最後まで、その実力を発揮できなかった不遇のマシーン

PC−8801mk2MR

8801シリーズといえば、ここで語ることもないんじゃないのってくらい
有名な8ビットパソコンの代表格であります。
細かいバージョンアップを繰り返し、FM−7、X1といった他社ライバルを踏破し
同社の16ビットシリーズ9801に潰されるまで、
文字通り「ホームユースPCの金字塔」でありました。
(えー、つまり8ビット最強マシンはMSXシリーズになったワケです。)

Rシリーズ(SR、MR、FR&TR)とは?
PC−8801が発売されて、しばらくはNECのシェアの元、多数派PCとして
地盤を築いてきましたが、どうもゲームでは今ひとつの感じがありました。
どちらかというと、富士通のFM−7の方がゲームパソコンとしては性能がよかったようで
当時は88版よりもFM7版の方が出来がいい場合がありました。
(わしゃあ、未だにテラ4001が88で出なかった事をうらんどります。)
メーカーによってはFM7で先に出して売れたら88へ移植というパターンも。

理由は簡単。8801にはBEEP音だけで、サウンド機能が無かったのです。
これを破るためかはしりませんが、NECは決定的なバージョンアップを施した新シリーズを
発表しました。PC−8801mk2SRであります。
・CPUのスピードアップ
・グラフィックの強化
・サウンドの充実(FM音源搭載)
と、ゲームの為に強化されたようなこのマシン、当初はその能力をあまり使ったゲームは
そんなになかったのですが、「テグザー」の登場により、一気に市場を塗り替えます。

MR&FR
SRの登場からしばらくして、88Rシリーズ初のバージョンアップが行われました。
(モデム搭載のみのTRはおいといてね)
コスト削減のFRと機能拡大のMRです。
MRの特徴は以下の二つに絞られます。
・5インチ2HDドライブ採用
・大容量メモリ搭載(128KB)
・第一・第二漢字ROM実装
欠点としては
・テープI/Fが無い。
・N80BASICモードがソフト切り替えのみなので、
 このモードを使った画像取り込みソフトが使えなかった。

が、マシンとしては既にSRで完結してしまった、このシリーズ。
以後はマイナーバージョンアップのみに留まる結果となりました。

ハードのバージョンアップコンセプトがSRから進歩してないモンだから、
でてくるソフトもSR対応ばかり。
2HDも128KBメモリも使われない、使われない。(ほんの一部の例外はあるんだけど。)

(クロックアップのHシリーズ、サウンド強化のAシリーズ。
16ビット対応のVAシリーズも出ましたが、人気は本家に遠く及ばず。)
そして、家庭用テレビにつながるFEが出た時点で88は終わったのであります。
(最後のMCなんか使いもしないCD−ROM搭載機だったもんね。)

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