くぬぎ山で侵食を続ける石坂産業

 2002年、廃棄物処理施設によって荒廃させられた「くぬぎ山」152haを元の緑豊かな武蔵野の平地林へ復元させよう、との声かけのもと、「くぬぎ山地区自然再生事業」が発足しました。廃棄物処理施設の移転誘導・緑地保全を主要な施策とし、2003年には、税金を投じられ、2社が移転しました。その後、地元有志らの参加する「くぬぎ山自然再生協議会も発足、くぬぎ山の自然再生について話し合われてきました。2005年には152haのうち、117haを「特別緑地保全地区」とすることを埼玉県が発表。しかし、未だ指定は実施されていません。その間、くぬぎ山では何が起こっているのでしょうか。 
 最も目立つのは、廃棄物処理施設の拡張の動きです。くぬぎ山の石坂産業鰍ヘ、緑地保全地区指定予定地域の山林を含め、土地を買ったり借りたりし、自らの破砕したがれき屑や木くずのチップ材を敷きつめた通称「花木園」を20数箇所設置。柵を張り巡らし、誰も入れないように整備しています。虫や鳥など生き物の姿は見えません。施設と花木園に挟まれた公道を歩いていると、警備員がついて歩き、「カメラを出さないで下さい。全て私物です。写真を撮らないで下さい」と言われました。この4月には新たに1000tを超える廃棄物の処理施設拡張計画を申請し、さらなる拡張を準備しています。これに対し、埼玉県は「都市計画上支障がない」と判断し、許可をしようとしています。自然再生事業の主旨に逆行するこの許可が許されるのはなぜなのか。


くぬぎ山全体図  緑線で囲った部分が緑地保全指定予定地区案。本来の計画地から三芳町部分がそっくり抜けている。赤線部分が石坂産業部分(石坂産業は三芳町に立地) Googl Earthの画像