隣接する工場がごみ山と共に燃え上がる瞬間。。。


ごみ山火災の責任は誰に?


2002年4月3日所沢市南永井の産業廃棄物処理業者(株)新明が保管場に堆積した高さ15mに及ぶ「ごみ山」から出火、大規模な火災が起きました。周辺に引火し、隣接する工場が全焼するという重大な被害が生じました。3000m2の敷地いっぱいに積まれた大量の廃プラスチック類のごみ山(約1万m3以上)が燃え上がり、消火活動は困難を極め、有害物質を含んだ大量の煙、灰が周辺に飛散し続け、19日間に渡りくすぶり続けました。大量の放水はいわば大量の焼却灰に汚染され、周辺に流出しました。周辺環境への被害は測りしれません。
 この火災を引き起こした責任は誰にあるのか。延焼被害を受けた工場では、新明が火災保険にも入っていなかったため、被害補償は全く受けられず、未だ再建の目途がたっていません。その被害額は工場内の精密機械数十台が焼け、数千万に及びます。

ごみ山火災の責任者たち

●M新明
M新明は、ごみ山を積み上げるだけ積み上げ、火災を起こしました。その2ヶ月前に、既に会社は倒産。ゴミを受けるだけ受けたお金はどこへ行ったのか、不明のままです。

●埼玉県
 M新明は、埼玉県の許可を受けて、ここに、ごみ山を積み上げました。2年程前から、そのゴミはあっという間に増え、蠅やネズミの発生、悪臭、ゴミの飛散などはひどく、住民の苦情も埼玉県に対して何度も申し立てられていました。
 しかし、埼玉県はこの2年間いったい何をしていたのでしょうか。

●排出者
 M新明に対して、ゴミを委託し続けた排出企業。和光堂のベビーフードが封を開けられた状態で大量に放置されていました。そこから大量に蠅が発生し、悪臭を放ち、腐敗していました。大量の廃プラゴミが山と積み上げられた状態は2年間続きました。この間、排出企業はこの状態を知っていたのか。自分たちのゴミがどのように処理されているのか、一度でも確認したのでしょうか。

これらの責任を問い、2度とごみ山が積み上がるのを許さない地域にしていきたいと、考えています(未だ埼玉県内に残る3000m3以上のごみ山は69箇所)。


 火災跡の焼却灰状のごみ山は、新明に委託した排出企業(日通、和光堂、オリンピック等6社)が今秋撤去しました。日通は、この件でマニフェスト確認義務違反などの廃棄物処理法違反により、「広域再生利用」指定業者の取消を受けました。

(18日毎日新聞夕刊〜「環境省は18日、大手運送業者の日本通運に対し、廃棄物処理法に基づく特例制度「広域再生利用」の大臣指定を取り消した。廃棄物管理票の記載を怠り、同法に違反したためで、指定の取り消しは初めて。同制度は、優良業者を対象に、都道府県知事 の許可をとらなくても広域的にリサイクルできる廃棄物の処理を認めている」)