一氏(環境総合研究所所長)
参考人として出席決定!!

 申請人側が申し入れていた青山貞一・環境総合研究所所長の参考人招致がついに実現します。申請人側が参考人意見聴取を申し入れてから1年。調停委員会は被申請人の反対を押さえ、招致実施を決断をしました。

 青山氏は、厚木米軍住宅を産廃焼却の排ガスが直撃した問題に関して行われた日米共同モニタリング調査(1999年7/7〜9/1)の結果をもとに、日本の現状のダイオキシン類分析の構造的欠陥を明らかにしています。氏はまた、宮田秀明・摂南大学薬学部教授との連携のもとにクロマツの針葉を分析して大気中のダイオキシン類濃度を類推する研究を行い、その結果から所沢の産廃焼却施設周辺、特に風下地域ではきわめて高濃度の汚染が存在すると推定しています。

 今回の参考人招致は、調停全体にとっても大きなポイントとも言えます。調停を申請したみなさん。ぜひともご参加ください。


◆第16回調停報告◆

 5月29日、被申請人、申請人、埼玉県と一堂に会しての第16回調停期日が開かれました。

 これまでの調停の内容が簡単に伝えられ、申請人側からは提出した書面の説明を行いました。ごみ山問題について、撤去のための専門委員会を設置し、調査、撤去に取り組んでほしい、ということや、調査について、クマクラ、ヤマ商脇の汚染土壌の例を挙げ、このような汚染が未だ各地に残されているおそれのあること、早急に調査、対策をとるべきだと主張しました。

 また、被申請人のうち、既に焼却炉の操業を停止した業者、停止したが未だ廃棄物処分業を営んでいる業者、ごみ山を積み上げている業者、未だ操業中の業者、とグループ分けし、今後の調停進行や、操業を停止している業者との調停条項の提案などを行いました。

 続いて現状報告として、前田俊宣事務局代表から、ヤマ商脇の土壌汚染報告が行われ、灰の飛散による汚染としては、760pgTEQ/gという汚染は深刻であること、このような汚染に日々さらされていることを心配していること、早急に対策をとってほしいことを訴えました。

 また、ごみ山について、焼却を停止した(株)新明が、生ゴミを含むごみ山を積み上げ、大量の蠅を発生させている現状について前田妙子さんが発言。隣接する事業所では大量の蠅と悪臭に悩まされ、毎日蠅取り紙を作業場各所につるしています。100匹程の蠅がびっしりとした蠅取り紙(実物! 最終的に蠅取り紙は写真資料として提出)を示し、何故こんな現状が許されているのか、何とかしてほしい、と訴えました。

今後の調停の進行に大きく影響を及ぼす参考人の意見聴取に期待を持たせて、第16回調停が終了しました。


◆裁判・調査などの報告◆

●ついに新明が焼却を断念 !!

 5月8日、所沢インター近くの焼却炉設置業者(株)新明が埼玉県知事に焼却施設の廃止届と産業廃棄物処理業の廃止届を提出しました。これで新明は産廃焼却をついに諦めることになりました。この数年間、焼却停止を求める公害調停、施設の許可取消を求める行政訴訟、新明に立ち入っての証拠保全、帳簿不備の廃棄物処理法違反での刑事告発、そして5月2日には焼却炉工事・操業の差し止め訴訟の提起、というように、住民がねばり強く続けてきた運動が、焼却廃止という大きな成果を得ることができました。

(株)新明の焼却炉は、排ガス処理設備は穴が空いたまま、というひどい状況で、灰は野積み、煙突からは黒煙、灰・煤塵の飛散、悪臭、等ひどいものでした。この新明が、焼却炉を改善して焼却を続ける許可を県より得て以来、周辺住民は、なんとかして、この新明の操業を止めたい、と運動を続けてきました。

 公害調停弁護団や埼玉弁護士会有志の若手弁護士の方々の協力を得て、総勢26名の「新明弁護団」が結成され、様々な法的手段に取り組み、また、行政との交渉を行ってきました。
 今回の成果は、手弁当で熱心に取り組んでくれた、「新明弁護団」の力に拠るところが大きく、弁護団と住民みんなで勝ち取った大きな成果です。

埼玉県のずさんな許可
 新明の操業のひどさとと同時に、操業を許可してきた埼玉県の責任を問うべきだと住民は考えました。灰が降る、といくら言っても、「どこからの灰か分からない」と応える。穴の空いた焼却炉を放置し、住民の苦情を聞いても、業者にきちんとした対応をとらない。許可申請書を見ても、巨大な焼却炉を4.8tの処理能力(実際はその5倍以上の能力がある大きさでした)である、として許可。業者のいいなりの姿勢に、誰のための行政なのか考えさせられました。

 新明が焼却炉の廃止届を出したことで、県の許可も無効になります。けれど、何故、埼玉県はずさんな許可を出したのか、私たちには理解できません。その姿勢は、全ての焼却炉に、ごみ山に共通しています。

 そして、今なお、新明は収集運搬の許可を得ています。今、新明の敷地内には数mのゴミの山が野積みにされていて、悪臭を発生させ、数十羽のカラスが集まって、ゴミを周囲に撒き散らし、大量の蠅が発生しています。ゴミを野積みにすることはもうたくさんです。許可されている内容は、コンテナ保管。耐えかねた住民が県の担当者を呼びつけて、県の担当者は、重い腰を上げ、新明に対して指導をし始めたそうです。しかし、ごみ山はいっこうになくなりません。引き続き、このごみ山問題にも取り組んでゆく予定です。

 焼却断念を勝ち取るために尽力いただいた弁護士の方々への弁護士料支払いなどのためのカンパの協力をお願いしています。

振込先:郵便振替00190-2-183281
「裁判を支える会」宛て


●北田新明裁判報告
 6月4日、北田商事と(株)新明の許可取消を求める行政訴訟第7回公判が行われました。

 新明については、先に述べましたように、廃業が決定したため、県の許可が無効となり、実質的な勝利を得ました。今回は、廃業の確認のための資料と、これまでの県の指導状況の資料を求めました。また、ごみ山のひどい現状を写真資料として、提出しました。

 北田商事については、遵法能力の欠如の一端として、悪臭を発生させ続けるごみ山を違法状態で放置していること、さらに、その業務に用いている敷地内事務所が都市計画法違反であり、所沢市から撤去するよう勧告が2度も出され、赤紙添付までされながら、無視し続けていること、などを証拠として提出しました。

 埼玉県側はこれらを「軽微な違反であり、おそれ条項にはあたらない」としていますが、あまりの不誠実な態度に、あきれるばかりです。

 私たちが問題としている悪臭については、業者に対し、「悪臭を全く発生させないこと」までも求めているのではなく、「悪臭が発散しないように必要な措置を講ずること」を求めている、そして、人の感じる臭気としての臭気判定により、明らかに悪臭があると判断されても(所沢市調査結果より)個々の悪臭物質測定により、基準を超えていないのだから、必要な措置が講じられていると判断している、と応えています。

 また、保管廃棄物について「性状に変化を生じないうちに搬出すること」という条項が廃棄物処理法に規定されていますが、北田の山積みにされているごちゃ混ぜの廃棄物は真っ黒に変色し悪臭を発散させ、性状に明らかに変化が生じており、この条項に違反している、との原告側主張に対し、「ごちゃまぜで保管されていることは違法ではない」と、ずれた応え。

 このような考え方で指導していたら、何年苦情を訴え続けても、よくなっていくはずがありません。次回公判は7月16日(月)11時半〜 さいたま地裁105号法廷にて。


●(株)石坂産業の許可更新取り消しを求める裁判提訴

 去る6月8日、所沢市・三芳町・狭山市などの住民152人が三芳町の(株)石坂産業の更新許可の取り消しを求めて行政訴訟をさいたま地裁に起こしました。

 所沢市内では大空リサイクル・木下フレンドなど大手が次々と焼却をやめ、くぬぎ山周辺でもクマクラが炉を撤去するなど炉の数は減ってきました。しかし、それが所沢市外であるくぬぎ山の大手業者にゴミが流れ込む現象を引き起こしています。石坂産業の炉は3基あって合計の焼却量は日量約50tですが、昨年は早朝から深夜まで操業しており、実際の焼却量は日量70tとも100tとも言われ、周辺には灰が降る・悪臭・騒音などの被害が生じています。ところが現在の炉が無許可でつくられていたという事実がわかり、あまりにも無責任な県の姿勢があらためて浮かび上がってきました。

 今回の裁判の最大の争点はそこのところですが、県がどのような対応をしてくるかが見どころ、関東でも最大クラスの業者の許可に関わる重要な裁判です、周辺住民がこれからしっかりと行政の責任を追及していきたいものです。


●ヤマ商脇土壌調査の実施

 6月18日、ヤマ商わき土壌調査が、埼玉県、所沢市、住民、ヤマ商、調査会社立ち合いのもと、行われました。調査ポイントの決定は、県の環境科学国際センターが電気伝導度を指標として行い、その指示のもとに、調査会社がサンプリングする、というものでした。

すすめる会調査地点と同地点からポイント決めが始まりました。灰は相変わらず降っていて、埋められた建設残土の方も、ダイオキシン濃度を測るよう、指示されていました。


 *ヤマ商の焼却が続いているとはいえ、大空リサイクル、木下フレンズ、新明と、所沢インター周辺の業者が次々に焼却をやめ、この地域の空気は、調停を申請した98年当時(日常的に異臭が感じられた)に比べると、格段に良くなったと体感されます。そんな折り、「里山、再生作戦!! 新型公共事業 環境省が方針 」という朝日新聞の記事(朝日新聞 2001年 6月17日 朝刊1面)が報道されました。

「ダイオキシン汚染問題が起きた埼玉県南部の「くぬぎ山」一帯を全国のモデル地域に指定し、里山再生事業に乗り出す。小泉純一郎首相が重点政策と位置づける自然再生型公共事として、地元自治体との調整に入る」という内容。石坂産業許可更新取消訴訟とあわせて今後の展開に要注目!! 運動の成果が、着々と実りつつあります。


◆ボランティア、カンパ、献品募集中!◆

 事務局では、広報発送、配布、資料収集、印刷、施設見学、ホームページの管理、その他、様々な作業を行っています。興味のある方、簡単なお手伝いなら……という方、ホームページのデータのチェックのできる方、自分の近所の焼却施設の見学がしてみたいという方、何でも結構です。ぜひ事務局までご一報ください。

●また、年間弁護団費用、調査費用等まだまだ足りない状況です……。

事務局では、弁護士費用、被害立証のための調査費用などを集めていくために、随時フリーマーケットに出店しています。ご自宅にある不要なもの、ありませんか。献品募集中です。(美品に限ります)息の長い運動を続けていくために、引き続きご協力をお願いします。(連絡先:北浦 042-943-7578)

一般カンパも随時、受け付けております.振込先は
郵便振替00530-0-40224「公害調停をすすめる会」宛