排出事業者6社が新明ごみ山を全量撤去!
 4月に火災を起こし、その燃え滓(ごみ山)を敷地内に放置している南永井の事業者M新明に関する続報です。
 新明にゴミを委託していた排出事業者6社が協力して新明敷地内に残されたごみ山全量を撤去、処理することとなりました。既に8月5日から作業が開始され、作業予定期間は3ヶ月半。処理事業者は、Mエコ計画(さいたま市)とM山一商事(川越市)で、再焼却された後、最終処分場で処分される予定だということです。

●排出事業者は、全て東京の事業者で、Mオリンピック、和光堂M、日本通運M、Mインテリア・タマ、Mノバ・マネキン、五光産業Mの6社。


なお、埼玉県では現在残された廃棄物を調査中であり(ゴミの中から判明した事業者名は約30社)、新たな排出事業者が判明し次第、撤去事業に参加するよう指導する、としています。
 排出事業者とはM新明にゴミの収集運搬を委託していた事業者です。新明がゴミを処理に廻さず、敷地内に積み上げていたことを、排出事業者は知り得たはずです。M新明の現地を見れば明らかであり、マニフェスト(廃棄物管理票)からも、自分の出したゴミがきちんと処理業者に廻され、処理が行われたかどうかを確認することが既に法律で義務付けられています。
 新明は処理に廻す意志のないまま、自社敷地内にゴミを受け入れるだけ受入、ゴミ山を積み上げ、その後、会社を倒産させました。。そのような事業者にきちんとした適正処理を確認することなく委託した排出事業者の責任を追求した結果です。ごみ山が放置される事によって悪臭、汚水の流出、蠅、ネズミなどの害虫の発生、再火災の懸念などがありました。今回、これらの不安を地域住民が訴え、早期の撤去対策につながりました。
 作業による粉塵の飛散などが最小限に押さえられるよう、適正な処理が為されるよう、今後も注視していく必要があります。
 また、跡地が、再びゴミ保管施設等になることはあってはなりません。今後も地域で反対の声を上げていくことが歯止めとなります。ご協力下さい。
 
 これに先立ち、県は新明に対し、産業廃棄物処理業の許可の取消を行いました。許可の取消を受けた事業者は今後5年間は新たな許可を得ることは出来ません。また、他の地方自治体で得た許可も取消を受けることになります。しかし、集めるだけ集めた大量のゴミを受け、手にしたお金はどこへ行ってしまったのか、責任をきちんと追及していくこともまた必要ではないでしょうか。

●県がごみ山対策を強化することを発表しました
 ごみ山被害対策市民の会では、新明火災発生以降、県に対して、ごみ山対策を要望し続けてきました。2週間に1回、県庁廃棄物指導課、ダイオキシン対策室の担当者と交渉を行い、まず、新明の火災後に残るごみ山の撤去、また、このような被害を繰り返させないための行政の施策、県内各地に残るその他のごみ山の撤去対策について要望し、行政の動きを聞いてきました。その間、県は新明周辺の火災影響調査、として、周辺数カ所の土壌・水質調査を実施(しかし、汚染の恐れのある地点や新明から発生する汚水を調査対象から外す等問題を残すものでした)。8月16日には第7回目の交渉を行いましたが、その席で、埼玉県が、「ごみ山対策について」の緊急対策をとることとなった報告がありましたので、簡単に紹介します。

県は、県内各地の不法投棄や保管と称する悪質な廃棄物の山積み(3000m3以上に上るごみ山は69箇所)を絶対に許さないという決意の下に、未然防止と今ある山の撤去・環境保全のための緊急対策を講じる。

●合同監視班(環境、農林、県警、市町村)を編成し、早朝、夜間を含めた監視体制の整備。
●火災や崩落の危険性など県民生活に重大な支障を来すような緊急性のあるごみ山については、措置命令、告発を行うとともに、やむを得ない場合には、県と市町村などが協力して撤去することも視野に入れながら対応を図る。
●撤去指導対象として、行為者、排出者、土地所有者への強力な指導、告発、措置命令などを行う。

県内69箇所あるごみ山は所沢周辺から県北地域の関越道周辺に集中しています。これまで、繰り返し県の指導体制の不備を指摘し、より効果のある対策を要請してきました。今回、ごみ山に対して効果のない口頭指導に終始してきた県が、明らかに方針を変え、法的措置をとる方向を明確に打ち出しました。流れ込む大量の廃棄物が不法放置を阻止するための対策が本格化されるよう、今後も引き続き訴え続けていきたいと思っています。