懐ゲーを語るにおいて外せないクリエイターたち
堀井祐二
「ドラクエ」シリーズの大ヒットにより今や知らん人はいないとまで言われる
ゲームデザイナー。元々は劇作家でアニメ版「ゴルゴ13」なんかの脚本を
やっていた(とポートピアのパッケージに書いてある)。
作ったゲームではポートピアが処女作と思われがちだが、実は
アクションゲーム「ラブマッチテニス」が第一作品。
この作品で第一回エニックスゲームコンテストを授賞(ゲームコンテストの取材のついでに自作品を応募したそうなw)。
(ちなみにポートピアは第2回コンテスト入賞作品。)
で、推理三部作(ポートピア連続殺人事件、オホーツクに消ゆ、軽井沢誘拐案内)を
発表後、「ドラクエ」を大ヒットさせて・・・後はいわんでもわかるっしょ。
すぎやまこういち
やっぱり「ドラクエ」シリーズの大ヒットで大音楽家のイメージを築いてしまった方だけど、
元々、ベテランの作曲家で、昔からお馴染みの曲を多々作っている。
(例えば「新マン」の主題歌はあの人のペンによるもの)。
で、どうしてこうなったのかというと。この方、かなり早くからPCのゲームを嗜んでおり、エニックスの森田将棋とかで真面目にアンケートハガキを送ってたらしい。
で、エニックスが目をつけてパソコンゲームのBGMを依頼(「ジーザス」「ガンダーラ」「ウイングマン2」など)、
その関係からドラクエの音楽を手掛けたものと思われる。
三遊亭円丈
この人はいわゆる革新創作系の落語家でして、パソコンに足を突っ込んだのもネタ探しの一環だったという。
当初はFM−7のユーザーで自分で作ったプログラムをPOPCOM(休刊)に連載したりしてるうちに、
「円丈のドラゴンスレーヤー」を連載。
提灯ヨイショレビューしか無かった時代に「自分が思ったままをそのまんまぶった切る」辛口のレビューとして
大好評。
ついには、自らゲームをデザイン。ZAVAS(サバッシュ)シリーズ2作を生み出す。
ちなみにこの人の出した予言、「1998年9月8日に98シリーズは滅びる」は、
それ以前に98が廃れちゃったので、惜しくも(?)ハズレる。
浅倉大介
この人、当時T&Eと契約しており、「DAIVA」「レイドックU」「ハイドライド3」に音楽を提供していました。
ああ、代々木公園で昔やった「DAIVA」のライブが懐かしい。
懐ゲーを語るにおいて外せないプログラマーたち
中村光一
うーん・・・学生時代にプログラミングした「ドアドア」でエニックスゲームコンテストの大賞をとってから、
チュンソフト作って、ドラクエシリーズのプログラミングで名を馳せた事くらいしか知らないんですわ。
木屋善夫
「西の内藤、東の木屋」と、言われてたほど、昔この人を知らない人はいねーっちゅうくらい有名なプログラマー。
日本ファルコムの”ドル箱シリーズ”ドラゴンスレイヤーシリーズの作者。
ちなみにこの人が作った作品には”ドラゴンスレイヤー”の冠文字が入る事になっていた。
だから、ロードモナークも実はドラゴンスレイヤーだし、「英雄伝説」には入ってないので
あの人の作品では無いことが解る。
現在はプログラマーを引退、プロデュース業に専念。「大逆鱗」シリーズをプロデュース。
日高徹
今まであげたプログラマーをスタープログラマーと定義づけるなら、この人は
技巧派プログラマーと言えるだろう。
PCマガジン(休刊)において新日本プログラミング(通称新日プロ)を連載し、
後進の育成に務めた事は評価すべきことである。(ワタシは挫折したクチ)
自分はこの人のコラムを読んで88が廃れた際に98に転ばず当時生まれたばかりのDOS/V
に転んだ事を誇りに思っている。
懐ゲーを語るにおいて外せないグラフィックデザイナーたち
木村明弘
「エメラルド・ドラゴン」を皮切りにすっかりビッグな絵描きさんになってしまった御仁でありますが、
元々POPCOMで「ニコマート木村」ちゅう名のイラストレーターをやっておられたのでありました。
(昔、ソーサリアンの同人誌をPOPCOMに投稿したところ、それが縁で採用されたようで)
ちなみに、ペンネームの由来は当時の彼女をデートの待ち合わせでニコマートに30分待たせたから・・・
(と、POPCOMに書いてあった。)
当時、POPCOMで作っていたサバッシュがテンパってきて引っぱり出されて一部CGを担当。
それがきっかけで(サバッシュを作っていたのはバショウハウスだったので)
「エメラルド・ドラゴン」のCGを担当、以後の評価は言わずもがな。
懐ゲーを語るにおいて外せないソフトメーカー
エニックス
ここの面白いところは、自社で開発スタッフを抱え込まずに作品毎にプロジェクトチームを集めてたコト。
あと、早くからゲームコンテストを実施して人材発掘に力を入れた事でしょう。
(余談だが、このようなコンテストは当時幾つもあったが、ここが一番賞金が高かったらしい。)
コンシューマー一本に絞るまでにも、その人脈をフルに活用して印象深いパソゲーを多々出している。
BPS
日本初の本格的RPG「ブラックオニキス」で華々しくデビューしたメーカー。
社長と副社長(当時)が、生粋のメリケン人で、本場アメリカの味を日本に持ち込もうというのが方針らしかった。
が、RPG路線は、続編「ファイヤークリスタル」発売後、幻の第3作ムーンストーン制作遅延で頓挫。
(あ、確か近未来ロボットRPG出してたっけ。タイトル忘れたけど。)
以後は、「アーコン」「ミュール」といった海外製ストラテジーゲームの移植が主路線となる。
で、ソ連製のパズルゲーム「テトリス」を移植したところ、これがバカうけ。
現在はコンシューマー中心にパズル・ストラテジー路線のゲームを制作。
が、最近聞いた話によると日本から撤退してしまったらしい。(ホームページも閉じてしまった。)
現在はハワイにて携帯用のテトリスで稼いでいるとのこと。
日本ファルコム
元々はアップルのソフトの輸入代理店。
そのうちにソフトメーカーへ転向。
(小売り業者が自社でソフトを開発してデビューするのは当時は当たり前だった。)
初期は、会社の方向性が定まるまでいろんなジャンルのゲームを作成していたが、
(社会派SLG「北の脅威」から18禁パズルゲーム「女子大プライベート」まで)
次第に高い技術力に裏打ちされたゲームを作成(アステカ、デーモンズリング)。
そして、リアルタイムRPG「ドラゴンスレイヤー」のスマッシュヒットにより会社の方向性が
ほぼ定まり、次作「ドラゴンスレイヤー2・ザナドゥ」は、当時としては破格の大ヒット。
以後、「ドラスレシリーズ」「イースシリーズ」という両看板を抱え、パソゲー界の牽引役になる。
が、90年度前半あたりからスタッフ離脱による企画力低下から安易な続編路線、
さらに旧作のリメイク路線に走り、往年のマニアから「終わった」扱いを受ける。
(それでも、コンシューマー一本に転向しないにもかかわらず、沈没しなかった事は立派。)
ヴァンデージ・マスターのヒットにより「ファルコム健在」を見せつけるも、
「イース・エターナル」「英雄伝説」といった路線は相変わらず。
ま、売れてるから良しとしましょか。
T&Eソフト
名古屋在住の老舗。
元々は6001用のアクションゲームがメインであったが、
スペオペADV「スターアーサー伝説」3部作や
アクティヴRPG「ハイドライド」シリーズなど、時代の流行に合わせた敏感なソフト作りを行う。
(悪く言えば方向性無さ過ぎ)
ユーザーズクラブを本格的に運営して、いわゆる「T&Eフリークス」の育成に力を入れたのも
ここが初めて。(90年頭に解散。かくいう私も昔会員でした。)
また、当初からゴルフゲームには独特のこだわりを持ち、名門・オーガスタゴルフクラブと
ライセンス契約を結び開発した「遙かなるオーガスタ」を発売している。
が、RPG人気の低下に伴い、ハイドライドの次に出した「ルーンワース」3部作の不人気も
あってか、コンシューマーに転向。一時は手軽な海外移植路線に走ったり、安易なギャルゲー出したりと
していたが、最近になって「ハイドライド」「ハイドライド3」のリメイク版を発売してパソゲーに
帰ってきた。路線はどうであれ、パソゲーに帰ってきたことは素直に嬉しい。
この際だから、DAIVAもリメイクしてけれ。
追記
ところが、パソゲーに帰ってきたのはそれっきり。
以後、パッとしないままスクウェアから資本提供を受けたりしていたが、
2001年にディズニーと資本提携を結び、傘下に収まり、
なんと、今年すっかり子会社として「ディー・インタラクティブ」と社名変更。
名古屋の老舗はここに消えました・・・
クリスタルソフト
大阪の老舗ソフトハウス。
初期はADVメーカーであったが、大作RPG「夢幻の心臓」のヒットにより
知的なRPGメーカーとして名を馳せる。
同社の作品には「ファンタジアン」「クリムゾン」「リザード」など。
また、SLGも「Mr.プロ野球」など、対象年齢が高めのゲームを多く出していた。
が、経営難からT&Eに吸収合併、T&Eソフト大阪支社となる。
(その為、Mr.プロ野球2はT&Eから発売される。)
こっから枝分かれして「野球道」をリリースさせたのが、後の日本クリエイト。
シンキングラビット
ユニークなパズルゲーム「倉庫番」でデビュー。
その後、「鍵穴殺人事件」を筆頭に
「道化師殺人事件」
「カサブランカに愛を」
「マデリーン」
「ザ・マン・アイ・ラブ」
などのミステリーADVを多々制作する。
が、「映画狂殺人事件」を作成中のまま、
表舞台から姿を消す。
聞いたところによると、コンシューマーでは現在も活躍を
しているようであるが、パソゲーでは、リメイクされた「倉庫番」
(ちなみに倉庫番は海外でも「SOKOBAN」の名で広まっている)。
等のクレジットに面影を残すのみである。
ボーステック
経営スタート前にゲームコンテストを行い、
受賞作品を第1陣として売り出したおもろい会社。
(妖怪探偵ちまちま、EGGY)
その後も究極の遅れゲーレリクスを出すわ、
ド派手なCMを作るわといった展開に売ってでる。
その後、いつのまにか表舞台から姿を消すも、
会社自体は無くなったわけではなく、
必殺の「銀英伝」シリーズで命をつなぐ。
はっきりいおう、タフでしぶといメーカーだ。
追記
ついにこの会社にも追記をする時が来たか…
2004年12月、有限会社らいとすたっふ(作者田中芳樹氏の著作権を管理する会社)は
『銀河英雄伝説』著作権者の総意として、ボーステックに対し、2005年6月末に満了する版権許諾契約を更新しない旨を通知。
理由は、ボーステック側が無断で商標を登録しようとしたり、
当時MMOとして運営していた銀英伝VIIを無断で韓国で展開しようとするなどの行為を行っていたため。
そして、ボーステック側の事情ということで2005年3月22日に版権許諾契約を即時解除。
これにより、当時展開していたMMO「銀英伝VII」は5/9を持ってサーバーを停止。全ての運営を終了した。
最後の、そして唯一の生命線を絶たれたボーステックは倒産。
発売を予定していたレリクスのリメイク「RINNE」は、ファルコムから発売される事になる。
合掌。
スタークラフト
元々はアップルのソフトの輸入代理店だったのだが、
少しずつそれらの移植を開始して、海外ADV移植メーカーとして名を馳せる。
「トランシルバニア」「ウィザード&プリンセス」「クエスト」などといった移植路線から
「カビテッド・ミラー」を和風に「照魔鏡の謎」にアレンジするなどの試みも行っている。
ADVが廃れた後も海外RPGの移植を続け、「ファンタジー」シリーズや「T&T」を発表する。
が、次第に少しずつ出す作品が絞られてくる。
それは何故かと言いますと、DOS/Vの普及により、海外メーカーが自ら日本語化に乗り出してしまったからなのだ。
(特にアメリカではエレクトロニック・アーツが市場を席巻、「ウルティマ」のオリジンやマイクロプローズを傘下に入れて、
EAビクターとして(今はEAスクウェア)日本での自社販売に乗り出してしまった。)
最後の方で出せたのは「Might & Magic」のマインドクラフト社製品だけという有様。
気がついたらフェードアウトしてしまっていた。
海外作品の移植はメーカーの資本力が決め手というお手本ですな。
スクウェア
ここに出すべきメーカーかなぁ・・・まぁいいや。
スクウェアのパソゲー歴自体はそんなに長いわけではない。
と、いうのもデストラップ、Will、アルファ、ジェネシス、ブラスティー、ドラスレ(移植)を出しただけで、
さっさとファミコンに転向してしまったからである。
一つ言えることは、当時から坂口氏(スクウェアでいっちゃん偉い人)のグラフィックにおける
いれこみようは半端じゃなかったこと。
Willの目パチアニメーションに始まり、
アルファでパッケージにいのまたむつみを起用したり、
ブラスティーで日本サンライズにキャラデザを依頼などなど。
元々グラフィッカーですからねー。FFなんかであそこまでCGやられると何も言えませんわ。
グローディア
いつのころか、忘れたけどPOPCOMの読者投稿プログラムコーナーに
「CAMEL-X」というキャラクターパターンエディタが掲載された事があった。
個人レベルにしては質が高く、POPCOMは改良を加えて「CAMEL2」として売り出した。
(実際、88版DAIVAのアクションシーンのキャラパターンはCAMEL2で開発されている。)
その作者こそ、池亀 治氏である。彼がジョニー高橋氏と組んで作ったユニットがグローディアであった。
88用のアクションゲーム「テスタメント」をバショウハウスから発売すると、
POPCOMとの縁から「サバッシュ」のプログラムを担当。
そこで知り合ったスタッフを使って「エメラルド・ドラゴン」を作ってこれがバカ当たり。
会社として一本立ちする。
プログラム能力はピカ一なんだけど、企画とかシナリオとかその辺の勉強もしたほうがいいのでわ。
ヴェインドリームなんか、あまりのイベント追っかけのみな内容に呆れたもん。