埼玉県は首都圏産廃を最も多く受け入れている自治体です。 H11年度の首都圏産廃移動状況調査(環境省)によれば、中間処理目的で埼玉県に流入する首都圏産廃は368万t。2位の神奈川県147万tを大きく引き離しています。この大量の廃棄物が流入し、当地域で処理されることによって、数多くのごみ山、粉塵、悪臭、等様々な有害物質の発生による環境汚染を引き起こしているのです。
 埼玉県は平成11年9月から、流入規制に代わり、事前協議制度を導入し、地域ごとに建設系廃棄物が県外から県内へ持ち込まれる際に、事前に届出をすることを指導しています。このデータによれば、所沢周辺地域への届出件数は県内他地域を圧倒し、その半数以上を占めています(H12年度3849件/6525件、H13年度3217件/5797件)。また、ゴミの排出者が報告した廃棄物持ち込み量についても、H12年度で県内の52.4%、H13年度では52.5%と毎年ほぼ半分を占めています。このデータから分かることは、最も多く産廃を受け入れる埼玉県のなかでも、大幅に偏って、当地域に廃棄物の流れが集中している!ということです。なぜ、こんなにたくさんのゴミを受け入れなければならないのか、環境への影響ははかりしれません。これらの大量にやってくるゴミが、私たちの廻りにごみ山を作ったり、火災を起こしたり、悪臭を発生させたり、処理に廻され、粉塵や様々な化学物質を発生させたり、しているのです。
 
 大量に押し寄せる首都圏のごみ。わたしたちの地域を便利なゴミ受入場とされてはたまりません。この地域に集中して押し寄せるゴミ、たくさんのごみ山、各種の施設。現状をしっかりとみつめて、対策を求めていかなければ、わたしたちの地域を守っていくことは出来ません。わたしたちの地域は子どもたちを育て、豊かな環境のなかで日々過ごし暮らしていく場なのです。

地域別事前協議件数(H11〜H13)
H11(9月から) H12 H13
事務所 協議件数(件) % 協議件数(件) % 協議件数(件) %
中央 36 0.9 37 0.6 23 0.4
西部 2160 53.3 3849 59.0 3217 55.5
秩父 1 0.0 0 1 0.0
北部 146 3.6 101 1.5 154 2.7
東部 446 11.0 496 7.6 390 6.7
東松山 95 2.3 187 2.9 143 2.5
越谷 1167 28.8 1855 28.4 1869 32.2
合計 4051 100 6525 100 5797 100
地域別搬入量(H11〜H13)*排出者搬入実績集計より
H11(9月から) H12 H13
搬入量(t) % 搬入量(t) % 搬入量(t) %
中央 1964.88 0.4 6694.96 0.5 3805.12 0.3
西部 215637.92 43.5 740470.38 52.4 669821.69 52.5
東松山 12357.57 2.5 46890.8 3.3 31769.15 2.5
秩父 35.15 0.0 0 0 6.3 0.0
北部 14818.16 3.0 28836.1 2.0 23570.81 1.8
東部 65262.54 13.2 111177.58 7.9 72838.38 5.7
越谷 185475.53 37.4 478772.55 33.9 474286.62 37.2
合計 495551.75 100 1412842.37 100 1276098.07 100