所沢は今2002

1998年調停申請時、47社64炉あった焼却炉群。狭い範囲の一地域にこれだけの焼却炉が立地していることはどう考えてもおかしい、と多くの市民が調停の申請に名を連ねました。3年後の今、このうちの、30社42炉が操業を停止、操業を続行しているのは16社22炉と1/3に減りました。

 しかし、インター周辺の所沢市内の焼却炉がかなり減ったのに比べて、くぬぎ山周辺では焼却炉集中立地状況が未だ改善されていません。三芳町から川越市にかけて、50t規模の焼却炉が3箇所(石坂産業、山一商事、東洋インキ)操業を続けています。


くぬぎ山最大手石坂産業。焼却炉規模は1日約50t。市町村焼却炉並の規模。
各焼却炉からは1日当たり総量では約50万Nm3以上の排ガスが排出され周辺に撒き散らされ、煙の中には様々な有害物質が含まれることが懸念される、その悪臭は日によって受忍限度を超える

また、所沢インターすぐのヤマ商物産が、大量の白煙を噴き出しているのを目にするたび、焼却に対する不安に駆られます。実際に今年度のすすめる会調査でヤマ商脇土壌で、760pgTEQ/gという高濃度のダイオキシン類が検出されました。未だに、周辺では灰が降ってくるのです(ヤマ商に対して、埼玉県から継続自主土壌調査の実施が指導されています)。

今尚、灰が降る。周囲の林の葉には、灰が降り積もる。(ヤマ商周辺)

木にかけられた蜘蛛の巣に灰がびっしりついていた。。。周りは赤く枯れていた。
今尚真っ黒な煙を出しているくぬぎやま北にある共進産業

 焼却をやめたからといって、問題が全て解決されたわけではありません。焼却をやめて、ゴミの山を堆く積み上げている業者、破砕の騒音、粉塵の飛散、そして、残された土壌汚染。大きな穴を掘っていた業者もあります。
所沢インター周辺の新明は、焼却を廃業したが、その後、ごみ山を積み上げている。

ゴミを放置している業者、焼却灰の管理がずさんな業者、ダイオキシン12000pgTEQの土壌汚染を出した業者、重金属汚染。これらによる汚染は、土壌、地下水を汚染し、今、きちんとした浄化対策をとらなければ、後々にまで禍根を残します。(調停成立の際に土壌サンプリング条項が入ったことは、今後の汚染把握と浄化へ向けての取り組みとして大変有意義なものです。)

 埼玉県は、野放図に首都圏の廃棄物を受入れ、本来ならば、市街化を抑制するべき、市街化調整区域に廃棄物処理施設が乱立するのを許してきました。これはまぎれもない事実です。処分業の許可手続を取り、行政の審査の上で、この廃棄物処理施設の集中を招いたのです。しかも、「公害防止資金」、「彩の国環境創造資金」等の公的助成制度によって、施設設置を助けさえしています。これは大きな行政施策の誤りであった、と私たちは考えています。それを許してきたのは、行政であり、そして、私たち自身です。私たち自身が、この地域の施設の集中を知らずに、許してしまったのです。誤りを正すためには、その誤りを明らかにし、問題であったことが何なのかを徹底的に洗い出し、二度と繰り返さない体制を作ることが必要です。

 ところが、残念ながら、埼玉県は自らの責任を未だ認めようとはしていません。要望に行っても、調停の場でも、訴訟の場でも、「仕方なかった」と主張しているのです。そして、今も「仕方のない」ことに、ゴミの山は積み上がり、廃棄物を受入続け、汚染の予防原則の立場に立った施策を全く取ろうとはしません。汚染を把握するための施設周辺実態調査にも取り組もうとしていません。そのような姿勢を続けていく限り、ダイオキシンだけではなく、第2,第3の汚染が繰り返され、残されていくおそれがあるのです。私たち自身が、実態を知り、浄化対策を求め、汚染予防原則にたった施策を求め、埼玉県を変えていくことが必要なのだと考えています。

 私たちの地域が首都圏のゴミ処理場となることをもう許すことはできません。私たちの地域は、私たちが暮らし、子どもたちを育てる場なのです。