老いの僻事というか、平成4年頃音楽堂で天井マイクの音が欲しいと思った。 訊くと、天井からマイクケーブルを垂らす人とステージでそれを受け止めてマイク ヘッドに繋ぐ人と、人手が二人欲しいという。これは常には確保できる人数では ない。大抵の場合諦めざるを得なかった。これが平成19年頃でも事情は変わらな かったらしく、ある主催側の人から、音楽堂で天吊りマイクをお願いしたら、それ は業者に限ると言われた(エアーモニター音ならキャノンで出力します、とも) のですが、言われた意味が理解出来ません、という相談を受けて、そんなこと儂に 聞かないでよ、と馬鹿馬鹿しくなったものでした。  音楽堂改修後の昨年、11月7日ですが、我が家の主催コンサートを音楽堂で 開催したときかみさんが天井マイクを申し込んだ(有料)というので半信半疑引き 巡らせて貰ったケーブルを使ったのですが、どうせならと、横響の演奏会でマイク (AKG―アカゲと言います)を持ち込みたいけど幾ら掛かりますかと音響の人に 訊いたら、持ち込みは無料です、と。あら吃驚、でも、有難い事は素直に受けよう。 そして今回卒爾乍ら、天吊りマイクで輯音した次第なんです。ワタシ業者ぢゃない んですが…基本的には音楽堂側で全てやるので大丈夫ですよ。実はこういう対応は 県民ホールやみなとみらいホールを始め、世間の大部分のホールの「当たり前」の 対応なんですが、15年以上つれない対応に涙してきた身には、物凄い激変と映る わけでした。  だから今回の音声は好いのかと敷島の大和ごごろを人問わば、朝日に匂う山桜花、 ビデオテープで収録する限り、避けられない音跳びは必ずあり、歪もところどころ 聴かれ、必ずしも満足いってません。(公開はDVDディスクですが収録はRAM やHDではなくてミニDVです…)だから取り敢えず、週末までには音声も公開 するつもりです。それ程代わり映せんとは思いますが、途切れたり歪んだりは一切 ない筈です。―乞うご期待。次回、次々回とローリングを重ね、6月のシューマン (チェロ協奏曲)は最高の仕上がりに持って参りたいところです。