1時〜 「国のダイオキシン対策の現状と問題点in所沢」
止めようダイオキシン汚染関東ネット 藤原寿和氏
2時〜 調停報告
「これまでの調停の評価と今後の進み行き」
●埼玉県について 報告 秋山努弁護士
●業者について 報告 佐竹俊之弁護士
●個別事業者対策の今後 報告 釜井英法弁護士、鍛冶伸明弁護士
4時〜 各市民団体より
●西部清掃工場への取組報告
●東部クリーンセンターへの取組報告
●各市民団体からの報告
5時30分〜7時半
懇親会 於 並木公民館講堂
第3〜5回は、調停委員が被申請人(埼玉県と処理業者)の個別の意見を聞く場、として、被申請人が調停に対する意見や対応等の陳述を行いました。
去る11月6日(土)、浦和市にある埼玉県県民健康センターにおいて、第6回のダイオキシン公害調停が開催されました。 当日の参加者は申請人側からは、申請人代理人の釜井英法氏、佐竹俊之氏、鍛冶伸明氏、秋山勉氏の4人の弁護士と申請人47名。調停委員の新井毅俊氏(弁護士)、苦田文一氏(弁護士)、内山俊一氏(埼玉工業大学工学部教授)3名。被申請側から埼玉県と27業者の代表および代理人、関係者が出席しました。この日は、主に、申請人側から、操業実態やダイオキシンとの因果関係が疑われる健康被害についての陳述がなされました。
■今後の調停の方向は?
第6回調停は申請人側の意見陳述が主な内容でしたが、調停委員から、明確に調停を拒否している4社と、第3〜第5回の調停期日に一度も出席しなかった業者に対する対応をどうするか、という問題が出され、その問題を含めて、双方の代理人と調停委員による「進行協議」を行うことに決まりました。
これまで、すすめる会では被申請人の47業者の64の炉について資料を丹念に調査し、15の業者に実際に出向いて資料を閲覧し、操業の実態を追跡してきました。
97年の廃棄物処理法改正、98年12月の構造・維持管理基準の強化等によって、焼却施設の廃止・休止が進んでいるようにいわれ、被申請人企業の焼却炉64炉のうち、廃炉16炉、休止炉10炉となっているものの、廃・休止炉の大半が小型焼却炉であるため、処理能力からみると全体の9%の小さな炉が廃止されたにすぎない。また、今まで廃・休止された炉に運ばれていた廃棄物が、他の施設に運ばれている可能性があり、現在、夜間焼却が目立つ状況で残りの炉が、届け出処理能力以上を燃やしている恐れがあることをあげ、一部の炉を廃・休止に追い込んでも、焼却の総量は変わらないという焼却炉密集地域の問題性が明らかになりました
■操業の実態は闇の中
閲覧によると、法的基準である「800℃以上での完全燃焼」や操業時間などが実質的にはほとんど守られていません。なかには温度記録計を途中で切っている業者さえあるのに、県の監督指導は全く行き届いていないのが実状。また、焼却灰が飛散したり、大量に積み上げられているケースもあります。ダイオキシンが高濃度で含まれるとされ、厳重な管理が必要なはずの「ばいじん」の管理や処理もずさんです。
■明らかな違法操業がまかり通る
処分した廃棄物の種類や数量についても、処理能力以上の燃焼が日常化しており、汚染物質が多く出る燃焼の立ち上げ時に、肝心のバグフィルターを通さずに黒煙を上げる業者もいます(指摘された業者自身が認めたという)。ある大手処理業者では、記録閲覧に際してチェックしたばい煙測定結果から、98年8月に、塩化水素6100ppm(700ppm)を記録。さらに、保管基準違反である廃棄物の山がいくつも放置されています。これらに対して実効のない「指導」を繰り返すばかりの甘い県の態度を強く指摘しました。くぬぎ山公道への廃棄物の不法投棄も厳重に処罰すべき事例です。
■ダイオキシン自主測定の信頼性
各被申請人企業は、ダイオキシンの自主測定値が基準値を下回っていることをもって、操業による被害はないと主張しています。しかし、平成10年度に所沢市が行った調査結果は、業者の自主測定値より高く、年1度の測定時のみ、理想的な燃焼状態を整えて測定したデータでは、実態を把握できません。また、焼却炉の集中立地は総量的な被害が危惧されます。行政が行ってきた大気中ダイオキシン類環境濃度の測定についても、年四回程度の各1日間の調査では、汚染の実態を正確につかめません。県に対しては、処理・保管基準違反に対する厳しい監視と対応、正確な環境汚染の実態把握が望まれています。
■喘息・アトピーと産廃焼却
所沢市在住のKさんは、児童・生徒の喘息・アトピーの問題を、産廃焼却の増加とあわせて追ってきました。平成10年2月に所沢市内全小・中学校で『児童・生徒の喘息等の実態調査』が行われましたが、Kさんは情報公開請求によって資料を得、環境庁が行った全国11地域の学童の喘息罹患率と比較して、所沢市の学童の罹患率が平均して相当高いことを上げました。また、所沢市の酸性雨が県内でも酸性が最も高く、塩化物イオンが多いことを示し、産廃焼却がさまざまな形で健康に悪影響があることを指摘しました。
■焼却炉増加と新生児死亡率増加の関係
狭山市のTさんは、ダイオキシンと新生児死亡率の関係を調査してきました。この問題は1997年に新聞・雑誌等で大きく取り上げられました。Tさんが調べた資料によると、所沢市、三芳町、大井町の死亡率は1970-80年までは県平均以下だったのに対し、81年から上昇。1984年以降、県平均を大きく上回っています。くぬぎ山〜所沢インターにおける産廃焼却は、1984年前後から急速に増加しており、時を同じくしています。参考として秩父地方における新生児死亡率と家庭用焼却炉購入補助期間の関係をみると、ダイオキシンを発生しやすい家庭用焼却炉の購入を促した期間の長い自治体ほど、はっきりと新生児死亡率が高くなっており、ダイオキシン類と煤煙が新生児に与える問題を浮き彫りにしました。
★ 公害調停を申立て、はや1年が経過しようとしています。これを機に、弁護団の一人として、99年度の歩みをごく簡単に振り返ってみます。
私達が調停申立書を県の事務局に提出したのは昨年12月21日でしたが、調停の第1回期日は半年余り後の7月17日に行われました。
同期日には、主に申請人側から、被害の現状を訴える陳述を行いました。
第2回期日(8月6日)には、調停委員の現地視察が行われました。調停委員が主な焼却施設を訪れ、現地付近に住む方々より事情を聞くまたとない機会であり、調停委員も、ここでは現場の被害状況に納得された様子を示していました。
第3〜5回期日は、相手方らのみ出頭し、調停委員が個々に事情を聴取する形で行われました。
第6回期日(11月6日)には、主に、申請人側から、各施設の操業実態の写真やダイオキシンの健康被害などについて訴えました。
★ 次回は、進行協議期日が開かれ、ここで今後の方向性が決定されます。当方としては、今後、ダイオキシン被害に対する徹底した調査が不可欠と考えており、その必要性について主張してゆくつもりです。
なお、これら諸手続は、訴訟のように、双方の主張を予め書面で提出した上、期日においては口頭で主張を補充する形式で慎重に行われています。そこで、調停に積極的に参加されていない方々からみると、遅々として進んでいないように思われるかもしれません。
皮相な言い方になりますが、県や業者に、調停を迅速に進めるインセンティブ(誘因)はありません。そのため本調停においては、次回期日の指定という形式的事項すら、再三、催促を繰り返してようやく指定されるなどという有様で、無駄なエネルギーを強いられています。
また、本調停自体には、即座に焼却施設の操業を停止させるというまでの法的効果はありません。
★ しかし、本調停に意味がないかというと、決してそんなことはありません。
調停期日における相手方の対応や、提出した書面をみると、業者は業者なりに申請人ら住民の声を非常に怖れており、本調停の係属自体が非常に大きなプレッシャーになっていると実感できます。
また、調停の前後を通じ、廃炉届を出し操業を実際に諦めてしまう業者もみられるなど、朗報も一つ一つ、伝わってきています。
以上からみても、本調停の申立は、所沢市周辺のダイオキシン汚染をこれ以上広げないために、大きな歯止めになっています。
ただ、調停だけで全てが解決するというほど、問題が生易しいものでないことも事実です。
調停期日を重ねてきて、現在では、一応、話し合いに応じる余地をみせている業者と、極端には調停期日にすら出頭しないなど、その余地の全くない業者との色分けがはっきりしてきました。
今後は、調停に応じない業者に対してはもちろんですが、応じていても、操業実態において違法行為をしている業者に対しては、毅然とした態度でその是正を求めてゆくべきと考えています。そのため、現在は、弁護団と事務局において、各業者に対する個別の法的対応を鋭意検討しているところです。
そして、これら法的手続を有効に行うためには、やはり、申請人の方々の社会的な後押しが不可欠です。
ただ黙っていると、行政も業者も、「住民は了解している」と勝手に解釈し、何らの手だても打ってくれません。
とにかく動いて、声を大にして主張してゆかないと、現状は何も変わりません。
申請人の方々一人一人の声は小さいかもしれませんが、みなが集まると、それは社会的に大きな力になります。
これからも、ぜひ、積極的なご参加と支援をお願いします。
●調停1年間の成果として
調停一年経過の間に、被申請人である業者の対応は、どのように変化してきたでしょうか。朗報としては、廃炉にしたり、焼却を休止しているところがいくつか出てきました。
自社で出る工場のゴミを小さな焼却炉で燃やしていたが、調停を申し立てられたのを機に廃炉にしようという意向を示したところ(鷺宮製作所、木村屋総本店)。付近住民からの強い苦情を受け、また、すすめる会でも黒煙が出る様子を写真に撮り行政に訴えた結果、廃炉になった例(安西建設工業、清水石産土木)。付近住民の苦情を受け、規制強化の対応もせず、県から操業を認められず休止していた炉が、所沢市の焼却炉撤去事業による助成を受けて廃炉にした例(加藤商事、武蔵野、和光)。すすめる会、住民が県に対しひどい操業実態の苦情を訴え続け、県が廃炉指導(協和産業)。更新許可を与えなかった例(アーバンリサイクル)。また、すすめる会として排出企業に訴え、排出企業が焼却停止を要望した結果、自主休止した例(東明興業、東明企業)。全て、4000人の申請人の声が集まった公害調停の動きが大きな後押しとなりました。
その一方で、操業を続ける意志を明確にしているところ、相変わらず夜中も煙を上げ続け、大量の廃棄物を受け入れている業者、黒煙、分別の不徹底など、違法な操業状況が見られるのも事実です。
所沢周辺にある焼却炉の数は64ありました。今、廃休止により40近くに減りました。
でも、まだ、40もあるのです。異常な事態であることにまったく変わりません。廃棄物流入の一極集中の状況も変わりません。
●いまなぜ県は許可を?!
そして、新たに許可を得て、操業を開始しようとする業者さえいます。中新井地区近くの北田商事(株)は、平成3年に届けを出したのみで設置していなかった焼却炉を、6年間の空白の後、平成9年に突然建設開始。平成9年の法改正による、強化された規制をまったく受けず、生活環境調査もせずに、建設を強行しました。その後約2年、住民の反対で県の許可が出ずに操業できない状況にありましたが、先月末、埼玉県は、住民に何のコンタクトもないまま、ついに許可を出しました。
また、これまで違反を繰り返すひどい操業状態であった業者が許可を得てバグフィルターなどの改善工事を施し、実質的に今後もずっとここで焼却を続けようとする所があります。さらに、県はこれらの改善に対し、彩の国環境創造資金の名目で、億単位のお金の融資斡旋、利子の補助を行っています。
インター近くの(株)新明はこれまで黒煙を出す、煙突から飛灰をとばす、焼却灰を5m以上の高さに野積みする、暴力団がらみの事件の死体を気が付かないで?燃やす、などひどい操業状態でした。しかし、県はこの業者に対しても彩の国の融資により、バグフィルターを付けさせ、焼却を続ける事を認めようとしています。
排ガス処理設備をきちんとさえさせれば、状況は改善されるのでしょうか。県は現在あるひどい違反状況を取り締まることもできない状況です。今後、同じ業者が排ガス処理設備を備えただけできちんとした適正処理をするようになるとは考えられません。
●個別に調停以外の対策もとっていきます
これらについては、今後の調停だけでは対応し切れないと判断し、それぞれの地元住民の会で法的手段を検討しています。
その場合、調停弁護団に加えて新たに埼玉弁護士会の方々の協力を仰ぐことになります。
また、被害を立証するための調査などにも取り組みます。行政の許可処分取り消しを求めることと、操業の差し止めの裁判などを検討していますが、裁判にかかる諸費用、調査費用などのカンパ等、申請人の方々のご理解とご支援をお願いします。
●たよりにならない県の事前協議制
11月から、埼玉県の廃棄物流入の歯止めとなるべく、事前協議制度がスタートしました(県外廃棄物を県内に持ち込む場合、事前に廃棄物種類、量について書類審査を受ける制度。対象は建設系廃棄物のみ)。
県によれば、事前協議の件数について、10月31日までの受付を統計したところ、全県で1477件、西部地域はその内の733件と、半分を占める状況。依然として県内最大であり、当地域における廃棄物流入の集中状況がまったく改善されていないことを示しています。その後も順次増え続け、11月25日付けでは、西部環境管理事務所内の受付件数は1033件とのことです。
また、「現金受入可」などの看板で入ってくる飛び込み客の分や、県内発生のものはチェックがされず、今後大きな抜け穴となる恐れもあります。書類上と実態が合わないのでは、まったく意味をなさないものとなりかねません。今後、県がどのようなチェック体制を持つのかをしっかり見ていく必要があります。
●ダイオキシン類対策特別措置法施行
2000年1月からダイオキシン措置法が施行されます。新たな枠組みとして、総量規制、ばいじん、焼却灰のダイオキシン類濃度基準設定、排出水規制等があります。
総量規制で、規制が強化されることにより、業者が焼却を断念することを促す効果もあると考えられます。住民が申し出ることもできる、という条項もありますから、皆で検討していかなければならない課題の一つです。
ばいじん、焼却灰の基準設定はこれまで規制がなかったものです。排出水規制については、信じられないことに所沢周辺焼却炉では、どの施設も「排出水なし」となっているのです。雨ざらしの焼却灰から流れ出る水、炉体を冷やす水、湿式排ガス処理などに伴い大量に使う水、これらが全て循環され施設の外に排出されることがない、という言い分です。
これまでの法律でさえ守らせることができない行政に対して、住民がきっちりとした法の運用を求めていくことが必要です。
●埼玉県に対して……
今後、調停の大きな鍵を握ってくるのは埼玉県です。焼却施設の違反操業の実態にも、明らかな違反状態にあるゴミの山に対しても、「指導」にならない「指導」を繰り返す県。焼却施設に彩の国環境創造資金の融資を続ける県。埼玉県に対し、きちんとした「監視・指導」と、違反に対しては「許可取り消し」を含めた厳しい対応を即座にとるよう求めていくことが重要です。行政がなぜ業者に対し、ここまで及び腰なのでしょう。行政が重視しているのは、業者の「経済的被害」である、ということです。私たちの主張する生活環境の汚染や、健康に生きる権利に対する被害については、明らかではない、の一点張りです。けれど安心して子供を育て、健康な暮らしを守ることこそが行政本来のの仕事です。そのことをきっちりと、埼玉県に調停を通じて訴えていきます。
●ダイオキシン類調査について
今後調停では、真の汚染実態をあらわす調査を求めていくことを主張していきます。
これまでの行政の調査と、宮田先生の調査との食い違い、数値のみが低くなっていく行政の調査結果、調査データそのものに対する信頼がくずれてきています。最近では、厚木基地の大気中ダイオキシン類高濃度汚染調査結果が発表され、国内最高の53pgTEQ/NGというとんでもない数値が明らかになりました。発生源から直接影響を受ける地点の調査として、国内で初めて長期にわたって発生源を特定して調査したものです。ちなみに、この発生源施設は、通常、主に紙、木、繊維、廃プラなどを燃やす所沢周辺でもみられる施設と変わりありません。
弁護団と事務局では、所沢ダイオキシン汚染問題の当初から関わっていただいている摂南大学宮田秀明教授や青山貞一氏にお話を伺い、汚染の状況を専門家としての立場から調停の場で発言していただくことを依頼しています。
●収入は? | ||
これまで集まった賛助金 (*実際の申請世帯数と集金世帯数には 若干の差があります) |
1, 859件×2, 000円 | 3, 718, 000円 |
雑収入 | (カンパなど) | 14, 064円 |
収入 計 |
3, 732, 064円 |
●支出は? | ||
4人の弁護士の方々へ着手金として | (*一人あたり50, 000円) | 200, 000円 |
4人の弁護士の方々へ 弁護士費用として |
(*一人あたり 年間500, 000円) |
2, 000, 000円 |
調停申請費用 | (県印紙代) | 7, 600円 |
被申請人会社の 土地・商業登記簿謄本費用 |
(*調停申請時に 資料として添付) |
82, 000円 |
広報費用 | (切手代など) | 286, 117円 |
雑費 | (振込料金など) | 12, 870円 |
支出 計 | 2, 588, 587円 | |
差引残高 | 1,143, 477円 |
1. 調停維持賛助金について
昨年12月に公害調停がはじまって1年が経過し、会計年度も2年目に入ります。
現在の会計残高は前頁報告のとおりですが、この金額では、来年度の調停を維持していけません。4人の代理人弁護士の方たちに同じ条件で関わっていただくためには、少なくとも100万円近くが不足しています。ここであらたに申請人の方々に調停維持のため賛助金を募ります。
ぜひ、引き続き調停維持賛助金の協力をよろしくお願いいたします。
(なお、維持賛助金の協力はまったくの任意です。支払いの有無にかかわらず申請人としての権利は調停が終了するまで、どなたも変わりはありません。)
●2000年度調停維持賛助金
一口 2000円 郵便振替00530-0-40224「公害調停をすすめる会」
2. 一般カンパも受付けています
同じ振り込み用紙でどなたからもカンパを受け付けています。地域外の方、協力してくださる方にも声をかけていただければ幸いです。
●一般カンパ 一口 1000円
郵便振替00530-0-40224「公害調停をすすめる会」
3.「公害調停をすすめる会」について
調停の中心的な推進力となる「公害調停をすすめる会」の会員を引き続き募集します。毎月1回の定例会を開いて調停の方向を決めていきます。入会ご希望の方は、氏名、連絡先と「すすめる会入会希望」と明記の上、年会費(3000円)の振込(郵便振替00530-0-40224「公害調停をすすめる会」宛)をお願いします。登録会員は、次年度の会費(3000円)をあわせて振り込んでくださるようお願いします。
4.「ストップ!焼却」キャンペーンをおこないます
みんなで「焼却はいやだ」の意思表示をしませんか。同封の「ストップ!焼却」シールをご自宅のポストなどに貼ってください。また、赤いリボンは「私は、焼却をやめて欲しい」という意志を表します。カバンにつけたり、玄関先に結んだりアピールしてしださい。多くの人の参加が大きな力となります。シールとポスターの販売も、検討中(会の活動費用に当てられます)。どうかよろしくお願いします。
今回の公害調停は、公害紛争処理法に基づいて設けられている「公害紛争処理制度」に則り申請されました。裁判などの司法的解決とは異なり、行政の分野において解決を図る制度です。
●私たちの要望
1.焼却施設の使用停止と新設・変更・更新の不許可
2.実態をあきらかにするための各施設の各種情報開示
3.施設内外の土壌・大気・地下水などについてのダイオキシン汚染実態調査と周辺住民および施設内の労働者についての健康被害調査
4.くぬぎ山および所沢インター周辺での汚染土壌の入れ替え、植林等の原状回復措置
●申請人
埼玉県西部地域(所沢・狭山・川越・大井町・三芳町・朝霞・新座・入間など)に居住もしくは通勤・通学していて焼却施設により生活や健康の被害が生じ、またそのおそれがある人
●被申請人
1 くぬぎ山から半径約3km内と所沢インター周辺半径約3km内で廃棄物焼却施設を操業する(していた)47社
2 上記施設の許可権限と監督指導権限を持つ行政当局である埼玉
・公害紛争処理制度とは
公害紛争処理制度は、公害紛争を裁判で争った場合、解決までに多くの時間と費用がかかることで被害者に大きな負担がかかり、その救済に問題があったことから生まれた制度です。当事者の経済的負担の軽減が図られ、費用も少なくてすみます。また、事件を処理する過程で、職権による調査、資料の収集などが積極的に行われることが期待できます。
公害紛争を処理する機関としては、国に「公害等調整委員会」が総理府の外局として設置され、都道府県には「公害審査会等」があります。私たちは埼玉県の公害審査会に調停を申請しました。埼玉県の公害審査会は、10名の委員で構成され、その中の3名が今回のダイオキシン調停の調停委員として決まっています。現在、埼玉県の公害審査会で取り扱っている調停は、この1件だけです。
今回のような申請人と被申請者の数が非常に多い大規模な調停は、今までに例がありません。
これまで市民が、国や県や市に何回も陳情や要望活動をしても効果の現れなかった問題ですが、実際の当事者(県・焼却業者・住民)が一堂に会して、公の場で話し合いを持つことができるわけです。
◆ボランティア・スタッフ募集!
◆事務局では、広報発送、配布、資料収集、印刷、施設見学、ホームページの管理、その他、様々な作業を行っています。興味のある方、簡単なお手伝いなら……という方、ホームページのデータのチェックのできる方、自分の近所の焼却施設の見学がしてみたいという方、何でも結構です。ぜひ事務局までご一報ください。
◆『きれいな土と空気』は、「すすめる会」のホームページ(http://www3.airnet.ne.jp/dioxin/)にも掲載されています。印刷による広報では間に合わない臨時ニュースや、調停のスケジュールなどを、号外として掲載することも考えていますので、インターネットに加入している方、また身近にインターネットの環境がある方は、ぜひ、ご覧ください。