D社

99.5.10 AM10:00〜
99.6.12 AM11:30〜

記録閲覧

焼却した産廃の種類及び数量

 月、種類毎に整理されたデータはなく、処分状況の日報(2月1日〜)を見せてもらう。

*記録事項は、焼却量(立方m)、作業時間(炉への投入から火を消した後の灰出しまで)、灰の量、他。

 紙、木、繊維くずを150〜250m3ほど、毎日燃やす。作業時間はAM3;00〜23;00など。

 AM3:00頃から火入れ(8〜9AM)まで、焼却物を炉内に投入し、準備する

 毎日15〜60m3(20m3くらいが多かった)の灰が発生する

*一回投入後、火入れ後は密閉し、追加投入はしない。(98.12.1からの指導により)

問題点→ 200m3の木くず、換算すると、60t程と考えられ、19.6t/dayの許可の処理能力オーバー

 *担当者の話では150m3が理想で、立ち上げ立ち下げもスムーズで燃焼状態も良いとのこと。実際には200m3くらいの日が多く、150m3の日は少ない。埼玉県ダイオキシン測定の日(99.3.18)は150m3

温度記録

 毎日の日報に温度記録及びスクラバーの苛性ソーダ投入量、PHデータが綴じられている。

立ち上げ、立ち下げは概ね管理されているが、立ち下げに時間がかかる日が見られる。燃やしきりの徹底が必要。投入物が多く、火は水冷で落とすということだったが、くすぶっているのでは? 

 高温状態になってからは800度以上、1000度以上になることも多い。

(かなり老朽化した炉であるようだが、高温に耐えられる?→設計時は最高600度を想定した焼却炉。基準が強化されたため、高温にしているが、補修しながら使っている。穴があく前に、炉内の材を吹き付けたり、といったメンテナンスが年3回程必要。耐火煉瓦だとすぐにぼろぼろはがれるので、同じ素材を吹き付けるということだった。ゴールデンウィーク中にも補修したばかり。

以前は・・・

 基準強化の前は、左右の扉を交互に開け、炉内に入り、ユンボで撹拌しながら、追加投入していた、とのこと。

「炉内に入る?」作業員「熱くないですよ・・・」の会話で、以前の焼却状況がすごいものだったことが伺われた。燃焼温度200〜300度くらい?

今は、着火前に廃棄物を詰め込み(200m3というすごい量を詰め込む)、以降は追加投入なし、蓋を開けることはない。撹拌設備がない(エアーのみ)ので、大変、といっていた。撹拌できるのか?

巨大な焼却炉・・・火床面積60平方m(届け出データ)、高さも6m?程はありそうな巨大な焼却炉だった。温度計は炉頂に設置されていると言っていたが、炉内全ての温度が把握できているのか疑問。この巨大な炉内に一気に200立方mの廃棄物を詰め込み、バーナー(A重油0.8l/day前後使用)とエアーを使って燃やす、という。


焼却炉脇に積み上げられた燃やすゴミ。雑多。前回来たときは、もっと木くずが多かった。





燃やされた後。未燃物が多い。完全燃焼ができているとは思えない。雨ざらし。これで飛散流出していないといえるのか。

灰の処理

 消火後、炉の奥の扉が開き、重機を使い灰を押し出す。(20m3ほど発生する)

 →格子状に穴の空いたユンボで未燃物をとり、さらに、ふるいにかける。

 →未燃物は再び焼却

 →灰は60%(目標)コンクリート固化、30%処分場へ、10%はもう一度焼却

灰のコンクリート固化 11.7m3/day

 まだ、試作品だそうで、場内のあちこちにたくさん積まれていた(1日に10個:1ブロック0.7m3くらいできてしまう、という。写真参照)。黒と灰色まだらで、ぼろっとくずれているものもあった。売れそうですか?と聞いたら、売れるといいですけどね、といっていた。重金属固定剤処理をしているそう。土止用ブロックとして開発中。流通しだしたらこわい・・・

ここで練られる

型に入れられ、出来上がり。

管理型処分場へは、1立方m18000円。愛知県ミロク開発、三共資源へ委託。

ばいじんの除去の実施状況と措置
サイクロン、スクラバー、冷却塔。

 

 サイクロン飛灰は、3日にいっぺんくらいだしている。シャベルで掻き出して一輪車で搬出。

  搬出後の処理については聞き忘れた。

 この汚水は?

スクラバーの状況
スクラバー処理水は循環。撒水に使う?? 汚泥はたまらない、と言っていた。ダイオキシン測定するべき

 冷却塔はどんなものか聞き忘れ。

排ガスの分析結果

 97.9.4、98.1.12,1.27(県)のダイオキシン測定結果のみ(その他のものは見当たらない、と探していた)

 
測定日

ダイオキシン類濃度

ばいじん

HCl CO Nox
排ガス 焼却灰 飛灰

ng-TEQ/Nm3

g/Nm3 mg/Nm3 ppm mg/Nm3
97.9.4 210 1.1 10 0.18 50 893
98.1.6 69
98.1.27 65 3.6 8.8
98.7.2 96 0.216 <30 250 73

2000年の市の基準、40ng-TEQ/Nm3をクリアするのが当面の問題、といっていた。

その他

 毎日約1200m3/day 搬入。うち3割廃プラ。

 廃プラの処理は、圧縮,→燃料(見学、ブルーシートやビニール袋をぎゅっとまとめて縛ってあった)

         RDF(現在稼働していない、改良後、稼働したい)

         破砕→安定型処分場へ(栃木、千葉、仙台)

   (許可は廃プラ破砕4.4t/day, 破砕・圧縮8t/day)

 塩ビ20立方m1000円でリサイクル原料として海外へ売却 中国

 木くず→破砕・・・チップ(堆肥、燃料)

     焼却

 石膏ボード→紙を剥離し、リサイクルへ(T企業敷地内にプラント)
 石膏ボードには砒素が混入しているものがある。ロット番号でチェックしているそう。

 焼却はやめないのか?

  焼却をやめると、今、燃やしているものを他へ委託しなければならなくなり、赤字になる。

  焼却ごみ9000円/立方mくらいかかってしまう。

   うちでは、だいたい4500円〜7000円/立方mで受けている。大手ゼネコンが低価格。値上げ交渉中

 月の売り上げ→約2億

  ISO14001を99.2月取得。取得のご挨拶文(99.3.11)には、99年度中には焼却炉の稼働を自主的に停止する予定でいる、となっていた。

T企業

 T興業の巨大炉のすぐ隣に、「T企業」の炉。燃料チップを購入して燃やす(石膏ボードリサイクルのための熱利用)ため、最近、廃棄物焼却施設対象外となる。燃料チップは、隣から、購入。

 

 興業と企業が殆ど一体のものであることは一目瞭然。企業の炉、として見学させてもらったが、以前測ったダイオキシン濃度は60ngぐらい,と言っていた。廃棄物焼却炉対象外となったことは、かなり疑問。焼却灰はクリンカができていて、「廃プラが混ざっているから?」と聞いたら、「釘が混ざってしまうからだ」と答えていた。